ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「ふがいない僕は空を見た」、コスプレ主婦と高校生の危ないセックス

2013-05-03 15:00:42 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

原作は、窪美澄の小説、それも、第八回女による女のためのR-18文学賞大賞受賞作。

監督は、タナダユキ。

主演の田畑智子が、全裸で頑張ったという作品です。

でもこの作品、結構、シビアで重たい作品です。

前半は、コスプレにはまった主婦と、主婦に導かれセックスの世界へはまった高校生の話。でも主婦は、子供ができないと姑に苛め抜かれ、人工授精に失敗、そのはけ口だったのです。

だが、主婦の行動を疑った夫により、セックスシーンを隠し撮りされ、ネットでばらまかれ、さらには、団地にうんざりの女子高生に大量のコピーをさればらまかれる。

ついに、高校生は引きこもりになる。

一方、高校生の同級生は、貧困の極にいた。母親が借金の末、とんずら、痴ほう症の祖母と二人暮らし、コンビニと新聞配達でしのいでいた。借金の取り立てで、食うにも困っていた。

一方、高校生の母は、助産婦を家庭で営業。自然分娩の手助けをしていた。

こんな、人生劇で、それぞれが、悩みと苦しい生活環境を抱え、生きていた。

その端々に、人生が語られ、丁寧な描写と巧みなカメラワークで、なぜ人は生まれ、それぞれの環境が違うのか、生まれて数日で死ぬ赤ん坊に、なぜ母子が苦しんだ1年があるのか?女性ならではの視点で抉り出す。

神社で佇んでいた、引きこもりの息子に、「生きていてね」とさっと諭す母親の言葉にぐさとくる。

捨て子同然に扱われ、一人苦労を背負って立つ男の母親への「なんで俺を生んだんだ」の一言も。

それらの言葉が生きるのも、状況描写の巧みさと、俳優の演技力のたまものだろう。

映画のもう一つの役割を感じさせる映画だ。

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