NHK山田洋次が選んだ日本映画百選 喜劇編 青柳信雄監督「雲の上の団五郎一座」

１９６２年作品。

菊田一夫原作による、舞台劇の舞台裏を描いた作品。

当時は、雲の上の団五郎一座のような、田舎芝居というか、歌舞伎でもない、ちょっとお笑いを含んだ芝居が中心であった。そこへ、ミュージカルのような新風を吹き込んだのは菊田一夫の手柄だろうが、この映画はあくまで喜劇であり、最後は東宝の誇るミュージカルとなっている。

主演は、フランキー堺と水谷良恵（今の八重子）で、二人のラブロマンスも映画に花を添えるが、あくまで喜劇が主役で、

榎本健一の大御所は言わずと知れず、花菱アチャコ。

東西喜劇人総出の感じ。喜劇を演じなくても茶川哲郎、藤田まことなど後の大御所も若くして参加している。

中心になるのは、三木のり平、八波むとし、由利徹、南敏明ら、当時の若手芸人総出だ。

戦後の喜劇の総集成として、見逃せない一作だろう。