9月も、8月からの「掛け持ち読書」は続いて
いましたが、なんとか4冊読み終えました。
物語やエッセイ以外の本を自分から選ぶことは
ほとんどなく‥この本も「先輩」から勧められて
読んだのですが、思いの他読みやすく、そして
「発達障害」を抜きにしても子育てのバイブルに
なるような内容でした。
たとえば‥
脳をつくり直すのは「生活の改善」
1 脳の育て直しができ、脳のバランスが整う
2 セロトニン神経を育てられる
3 睡眠が安定する
そのために
1、朝日を浴びる
2、十分に眠る
3、規則正しい時間に食べる
何よりも睡眠と早起きが大切
「傾聴」と「共感」
役割を人からもらう感謝が子どもの自己肯定感を
底上げしていきます ‥
9月に観た映画のところにもちょっと書きましたが、
旅の復路の飛行機が台風の影響で飛ばなくなったため
旅行の予定を一日延ばして、米子に泊まり、翌日
岡山から新幹線で帰ることになりました。
車中退屈しないように、本屋さんで何か買おうと
思い立ち、そこで選んだ文庫本。
旅といえばやはり沢木さんだよねーという気持ちと
東北新幹線の車中にある雑誌で、掲載されていた
エッセイを読んだことがあったので、新幹線で読むのが
とてもふさわしいように思えました。(厚さというか
ちょうどよい薄さだったし)
このエッセイの中に『春に散る』のシーンを思いついた
桜並木のエピソードがあり‥もしこの文庫を手に
しなければ、その映画も観ないまま通り過ぎてしまった
なーと、偶然の積み重ねに、ちょっとココロ楽しく
なりました。
あの『春に散る』の物語は、主人公の元ボクサーが
この道を歩くシーンで終わりにすればいいのではないか
と思いついた。いやそう思いついたとき『春に散る』
というタイトルが確定したのだ。
8月に映画を観たあと、岩井俊二監督が書いた
「原作本」があると知り、図書館で借りて読んで
みました。
この表紙の通り、小説の中でのキリエは頭の中で
アイナジエンドに変換され、イッコは広瀬すずに
すぐに変換されてしまったけれど、演技からだけでは
(わたしが)汲み取れきれなかった細やかな感情が、
文章を読むことでよくわかった箇所もあり、そうか
やはりそうだったのかーと答え合わせをするような
気持ちもありました。
映画のラストシーンで、ネットカフェのシャワー
ブースを出たところでキリエとすれ違った女性に
何か意味があったのかなーと思っていたけれど、
小説にはちゃんとその続きがあって‥イッコが
捨てたと言った「まおり」という名前を「貰って」
後に本を書いたという設定付で終わってました。
(もしも、小説を先に読んでいたら、映画を観た私は
どう思ったかなーと思ってみたり)
未読の江國作品を図書館の棚で見つけたので
借りてみました。タイトル通り、本のこととか
その周辺のことを、ちょこちょこっと書いた文章を
まとめたエッセイ集。
さようならを言うのはすこしのあいだ死ぬことだ
と言ったのは、フィリップ・マーロウだけれども
散歩するのもまた、すこしのあいだ死ぬことだ。
日常からはみだすこと、日常がそこでふっと切れて
時間が停滞するというか、ゆるくかたまる、
くず湯みたいに、そういう意味で、散歩と旅と
お風呂は似ている
こういうところにエクニカオリという人がとても
よく表れていて‥そういう世の中の捉え方みたいな
もの(あるいは感覚)が好きか嫌いかで、彼女の
作品に対する評価も変わってくるのかなーと思い
ました。
9月は映画館で1本、テレビとオンデマンドで
WOWOWの映画を4本観ました。
映画館で予告上映を何度も観て、興味はあったものの
(探偵ものが好きなので)ドラマ版を観ていなかった
ので、公開当時は観に行きませんでしたが、テレビ
録画で観ることができて満足。
菅田くんのこのビジュアルはなんか新鮮で‥
もじゃもじゃ頭の、大きくなったコナンを見ている
ようで、楽しめました。
@ユナイテッドシネマ浦和
この日は@さいたま新都心のビールまつりのシート券を
妹が買っておいてくれたので、午後からそこへ行く前に
2人で観ました。
キャストのほとんどが、過去に三谷作品(大河ドラマ)の
出演者だったので、なんだか懐かしい感じ(笑)。
その中でも、瀬戸康史の起用が一番効いているのでは?と
私は思いました。あと、西島秀俊と松坂桃李は三谷組の
「レギュラーメンバー」の中に新鮮味を添えていたのでは?
配役の好き嫌いで、映画の評価も変わってくるかなーとも
思えました。(私的には宮澤エマはtoo much だったな)
広いリビングルームやセスナ機のシーンなど、まるで
お芝居のワンシーンのようで、私は楽しめたけど。
こちらも映画館で予告を何度か観ていたものの
観に行くまでには至らず。
けれど、8月の旅行の帰路が飛行機から新幹線に
変更になったことで、時間を持て余すかも、と
米子駅近くの本屋さんで、あらかじめ文庫本を
入手しようと思い立ち、旅先で読むのなら、と
沢木耕太郎さんのエッセイを買って‥その中に
『春に散る』に言及した文章があって‥急に
興味がわきました。
映画と原作とでは違いも多々あるようなので、
いつか沢木さんの小説も読んでみようと思いつつ。
映画は、思っていた以上に面白く、ちょっと苦手
だなーと思っていた横浜流星がなかなか良くて、
ヒールな窪田正孝もよかった。
それにしても、タイトル(題名)の【春に散る】
究極のダンディズムですよねー。
邦画ばかり観ているので、たまには洋画を観たく
なって。
オリジナルタイトルは She came to me
スランプに陥った作曲家に無謀と思えるアタックを
仕掛けてきた「彼女」がきっかけとなって、新作の
オペラを書くことができたので、それが、主人公に
とって She came to me なのだとそこで気が付く。
そんなことってあるのかなーが、いくつも起こるが
まあ、ブルックリンなんだし、そんなこともある
かもね、と思わなくもなく、ちょうど良い長さの
ちょうど良いコメディだった。
『チャーリーとチョコレート工場』に登場した
工場長ウォンカの、「始まり」の物語。
ティム・バートン版の映画よりもだいぶ明るい
ミュージカル映画。シャラメ演じるウォンカが
ジョニー・デップのようなウォンカには、いくら
年を経てもならないよねーと一人つっこみつつ(笑)。
終始楽しくて、エンディングで、ヌードルと
呼ばれていた女の子が幸せになるところもよかった。
::: ::: :::
9月も楽しいことたくさんありましたが、なんといっても
平日開催の【ロックのほそ道】@仙台GIGS に強行参加(笑)
したこと。
大宮から仙台は新幹線で2時間弱なので、余裕だと
思っていたら‥なんとその日に限って、東北新幹線が
朝から昼過ぎまで不通になり、急遽、上野から
特急ひたちに乗って5時間かけて仙台へ。
友から届いた誕生日プレゼント。嬉しい。
@東京オペラシティ 矢野顕子×上原ひろみ
この日の音源はCDにも収録されるということも
あってか、今まで聞いたことがないくらいの
拍手と、熱気に包まれていました。
(大安吉日だったので、この会場で娘へ私たち
からの御祝いを手渡し。ご祝儀袋は私が書のお教室
で書いた「壽」。素気ないけど、それが私たちらしい
かなーと思いました)
先週の金曜日は2年生のクラスでの読み聞かせ
当番でした。
担任の先生ご不在でしたが、きちんと机を下げて
床に座って、「聴く」体制で待っていてくれました。
今回は、最初に「詩」から。
まどみちおさんの【かき】を読んで‥お揃いのエプロンの
ポケットにしのばせておいた折り紙のカラスを取り出して、
「ぼくにも読ませて~」って。。とか言って、カラスが
詩を読むという、小芝居仕立て(笑)。
写真を撮っておけばよかったのですが、仲間が折ってくれた
このカラスがとてもよくできていて‥口がパクパクするのです。
なので、とっても読んでる感じがでます。たまには
こういうのも楽しいです♪
さて、絵本は『さるとかに』
昔話なので、いろんなヴァージョンがあるし、
絵も様々です。
こちらは、かにの子どもたちが、親の敵討ちに行く前に
きびを育て、キビ団子を作り、それをハチや栗や臼などが
「ひとつ くれたら なかまになろう」
という、いわば桃太郎スタイル。
聴いていた2年生も「なんだか桃太郎みたい」と
こそこそ話していました(笑)。
牛のふんや、栗や、臼から「手が出る」のはちょっと
違和感がある、という意見もありましたが、物言わぬ
動物がそもそも喋るのだから、手が出てきてもいいのでは?
という気も(個人的には)します。
本日は4年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
当初、明日の準備で(明日は娘の結婚式なのです)
忙しいかもしれないからと、本日は参加せず、と
していたのですが、3年生4年生はクラス数がいちばん
多いため、読み手が足りないとのことで、やはり
参加することに決めました。
(結果的に本日の参加は、皆におめでとうを言われて
とても嬉しいものになりました。行ってよかったな)
1冊目は、『天の火をぬすんだうさぎ』
何回か小学校で読んだことがあると思っていましたが、
読んだのは一度きりで、(なんと)2012年!
もう12年も前でした‥びっくり。
娘が居る教室で読み聞かせをしたのは、4年も前、と
その時のログに書いていましたが、なんのなんの
その子が明日結婚式ですよ~(笑)。
時の流れって、なんなんでしょうねー。
本日の4年生のクラスは、わりと「自由」な雰囲気で。
あえて本が見えない場所に陣取る小や、みんなとは
離れて一番うしろで立ってる子など居ましたが、それは
それでよく、物語の中には皆入って来ているような
空気を感じました。
先週の『うさぎのみみはなぜながい』に続き、
うさぎって、賢い動物の筆頭なんですね~
2冊目はこちらの絵本。
手にしたのも、実際に読んだのも初めてでした。
だいぶむかしの絵本で、かがくのともから最初に単行本化
されたのは1971年‥ある大手サイトのレビュー欄にも
下記のような説明がありました。
月刊誌かがくのとも35号のハード化。
以前のかがくのとも傑作集に入っていた気がするけど、
ようやく復刻版が出ました。
「鳩よ!」196号によると、谷川氏の絵本作品では11作品目で
’かがくのとも’では「まるのおうさま」(23号)に続いて
2作目にあたる‥そうです。
「こっぷ」ってひらがなで書いてあるーー!
って声も教室では聞こえましたが、まさにそんな時代の
絵本。でも、内容は令和の子どもたちにも響き、
よいものは変わらないのだと思った次第です。
もう9月が終わってしまったというのに、
今日も半袖Tシャツ着ています。。。
8月は図書館の返却期限のために、読みかけを中断
したり、旅の途中で文庫本を買って、新幹線の中で
読んだりと‥何冊も掛け持ちしてましたが、結局
ちゃんと読み終わった本は3冊でした。
どこかでレビューか、読んだ方の感想を読んで
図書館で借りて読みました。
第二次大戦後のアメリカ、シカゴが舞台。
南部からの「大移動」があって、黒人文化が花開いた
あとのシカゴの町。
「いなかもの」と、同級生から虐められるが、仕事で
疲弊している父には言えず、母を失った寂しさを
うちに秘めたままで暮らしている主人公を癒して
くれるようになったのが、町の図書館‥。
それだけでも、良い話なのに、自分の名前が
亡くなった母が好きだった詩人の名からとったもので、
母がかつて父に宛て書いた手紙にも、その詩の一節が
引用されていたことを知っているのは、自分と母
だけなのだということに気づいた主人公が、一層
心を強いものにしていった、という素晴らしい
ストーリー。
(もしプリンスの映画を観ていなかったら、南部から
北部の町へと、大移動があった背景を知らなかった
ので、すんなりと話しに入っていかれなかったかも、
と、思うと、いろんなところで、自分の中の「偶然」
は繋がっていて面白い)
辻村作品が読みたくなって、図書館の棚から
探してきました。
詐欺を題材にした短編が3つ。
「2020年のロマンス詐欺」
「五年目の受験詐欺」
「あの人のサロン詐欺」
詐欺なので、だます人とだまされる人が
それぞれ描かれているわけで‥読み進めるうちに
どの作品も、胸が痛む。
だます側に加担させられてしまった人、そんな
つもりはなかったのに結局はだましたことに
なった人、だまされていたようで、実はその人も
誰かを欺いていた人、などなど‥。
誰でも(きっとすぐに)どちらの側にもなって
しまう可能性がある(と思う)。私はきっとそう。
最後のさいごに、そんな自分を瀬戸際から救って
くれるのはなんだろう、と思う。
自信はまったくないけれど、救うのは、たぶん
それまでの自分しかいないのではと、最後の話の
ラストシーンを読んで、そう思った。
でも、その後の世界でも、人生は続くんだ。終わった
方が楽だけど、悔しいけど、続くんだー。
迷いはなかった。どうして体がうごくのかわからない。
谷嵜の胸の真ん中に手を置いて、紡は両手の掌をクロス
しては重ね、渾身の力を込めて体重をかける。
久しぶりの「まかてさん」作品。以前に図書館で
借りたが、読むまでに至らず、二度目の挑戦。
昔話のような語り口で「草どん」と子ぎつねの
やりとりから始まるので、最初はこの「中」に
入って行かれるのかー?と思っていたけれど、
草どんが請われるままに語る昔話が、自分の知って
いるものと同じようでいて、すこし違い、
まかてさんの文章のうまさとあいまって、気づけば
面白く読み進めていた。
特に「浦島太郎」の話を、亀目線で語っていく話は
とても面白く、竜宮城が江戸時代の御城のようで
愉快。
中盤の「小太郎」が登場してくるあたりから、
全体のトーンが変わり(解説によると‥作者は
はじめのうちは民話を小説にするとは破壊行為
ではないか、という気持ちもあったが、私は
小説家なので、小説しか書けないとアクセルを
踏み込んだ‥)、とても惹きこまれた。
雲上(神さまのいらっしゃる世界)と雲下
(わたしたち下々の民の世界)とはそうって
繋がれていったのか、と夢中で読んでいる自分に
気が付いたときには、物語は終わっていました。
先週の金曜日は、6年生のクラスでの
読み聞かせ当番でした。読んだのはこの絵本。
2019年と2020年に、6年生の教室で読んでました。
お話も面白し、絵もダイナミックで見ごたえがある
絵本です。でも、小さい子に読んで聞かせるには
ちょっと長いし、皮をはいでもってこい、とか
怖い想像をさせるようなやりとりもあるので、家では
なかなか読まないかなーと。。(実際私も自分の家
では読んだことがなかった)
なので、高学年の教室で読み聞かせをするための
選書にはとても適しているのでは、と今回も思いました。
(知っている人?と訊いたところ誰も知らなかったし)
読み始めたときに、ご自分の机でなにやら仕事を
していたらしい担任の先生も、気づけば、子供たちの
後ろでじっと絵本を見つめていました。
しめしめ(笑)。そうだよね~先生だって、お話の
続き気になるよね~と思いながら、読み進めました。
余談ですが、この絵本の作者、北川民次さんの展覧会が
世田谷美術館で行われているようです。
11月17日までなので、行かれたらいいなあと思っています。
8月は映画館で2本、WOWOWで3本 観ました。
オンデマンドとテレビ録画で観たものも
昨年公開された「新しい」映画でした。
KINGDOM 大将軍の帰還@MOVIX川口
新作の公開までに、前作をすべて観終えて‥
やっと劇場で、この作品を観ることができました。
いやいやいやいや、壮大な戦いと、心理戦と、
むかしのはなしと現在と‥様々に入り乱れていましたが
とってもよくできたエンターテインメントだなーと
感心しました。
あんなに傷ついたのに、あんなに持ち堪えてる!という
驚きと、襟にあんなに羽付いた服!!やはりただものでは
なかった~という驚きにも満ちていて‥。
そんななか、思わず涙がこぼれてしまった場面は、
信の幼馴染のひとりが、もう自分が助からないと悟ったとき
「最初に会ったときのこと覚えているか?」と喋りだすところ。
アタマは懸命に映画の中のストーリーを追っているのに、
なぜか気持ちの中では、娘が産まれたときのことが
【最初に会った】で思い出されてしかたありませんでした。
4で終わりではなく、まだまだ信が「大将軍」になっていく
ところを切望しています。
昨年、絵画館で予告を観て、なんとなく気になってた
映画(法廷ものがわりと好きなんです)。
こんな若手さんたちが、どんな法廷劇を演じるのだろう
という興味で観てみましたが、想像よりもずっと重くて
びっくり。
それにしても、杉咲花ちゃん、ほんとに演技がうまいな。
劇場公開の時に、気になっていたものの、
絶対に泣いてしまうだろうなーと思い、躊躇して
いるうちに、終わっていました。。
テレビ録画をして観たのですが、予想に反して?
涙は出ませんでしたね。
菅田将暉演じる賢治の、自分探しを観ているのが
つらく、地方の名家に生まれることの悲哀を感じ
ました。(名家を守っていかねばという父の悲哀も)
妹のトシを演じた森七菜がとってもよかったの、
トシが亡くなったときは、賢治と同じ喪失感を
味わいました。
映画全体としては、なんだろう?ちょっと焦点が
ぼんやりしているような‥「銀河鉄道」をタイトルに
持ってきているのに、『銀河鉄道の夜』に触れてるのは
最後のファンタジックなシーンで‥そこを
「ファンタジック」と思ってしまったので、感情移入が
できなかったのかなーと考察しています。
(原作があるようなので、いつか読んで、映画との
違いを感じてみたいと思います)
キリエのうた
劇場公開時に娘が観に行って‥気になっていた
ものの上映時間が長いので機会を探っているうちに
終わってしまったので、今回録画で観られてよかった‥
時間軸や場所がいくつも変わっていくし、
アイナジエンドは一人二役なので、ややこしいのです。
なので、通して観たあとに、気になった箇所のおさらいも
録画だったので、できました。
いやいやいや‥そういうある意味壮大な映画だったとは
まったく知らず。実は映画のあとに、岩井監督が書いた
小説があると知って、そちらも読んで、それでやっと
理解できたこともありました。
映画ではどうしても、きりえの、アイナジエンドの
歌声に魅せられ、聴きいってしまうので、うまくストーリーを
追えないところもあって。(音楽映画なのでそれでよいのかも
しれませんが)
イッコさんが、「まおり」という名前を捨てた経緯とか
小説を読むとなおさら、映画のシーンの意味がわかったり。
キリエの妹の名前はルカ。幼少期のルカを演じる子役も
とてもよかったな。夏彦役の松村北斗。どんどんいい感じの
上手い役者さんになってきてると思いました。
ラストマイル@MOVIX川口
公開されてわりとすぐに一人で観てきました。
とっても楽しみにしていたのです。
テレビドラマの「アンナチュラル」「MIU404」
もちろんどちらも大好きで、かなり入り込んで
観ていて‥シェアードユニバースムービーとか
新分野を切り開いたとか、言われていますが、
それがなかったとしても(ドラマの方々がまったく
登場しなかったとしても)、この「ラストマイル」
だけでも、十分楽しめました。
欲しいものはすべて手に入れたいと思っていた
満島ひかり演じる舟渡エレナが、最初に登場してきた
時の指輪がとても印象的でした。
たぶん、最後に職場を去るときには、もうそれらは
はずされていたのではなかったかな。(確認できず)
まったくの余談ですが、映画を観る数日前に、たぶん
映画で使われたと思われるモノレールに、私も初めて
乗っていたのです!なんかひとりでニマニマ。
::: ::: :::
8月。楽しいことたくさんありましたー。
谷中にある穀雨さんに、頼んでいた指輪を受け取りに。
初めて朝倉彫塑館へも。お庭がとても素敵で、毎日自分の
部屋から池を眺めるのはどんな気分だったのかなと‥。
その日は、友と三人で谷中ビアホールへも。
TORIO展@国立近代美術館
おもしろい切り口の展示だなーと思いました。
今は大阪でやってるみたいですね。
出雲~松江~足立美術館 へ旅行してきました。
(2泊3日の予定でしたが、台風で飛行機が欠航になり、
急遽、米子にもう1泊して、岡山まで行きそこから
新幹線で帰るというハプニング付。)
ブルーマン2024
30年くらい前にニューヨークで観たことがあって。
そのブルーマンを、東京で、家族3人で、観ることが
できたことにじんわり感動してました。
そしてなんと来年8月にまた新宿で観られるみたい
ですねー(絶対行こう)
本日は(わたしにとって)2学期最初の
読み聞かせ当番でした。
4年生のクラスで2冊読みました。
最初は『がらすめだまときんのつののヤギ』
2022年の12月に、やはり4年生のクラスで読んでました。
(そのときはまだ「コロナ禍」だったので、教室で
読むのは1冊だけと、決められていたようです。滞在
時間を短くするためでした‥)
毎回、読み聞かせ終了後に、図書室に戻って、
その日のクラスの様子や、子供のたちの反応などの
感想を互いに言い合うのですが‥自分が手元で練習
するときよりも、どなたかがすこし離れたテーブルで
ページを開いてくれると、本当にこの絵本の、絵の
良さが際立つなあと思いました。
お話の面白さもさることながら、スズキコージさんの
絵がいいですねー。
絵の素晴らしさという点では、田島征三さん作の、
2冊目のこの絵本も決してヒケをとりません。
私をはじめ、この絵本を初めて手にした読み手が
多かった1冊。そして皆、このダイナミックな絵に
惹かれました。
小さな茂みの中で、多くの敵‥カエルやカマキリや
クモや鳥‥から狙われて、びくびくしながら暮らして
いたバッタは、おびえながら いきていくのが、
つくづく いやになった。
そして、ある日、決意し‥
バッタは、おおきな いしの てっぺんで、ゆうゆうと
ひなたぼっこを はじめた。
そんなことをすればすぐに見つかって、食べられて
しまうことを知っていたけど、そうせずにはいられ
なかった、このバッタの胸のうちに沸いてきたものは
なんだったのでしょうね‥。
勇気? 好奇心? 自分への挑戦??
思いっきり高く高く「跳んで」、ヘビやカマキリやクモ
や鳥のあいだを突き抜け、ついに落下に転じてしまって
から、ようやく自分に羽があり、自分の力と意思で、
「飛ぶ」喜びに目覚めたバッタ‥。荒地を越えて行った
遥か先には、幸せが待っていました。
時に私たちにも、そういう「決意」の時って必要な
気がします。
7月に読み終えた本は3冊でした。
図書館でなんとなく借りてきた山内作品。
(いっつも伊坂さんばかり読んでるのもねーという
気持ちから‥)
タイトルに惹かれて手にしたので、内容はまったく
知らず。読み始めて軽く驚いたのは、ほとんど主人公が
男子(あるいは男子目線の)短編だったこと。
高校生男子ってこんなこと考えていたんだーとか、
高校生女子って、いまどきはこんななの???とか。
役者を辞めて就職したものの、やはり会社社会に
馴染めそうもない男を、その会社の先輩が
「おれが逃がしてやる」という作品が一番良かった。
女子が主人公でなくても、地方出身者でなくても、
各個人がそれぞれ持ってる悲哀みたいなものは
変わらないよねーと思ったり。。
作者は(やはり)洞察力に優れ、文章がうまいのだろう。
どの物語も気持ちよく読み切れた。
会社の同僚から『ルビンの壺~』と一緒に借りた本。
東野作品は、映画化されたものは観たことがあるけど、
小説を読むのはもしかしたら初めてだったかも。
「ブラック・ショーマン」が実際にステージで
活躍していた頃のことがもっと語られるのかなーと
期待していたが、ストーリーは「名もなき町」での
「殺人」を、彼の洞察力や推理力や、手品師としての技?を
駆使して解決していく‥といった感じ。
いろんなところでタイトルを目にして‥図書館で予約。
そうなんだ、婚活のはなしだったのか、と思いながら
読み始め‥タイトルの意味はどこから?と考えていたら
110ページで、結婚相談所の小野里夫人から語られる。
現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけれど、
一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、
皆さん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、
親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて
”自分がない”ということになってしまう。傲慢さと
善良さが矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な
時代なのだと思います。
小野里夫人はさらに‥
自分はいくら、何点とつけた点数に見合う相手が来なければ
人は”ピンとこない”と言います。中略 私の価値はこんなに
低くない、もっと高い相手でなければ私の値段とは釣り合わない。
ピンとくる、こないの感覚は、相手を鏡のようにして見る
皆さんご自身の自己評価なんです。
婚活というものをしたことがないので、正直、そこに「居る」
人の気持ちはわからない。でも、〇〇活と名前がついてしまう
(付けてしまう)とやらねば、どーにかしなければ、と焦りが
出てくるのは、一応シュー活は経験したので、よくわかる。
主人公の真美。たしかに「善良」なよい娘さんだった。
真美の両親の気持ちも、もうそっちの立場なので、理解できる。
理解はできるけれど、なにそれと思う。2020年代に入っても
みんなそんな「親」を持ち、自分の気持ちと親の気持ちの
板挟みになったりしていることに驚いた。私の時から、40年
くらいたっているのに。。。
三分の2くらいまで読んでも、気持ちはなんか苦しくて‥
そして、この先この二人はどうなってしまうのか知りたくて。
これが読書の醍醐味なのか??と思いながら、終盤まできて、
そしてわりとあっさり物語は収束していった。
謙虚で自己評価は低いのに、自己愛だけはやたら高い、
だから傷つくことや変化を怖がる
真美が自分のことをこう分析していた。
多かれ少なかれ、誰にでもあてはまる。ここに辿り着かせる
作者、すごいなーと思いました。
7月は一度も映画館へ行くことなく、テレビ録画で
4本観ました。(民放で2本、@WOWOWで2本)
まずは、キングダムの2作目「遥かなる大地へ」。
ここから清野菜名演じるキョウカイが出てくるのですね。
(登場人物の名前はどれも難しくて、覚えれません)
「五人組」のメンバー(特におにいちゃん)、
誰も死なずに済んで、ほんとによかった。
そして翌週に放送されたキングダム3
「運命の炎」
秦の若き国王、エイセイ(吉沢亮)の、少年期が
語られ、杏さん演じるシカの役どころにぐっと
きました。
これでやっと公開中のキングダム4「大将軍の帰還」を
観に行くことができます。
まだまだ記憶に新しい、ゴジラ-1.0
公開時、薦められたものの、なんとなく尻込みして
観に行かなかったので、WOWOWで観られると知り、
すぐに録画しました。
結果、観ておいてとてもよかった!です。
ゴジラって、光るだけじゃなくて、あんなふうに
自己再生するんだーという驚きもさることながら、
いちばんは、シナリオがよかったというか、その
「設定」が秀逸だったなあと思いました。
もしも現代だったら、あんなふうにゴジラに対決を
挑むなんて無謀過ぎるし、無理があるよーーって
ところも、戦後すぐの日本だったら、ああいう方法が
精一杯だったよね、と感情移入しやすいし‥。
終わり方もかっこよかったな。
ゴジラ、またやってくるかも‥と思っちゃいました。
こちらも昨年公開の映画。
テレビドラマで放送されているときはまるで
知らなくて‥たぶん、何かの時の予告上映を目にして
へーと思ったくらいだったのですが、主役3人のうち
二人は、とても好きな2人なので、観てみることに。。
どの役者さんもとてもよかったです。
それぞれのいろんな役柄を他の作品で観ましたが、
いちばん自然に、のびのびと、好きに演じてる?と
思うくらい(笑)。
あ。感覚ピエロの主題歌がいいですよねー。
::: ::: :::
7月。
終わったばっかりだけど、楽しいこと満載の月でした。
リトグリ@東京ガーデンシアター
姪っ子ちーちゃんの結婚お祝いお食事会
スキマスイッチ主催のスキマフェスに、娘と参加。
スピッツは2日目の夕方18時5分~
翌日は帰る前に、熱田神宮へ。
そして先週の金曜日は乃木神社にて、娘の、
結婚式の「前撮り」でした。
6月に読み終わった本は4冊でした。
1年の半分が終わったので、この半年間はどんな感じ
だったかさらっとみてみたら‥だいたい1か月に
3冊から4冊読み終わっていて、そのうち1冊は
伊坂作品が入ってました(笑)。
今月も、結果的に2冊読んでいて、もうそろそろ
読んでない作品がなくなってきそうで焦ってます。
だいぶ前から読みたいと思っていて‥
ようやく「辿り着いた」感。
デビューから3冊目の本だったことを、読み終えて
から知る。(道理でわかりやすいヒントがあった
なーと思った)
のちに、成瀬がクロサワに繋がっていくのかなあと
思ったり。特殊能力を持った人や、あり得ない
ことができる人はこんな初期から登場していたんだ、
と思ったり。
楽しみながら読んで、また最初にもどってパラパラ
みているうちに、2回目も読んでしまった。
未読の江國作品を図書館の棚で見かけたので
借りてみた。家族の群像劇のような、いくつかの
家庭のパッチワークのような物語。そしてその中心に
居るのは三人の、80代半ば過ぎの、かつての仕事
仲間の男女。
大晦日のバーラウンジ。女性ひとりに男性ふたり。
昔話をしながら新年を迎えるのかと思いきや、
猟銃自殺を図るための(その前の)集いだった‥
という衝撃的な冒頭。
大事件が起きた(起こした)ことによって、三人の
家族や知り合いが期せず集まることになり、少しづつ
そして微妙に、関係やその後の人生が重なりあっていく
はなし。
タイトルの「ひとりでカラカサさしていく」は
♪雨降りおつきさん~ ♬ の中の一節。
お嫁にゆくときも ひとり
死んでゆくときも ひとり ということなのかな。
三人の、家族や教え子や元後輩の、その後の人生は
続いていくわけで、少しだけ彼らを知ってしまった
読者の私たちは、もっともっと「先」を知りたいと
思ってしまう。
葉月はデンマークにとどまるのだろうかー
みどりの弟はこどもが生まれたあと円満別居ができるのかー
ランズの息子、大輝のいじめ問題は解決するのかしないのー
などなど‥。
伏線回収が出来ていないまま物語が終わっている、という
レビューをみたが、これは推理小説ではないので、
そんなものはないのに、と強く思った。
何も回収なんかされないまま、それぞれに進んでいくのが
人生なのだから。
とても面白いと話題になっていたので買って
しまった、と、会社の同僚が貸してくれた本。
フェイスブックで知り合いを見つけ(見つけられ)
ある日、メッセージが届く。それに返信するという
形で(手紙のやりとりのみで)物語が進んでいく。
30年前、結婚式当日に、すっぽかされた男と
すっぽかした女。この二人に一体どんなことが
あったのかーその興味でどんどんページを繰って
いって‥でも自分にとって都合の悪いことは
すべて他人のせいにする男の考え方に、嫌気が
さしてきた頃、男の本性が暴かれ、ふいに、
やりとりが終わり、物語も終了。
驚きはあったけれど、感動も感心もなく、
不快感に包まれました。
やっぱり続編が読みたくなって‥。
安定の、面白さでした。
成瀬、響野、雪子、久遠(くおん)の四人
中でも私のお気に入りは天才的なスリの
久遠くん。勝手にお気に入りバンドのベース奏者と
ダブらせて読んでます(笑)。
シリーズ3作目も読みたいところでしたが、
ぐっと堪えています。
6月も映画館へ行ったのは一度だけ。
あとはオンデマンドとテレビ録画でした。
@WOWOW
たしか視聴期間がもうすぐ終了してしまうから、と
観たような‥
丘の上にある小さな本屋さんの店主と、そこへ
集うお客さんの、小さな物語。
とても美しいところだなーと思いながら観ていて、
あとから「イタリアの最も美しい村」のひとつ
チビテッラ・デル・トロントというところが舞台だと
知りました。
オリジナルのタイトルは(イタリア語で)
私は幸せになる権利がある
店主のリベロがブルキナファソ出身の少年に、最後に
贈る本のタイトルがまさにそれ。
わるい人がまったく登場しない映画にはじめは戸惑う
(皆が、舞台上で「良い人」を演じているように
見えてしまう)が、しだいに、リベロの店を中心とした
交流を心地よいと感じている自分が居ました。
店の奥の壁に掲げられていた言葉もとても良くって。
持ち主が代わり 新たな視線に触れるたび 本は
力を得る
カルロス・ルイス・サフォン『風の影』より
@新宿シネマカリテ
とくにプリンスのファンというわけではないけれど、
ドキュメンタリー映画のことを知ってからは、とても
楽しみ待ってました。
ミネアポリスという街の位置、その街に生まれ育った
こと、(もちろん)黒人であるということ‥。
そのむかし、強制労働させられていた畑で、口ずさんで
いた歌が、黒人のブルースになり、ジャズになり、
プリンスの作る曲に繋がっていった‥という映画冒頭の
件は、「プリンス初心者」の私には、とてもわかりやすく
ココロにすとんと落ちていきました。
生前の友だちや関係者やコミュニティの人々が
彼を思い出して語るという構成は、それはそれで
面白かったけれど、1曲だけでもよいから、ステージ上の
プリンスを観たかったなあ。
(いろんな権利の関係上、ライブ映像は使えなかった
みたいですね)
@WOWOW
昨年劇場公開されたとき、特に興味もなく
観ることはないだろうなと思っていたのに、
『バビロン』を観て、あのマーゴット・ロビーが
バービーを演じていると知り、興味が‥。そして
今年のアカデミー賞で、ビリー・アイリッシュが
歌曲賞を受賞したし。(授賞式にバービーがバックに
プリント?されたスタジャン着てましたね)
内容的には‥特に感動はなかったけれど、
アメリカでも、日本同様、女として生まれたものへの
「宿命」や「期待」や「役割」は同じで、皆それに
押しつぶされないように必死なのだと、マテル社で
働く女性社員のセリフを聞いていて、思った。
母親になってもいいし、ならなくてもいい。
働いていてもいいし、いなくてもいい。
何でもない自分を受け入れる‥。
@WOWOWテレビ録画
原作を貸してくれた同僚(男性)が、映画を観て
泣いてしまった!と言っていたので、これはぜひ
観なければと思っていました。
本のときは、そんなに感動しなかったのですが、
たしかに映画ヴァージョンの方が数段よくって、
これは泣いてしまったのもわかるかも、と思いました。
にのと波留を主役にキャスティングしたのが、大正解で
親友役の桐谷と浜野もとてもよかったです。
美しい映像を観ていると、こういう恋愛も、こういう
結末もありかも、と思えてくるから不思議です。
::: :::
6月は初めて、ブランクーシ展を観に
アーティゾン美術館へ。
日比谷音楽祭の翌週、野音でのSHE'S のライブ。
昨年に続き今年もさいたま新都心のヘブンズロックで
店長のドラム発表会もあり。
今日は、今学期最後の読み聞かせ当番でした。
休まず参加したので、9回(週)連続。
こんなに続けて読み聞かせに行ったの、初めて
だったかもしれません。だいぶがんばりましたー。
さて、本日は2年生のクラスで2冊。
最初はこちら。
何年も前から、当番での読み聞かせのリストに
入っていましたが、なぜかご縁がなく。家にも
なかった絵本なので、今回私にとって「初」。
もちろんどんな内容かは知っていましたが、
実際に声に出してみると、また新鮮さが増した感じが
しました。
昨年の夏にも会ったペリカンとの再会を楽しみに
しているターちゃん。
今年は初めての釣りにも挑戦。長靴だって新品です。
でも、みずどりを追うには邪魔だと気づき、脱いで
しまいます。
ペリカンに誘われるままに古い杭に座っているうちに
いつしか潮が満ちてきて、長靴も見当たらなくなって
しまいました‥。
長靴をうまく「釣って」片方は取り戻したターちゃん。
もう片方は見つからないまま、夕ご飯だと呼ばれて
砂山を登っていきます。すると砂山の上に誰かいるみたい。
「ペリカンだ!」ペリカンは、なにか ひみつが
あるみたいに、じっと たっています。
その次の見開きいっぱいに描かれたペリカンの口の中には
なんとターちゃんの長靴が!!
なんかとってもいい話です。
波の音とか、潮風とか、夕暮れの空とか‥
自分も海の近くに居る気持ちになってくるようで。
教室の2年生は、長靴が見つかった時にもうすこし驚くかな
と期待していましたが、そうでもなかったです(笑)。
2冊目の『じゃぐちをあけると』
6月21日に1年生のクラスでも読んだので、
その違いを感じることができるのかどうか楽しみでした。
やはり2年生の方が落ち着いていて‥
読んでる最中は、小さな声で「それ知ってる」とか、
「やったことある」とか、こそっこそっと聞こえて
くる程度でした。
終りの挨拶のときにとても大きな声で、
「1学期のあいだ、どうもありがとうございました」と
言っていただきました。
いえいえこちらこそ、ありがとうございます。
5月って、ずっとずっと前みたいな気がします。。。
読み終えた3冊は(偶然)、ドラマ化や映画化された作品を
最初に観て、それから「じゃあ、原作も」ってなった本
でした。
6人の女性作家によるユーミンの曲から題を得た短編集。
発売されたのは4年7月で、そのままになっていて‥
そしてこの中の3編がドラマ化されたのを2月だったか
3月だったかに観て、なかなかおもしろかったので
原作も読んでみました。
1 あの日にかえりたい 小池真理子
2 DESTINY 桐野夏生
3 夕涼み 江國香織
4 青春のリグレット 綿矢りさ
5 冬の終り 柚木麻子
6 春よ、来い 川上弘美
ドラマ化されたのは、4,5,6
私が好きな曲は、好きな順に、3,2,4
(夕涼みはダントツに好きな曲)
ドラマの時の感想は、4がとても苦く厳しい
ストーリーだと思い、5は、主人公の設定が
スーパーマーケットのパートさんというのが
斬新だった。6は宮崎あおいはじめ、キャスティング
がとてもよかった‥。
小説としておもしろかったのは「夕涼み」と
「春よ、来い」
(もともとふたりとも好きな作家で、読みなれているから
なのかもしれないけれど‥。)
夕涼みの歌詞から連想される男女間のはなしではなく
小説の設定は姉妹で‥姉がかつて住んだことがある
ポルトガルのとある町でのおんなたちの「夕涼み」を
こんなふうに思い出し、結婚が決まった妹を思いやる‥。
花はまたあの夏の夜を思いだす。
暗い山道で夕涼みをする老女たち。壁にもたれて、
一列にならんで。花は、彼女たちの沈黙の重みを、
妹が理解する日が来ないことを願った。(中略)
あのころの花が無敵だったように、妹が無敵であり
続けることを願った。どんなに叶わぬ願いだとしても。
春よ、来い は、他の作品よりも長く、構成的にも
とても読み応えがあり、私的には「別格」だった。
ドラマで観ていたように、それぞれ別の場所で暮らす
3人の、それぞれの物語が進み、ちょっとだけ交わる。
ドラマではそれがペンションだったが、小説では、
それがユーミンの苗場でのコンサート。
実際に言葉を交わしたり、顔見知りになったりする
わけでななく、ただ遠くから、気になった人として、
その人の幸せを願う。それによって、死にたいくらい
重いものを抱えていた人は、私は大丈夫と思える
ようになる‥。
まったく知らない人の幸せを願えるくらいの、キラキラ
したオーラが、ユーミンのコンサートには溢れていたの
だろうなあと想像でき、あの歌から、こんな物語を
作り出した川上弘美の力量に深く感じ入りました。
WOWOWでオリジナルドラマ化されているのに気づき、
喜んで観始めたものの、どうしてかあまり馴染めず、
2話の途中でやめてからちょうど1年くらいたった頃、
図書館で偶然文庫を見つけて、原作だったらどんな感じ
なのだろう、面白いと思えるだろうか?と借りてみました。
読んでみた結果、(やはり)伊坂作品らしさが随所に
あって面白く、ドラマも原作の雰囲気を損なわずに
むしろうまくキャスティングしているのかも??と
再考し、続きから最後まで全部観終えました。
解説までたどり着いてわかったのですが、この作品は
太宰治の『グッドバイ』へのオマージュというか、
遺作となった作品の続きを、という依頼から、続きは
無理だが、元彼女に別れ話をしにいく男の話‥という
モチーフを借りてできた。
しかも「ゆうびん小説」という形体で発表された。
‥ということ。
(選ばれた読者にだけ、郵送で「新作」が届けられる!
って、すごく斬新な企画だったのですね~)
ところで、タイトルの「バイバイ、ブラックバード」は
どこから来たのだろう?と気になってました。
そしたら本文270ページにこんなやりとりが‥。
少し経ち、佐野さんが歌を口ずさみはじめた。〈中略〉
「佐野、それ何の曲なの」有須睦子も驚いたから、
やはり珍しいことなのだろう。
「『バイバイ、ブラックバード』という曲です。
知ってますか?
悩みや悲しみをぜんぶつめこんで行くよ。
僕を待ってくれているところへ
ここの誰も僕を愛してくれないし、わかってくれない
って、訳すとたぶん、そんな感じです」
〈中略〉
「ブラックバードって不吉というか、不運のことを
指してるみたいですよ。バイバイブラックバード
君と別れて、これから幸せになりますよ、と、
そんなところですかね」
ここらへんを読んでからラストに向かうと、なるほど~
って感じで、なんか切ない気持ちになりますね。
映画を観たのは今年の2月で、そのあとにすぐに原作も、
と思っていたのに、数か月経ってしまいました。
映画の方がよかった!と言い切った人も
周りに居ましたが、私は‥うーん、どっちかな。
なんとなく、原作の方がよいかも、と言いたい
気持ちになりました。
映画は、よくこんなに考えたと感心するレベルで
練られていて、小説のエッセンスや重要な設定は
すこしも変えずに、でも、広がりとビジュアル面で
観る側を満足させる仕上がりになっていて、とても
素晴らしかった。(特にプラネタリウムの場面)
原作の(映画より)よかったところは、自転車
とのかかわり方かな。藤沢さんが整備して、山添君に
持っていってあげるのもよかったけど、山添君が
自分の意思で、思い切って自転車という方法を
選んだのはとてもよかった。彼の回復への兆しが
ペダルをこぐ力強さとともに感じられてきて。
そして、映画にはなかった、クィーンの曲を聴く
場面。ここも好きなところ。
小説のあとにもう一度映画が観たくなって、
映画を観たら、またきっと本が読みたくなる‥。
いつかきっと夜は明けるのだ、夜明けのほんのすこし前
に、二人は居るのだと信じることができる清々しい
結末を、小説も、映画もそれぞれ持っていることが
素晴らしい作品でした。
本日は4年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
最初の絵本はこちら。
2018年にペアで入ったときに、相方さんが
読んでくれて、私は子供たちと一緒に聞いていました。
なので、今回、教室で読むのは初めての絵本でした。
先週は「きつねのホイティ」を読んだので、
2週連続で、ウェッタシンハさん!これもお初の経験です。
町で、初めて傘を知ったキリ・ママおじさん。
買ってきて、皆に見せびらかそうと思っていたのに、
隠し場所から消えていて‥でもあきらめきれず、また
町へ買いに出かけ、それも盗まれ、また買いにいく‥
ということをいったい何度繰り返すやら。
でも、森の中で傘を見つけたときに、全部持ち帰らずに
一本だけ、「どろぼう」のために残してあげる優しさ‥。
最後のページで、どろぼうは誰だったのか、わかるのですが、
どろぼうは、キリ・ママおじさんに あえて うれしそうでした。
おじさんも どろぼうに あえて、おおよろこびでした。
いい話だなーと思いながら読みました。
4年生はどんなふうに感じたかな。
2冊目の絵本は、今年度初めてラインナップに入った
こちら。(私も今回初めて知った絵本でした)
土俵に見立てた切り株の上で、虫たちの相撲大会が
始まります。
いちばん はじめは
カナブンと タマムシの しょうぶ
みあって みあって
のこった のこった
カナブン、タマムシを おしだした
カナブンの かち!
という具合の勝負は続き‥たとえば、ダンゴムシと
カマキリ とか、オサムシと カメムシ とか。
そしてみんなお待ちかね、クワガタと カブトムシの
大一番。いやでも盛り上がります笑
(教室の4年生も勝手に勝ちを予想して、大盛り上がり)
でもそれで終わりではなく、
ぞうきばやしの すもうたいかいは
まだまだ つづく
みあって みあって
と最後のページの土俵にはカミキリムシとアブラゼミ
裏表紙では、アブラゼミがおしっこしながら飛び立って
いくところが描かれているので、「この勝負はどっちが
勝ったのかなー?」と予想しあってから、教室を後に
しました。
この絵本、もとは「こどのとも年少版」ですが、
4年生も楽しめましたね。