「モンスターズ・インク」の続編ではあるが、描かれるのはその前日談に当たる。前作「~インク」の公開を調べたら何と2001年、12年前なのだ。
2Dと3D版があり、それぞれ字幕版と日本語吹替え版がある。2D字幕版で見たかったが、劇場アクセスの関係で2D吹替え版の鑑賞となった。驚くのはセリフだけではなく、画面の中に登場する店の看板などの文字も日本語になっていることだ。
上映各国の事情に合わせて「その国版」が作られているのだろうか?
物語は主人公が一人前の「怖がらせ屋」になるために、超難関のモンスターズ・ユニバーシティ「怖がらせ学部」に入学しての奮闘を描く。あの手この手のハードルが用意されていて、それをどうクリアして行くかが見ものである。
ただし、単なるお子様映画とは違う。めでたし、めでたしですべてがうまく片付くハッピーなエンディングが予定されているわけではないのだ。
悪役に相当する女性学部長も、見るからに不気味で憎々しいキャラクターで登場し、ことあるごとに主人公たちを妨害、最後には彼らたちの奮闘を見直すことになるのだが並みの「悪人の改心」とは一味違う。ダメなものはダメなのだ。その辺が大人の鑑賞にも耐える作品といえる、一つの要素だと思う。
予想外の収穫は本編前に上映される短編「ブルー・アンブレラ」である。6分ほどのアニメ作品で、青い傘が雨の日に街中ですれ違った赤い傘に恋をするというお話だ。これが実写なのかフルデジタルのアニメなのか区別がつかないリアルさで、しかも美しい作品なのだ。
暑い夏のお得な一編である。
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