買ってから、ずっとそのままにしてあるのは知っていたのですが、
もう1年もたっていたなんて‥
昨日、確かめたら、末盛さんのセミナーの最終回で紹介されて、
その日に買って帰った本だったのです。
『スノーグース』
ポール・ギャリコ 作 矢川澄子 訳
いいわけですが‥すぐに読み終わってしまいそうだったので、なんだかもったいないような
気がしていたのです‥ページも通常の文庫本より白くて上質の紙だったし。
でも、読み終わった今は、なんでもっと早く読まなかったのだろうと思っています。
表題作の「スノーグース」の他に、「小さな奇蹟」と「ルドミーラ」の合計3篇が
おさめられていて、3作は、場所も時代背景も違うのだけれど、共通しているのは
人間ともの言わぬ動物との、深い繋がりです。
そして、その底にあるのは、自分が信じていることを、どこまで本気で
信じていかれるか(いられるか)ではないかなあと思っています。
「スノーグース」は、とても美しくて、哀しいはなしでした。
主人公のラヤダーは、「燈台に住みついている、あのけったいな絵かきのやつ」と
周囲の人から呼ばれていたのに、なぜ、同胞を助けるために危険極まりない場所へ、
自ら出かけていったのでしょう。
それは人の役に立つことができる自分自身を、信じていたからではないか、と思いました。
傷ついた白雁(スノーグース)を抱きかかえてやってきた少女、フリサと、白雁とラヤダー。
白雁がもの言えぬことがもどかしいような、だからこそいいような、そんな気持ちです。
「小さな奇蹟」は、信じる気持ちがどれほど大切かを教えてくれます。
ろばのヴィオレッタを助けたい一心のペピーノは、一度や二度、断られたくらいでは
決して諦めません。
ヴィオレッタは、とてもステキなろばなんです。
口の両端あたりにある独特の表情があって、なにかこう愉快なたのしいものを
目にしてこのろばがにっこり微笑んでいるみたいに見えたのです。
「スノーグース」の舞台はイギリス、ペピーノは、聖フランチェスコ寺院がある
アッシジに住んでいました。
「ルドミーラ」の話は、リヒテンシュタイン公国が舞台です。
山下りの行事のクライマックスに向けて、話は進みます。
夏中、アルプスの山の中で過ごした乳牛の、乳やクリームやチーズの出来を争い
それを皆が讃えあうとても大切なお祭りで、ある年おこった「奇蹟」です。
でも、奇蹟はぴかっと光った啓示とともに起こるのではなく、地道に信じ続けた気持が
うまい具合に重なり合って、作用しあって、起こるのかもしれないと思わせてくれます。
もう何十年も前、同じ作者の『ジェニィ』とか、『雪のひとひら』を
読んだような気がしているのですが、まったく思い出せません。
再読のチャンスですね・笑。
最後になりましたが、矢川澄子さんの日本語訳がとてもいいなあと思いました。
もう1年もたっていたなんて‥
昨日、確かめたら、末盛さんのセミナーの最終回で紹介されて、
その日に買って帰った本だったのです。
『スノーグース』
ポール・ギャリコ 作 矢川澄子 訳
いいわけですが‥すぐに読み終わってしまいそうだったので、なんだかもったいないような
気がしていたのです‥ページも通常の文庫本より白くて上質の紙だったし。
でも、読み終わった今は、なんでもっと早く読まなかったのだろうと思っています。
表題作の「スノーグース」の他に、「小さな奇蹟」と「ルドミーラ」の合計3篇が
おさめられていて、3作は、場所も時代背景も違うのだけれど、共通しているのは
人間ともの言わぬ動物との、深い繋がりです。
そして、その底にあるのは、自分が信じていることを、どこまで本気で
信じていかれるか(いられるか)ではないかなあと思っています。
「スノーグース」は、とても美しくて、哀しいはなしでした。
主人公のラヤダーは、「燈台に住みついている、あのけったいな絵かきのやつ」と
周囲の人から呼ばれていたのに、なぜ、同胞を助けるために危険極まりない場所へ、
自ら出かけていったのでしょう。
それは人の役に立つことができる自分自身を、信じていたからではないか、と思いました。
傷ついた白雁(スノーグース)を抱きかかえてやってきた少女、フリサと、白雁とラヤダー。
白雁がもの言えぬことがもどかしいような、だからこそいいような、そんな気持ちです。
「小さな奇蹟」は、信じる気持ちがどれほど大切かを教えてくれます。
ろばのヴィオレッタを助けたい一心のペピーノは、一度や二度、断られたくらいでは
決して諦めません。
ヴィオレッタは、とてもステキなろばなんです。
口の両端あたりにある独特の表情があって、なにかこう愉快なたのしいものを
目にしてこのろばがにっこり微笑んでいるみたいに見えたのです。
「スノーグース」の舞台はイギリス、ペピーノは、聖フランチェスコ寺院がある
アッシジに住んでいました。
「ルドミーラ」の話は、リヒテンシュタイン公国が舞台です。
山下りの行事のクライマックスに向けて、話は進みます。
夏中、アルプスの山の中で過ごした乳牛の、乳やクリームやチーズの出来を争い
それを皆が讃えあうとても大切なお祭りで、ある年おこった「奇蹟」です。
でも、奇蹟はぴかっと光った啓示とともに起こるのではなく、地道に信じ続けた気持が
うまい具合に重なり合って、作用しあって、起こるのかもしれないと思わせてくれます。
もう何十年も前、同じ作者の『ジェニィ』とか、『雪のひとひら』を
読んだような気がしているのですが、まったく思い出せません。
再読のチャンスですね・笑。
最後になりましたが、矢川澄子さんの日本語訳がとてもいいなあと思いました。
ずっと、心の中にしまって大人になりました。
大人になって、それを書いたのが、ポール・ギャリコという作家さんだと知って、
いつか、全ての作品を手にとってみたいなと思いました。
でもまだ「猫語の教科書」しか、読んでないんです(笑)
この本、面白そうです。あー。いつか、必ず!
こももさんにもらった「猫語の教科書」も愛読書です。
でも、映画で有名な「ポセイドンアドベンチャー」もギャリコの作品だと知ってびっくりしました。
私のスノーグースは女の子が白鳥を抱いている絵本です。
読んでいないのも多いので私も読んでみたくなりました。
自分の信じることを・・どこまで信じられるか。その言葉に、深く頷いてしまいました。
そうですよね。うんうん。
::::::
新しい工房、皆さんでお越しくださいませ♪お待ちしています!
わたしの持っているのは、同じグースが羽ばたいているのだけど、
翼が下におりていて、しかも雪舞う中を飛んでいる絵です。
いろいろあるんですね。
わたしも、矢川さんの訳がとても好きです。
矢川さんというだけで、手がのびてしまいます♪
>「猫語の教科書」
は、きいたことがありますが、
>「トンデモネズミ大活躍」は、初めて目にした
題名のような気がします。
いろんなお話があるのですねー
ポール・ギャリコさんは、ほんとうに動物好きだと
あとがきにも書いてありました。
ジェニィが、遥か昔、家の本棚にあった気がするのですが、
結婚とともに、どこへ行ったのかわからなくなってしまった
本の中に入っています、たぶん。
>女の子が白鳥を抱いている絵本
その表紙も「まさに」という感じで、かわいらしいですね。
でも、スノーグースの中のフリサは、可憐というより
ちょっとワイルドな感じの少女ですよね?
>読んでいないのも多いので私も読んでみたくなりました。
あとの2つの話、マーガレットさん、とても気にいる
ような気がします。神さまを信じる気持ちに満ちています。
>自分の信じることを・・どこまで信じられるか
簡単そうにみえて、これがなかなか難しいことですよね。
でも、自分が自分を信じなければ、何ごとも
始まらないですものね。
※いちごのさくほろ、いちごの厚焼き、
続けて、楽しむことができましたー
おいしかったです♪
そうなんですよ、もう1年も前になってしまうのです。
琴子さんのは、このとき買ったものではなくて
以前から持っていた本なのでしょうか?
文庫でも、別の表紙があるのですねー
矢川さんの訳を、琴子さんがいいと言ってたなーと
いつも思い出してます。
もし、若い頃に、この本に出会っていたとしても
わたし、そのよさが、訳文の日本語も含めて
あまりピンとこなかったかもしれないなあと
思っています。
年とってきて、いいことも少しはあるかも、です・笑