「あの日、欲望の大地で」をDVDで鑑賞。
これは観終わってもレビューを書けなくて、2度観てしまいました。
あのシャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーの話題の作品になっていましたね。
2008年のアメリカ映画。
「21グラム」や「バベル」の脚本を手掛けたギジェルモ・アリアガの初監督作品とか。
おもな内容は・・・
シルヴィア(シャーリーズ・セロン)はポートランドの海辺のレストランでマネージャーとして働く毎日。
仕事では有能な彼女がなぜか私生活では行きずりの相手と情事を繰り返す日々を送っていた。
そんな彼女の前に12歳の少女マリアが現れます。
この少女こそシルヴィアの実の娘でしたが、シルヴィア自身が過去に大きな過ちを犯しているのでした。
3世代の女性の生きざまを描いたこの作品、それぞれの女性の生き方に注目してしまいました。
まず冒頭からいきなりトレーラーハウスの爆発シーン。
この中にいたひと組の男女はお互いに家庭を持ち不倫をしていたのです。
キム・ベイシンガーが演じるジーナはシルヴィア(この頃はマリアーナという名前)の母親でした。
彼女は実際の夫とは夫婦生活が上手くいかず、この不倫相手のニックと愛情を確かめ合う日々でした。
ジーナは乳がんで摘出手術を受けていて、身体も心も痛手を負っている時にニックの優しさが心に染みたのでしょう。
キム・ベイシンガーのそんな女姓の気持ちを表す演技にはただ圧倒されました。
(この女優さんは本当に雰囲気のある方で、今では年齢もかなり重ねたはずなのに美しい・・・)
そして不倫関係にあったジーナとニックのそれぞれの子ども達が恋愛関係になってしまうのです。
マリアーナ(シャーリーズ・セロンの子どもの時)を演じるジェニファー・ローレンスがまた良かった。
彼女は多感な時に母親の不倫現場を見てしまうのだから、自暴自棄になるのも理解できます。
でもそんなマリアーナがやってしまった事はとても大きな罪になったのです。
優しいニックがジーナのためにお湯を使えるようにガスボンベをつけなければ良かったのに・・・
そう思っても、マリアーナにはわからない。
不倫関係にあったジーナとニックの子ども達が逃避行をして子どもを産む。
そしてマリアと名付けられたこの赤ちゃんをマリアーナは捨てて逃げてしまったのです。
物語の最後にマリアに連れられて、かつての恋人サンティアゴに会いに行くマリアーナ(シルヴィア)
瀕死の重傷を負ったサンティアゴのそばでマリアーナは娘マリアに許されていくのを感じたのでした。
この作品は時系列を操って描かれていました。
だからそれぞれの名前の把握をしっかりしながら観ました。
ジーナの女心はすごくわかるんだけど、それでもやっぱり不倫関係は多くの人を苦しめます。
ニックの優しさに触れるジーナの幸せそうな表情だけど、愛情に流された罪は大きいのでしょう。
マリアーナの少女時代があまりシャーリーズ・セロンと似ていませんでした。
大人になったシルヴィアの気持ちにはあまり感情移入ができなかったです。
いくら自分に似るのが怖いからマリアを捨てたとしても、だったらどうして産んだのだろう?
結局、ニックの息子のサンティアゴが人一倍愛情深くマリアーナを愛し続け、大切にマリアを育てたのだから、彼が一番偉いのだと思う!
(サンティアゴ自身がマリアーナの犯した罪を知っていたはず)
人間が出来ていたサンテャアゴ。
だからマリアがあんなに良い子に育ったのでしょう。
なかなか深い話でした。
愛されたいという気持ちが小さな罪や大きな罪を生んでしまった非情な物語でした。
でもあえて言うならばラストの展開が今一つ甘い。
マリアがシルヴィアを受け入れるような言葉は希望を意味するのでしょうが・・・
好き嫌いは分かれるように思いました。
今回の評価は・・・ 星3つ ☆☆☆
シャーリーズ・セロンもキム・ベイシンガーもヌードを披露。
セロンの裸体は荒みきっているように感じられたのは演技上手だからなの? どうなの?