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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ミルフィーユ

2008-05-17 16:22:59 | 好きな絵本

ヒルサイドテラスでの2回目の講演のテーマは
ゴフスタインでした。
彼女の本は、どれも「特別」なので、1冊1冊、
これはあの時に買ったものと、覚えておきたいなあと
思っています。

出かける前から、その日、買って帰る絵本は決まっていて‥
それは、
『おばあちゃんのはこぶね』でした。



大興奮の5月15日の晩は、表紙を眺めただけで、
開くところまでいきませんでしたので、
昨日の夜、そっとひとりで、表紙を開きました。
図書館から借りたこともあるので、どんな話なのかは
知っています。
知っているからこそ、ひとりで開きたかったのだと思います。


5月15日のおはなしの中で、末盛さんは、
「ゴフスタインのはなしには、どれも悲しみが感じられる。
悲しみのひとはけがあるからこそ、人は彼女の本に
惹きつけられる」とおっしゃいました。

本のラストで、主人公のおばあちゃんは、こう言うのです。

よろこびとかなしみは
にじのよう、

それがわたしをあたためてくれる
おひさまのように。


人生は、喜びだけではないのです。
喜びと悲しみが、重なっているからこそ、
虹のように美しいのでしょう。

まさに、ひとはけの悲しみです。




喜びや悲しみが幾層にも重なって、
それでも、ひとくち齧ればさくっとおいしいミルフィーユのような
そんな人生を送った、90歳のおばあちゃんに
いつか私もなれるでしょうか。







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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
jasuminさんへ (ruca)
2008-05-21 15:50:24
こんにちはー。

今日はとってもいい天気ですね。
rは、お花ちゃんより一足お先に、明日、あさってと
修学旅行(日光)です。

jasuminさんが、あの日末盛さんにご質問して
くださり、それを私たちにも教えてくれたので、
私も疑問がとけてすっきりしました。
琴子さんとも話していたんですよーあの赤いセーターの
方はどなたかなあって。

「パパ‥」は未読なので、今度読んでみようと
思っています。
返信する
悲しみのひとはけ・・ (jasumin)
2008-05-21 11:51:07
>悲しみだけの人生なんて、ありえないけど
 喜びだけの人生も、同じくらいありえないのでしょうね‥

って、本当にそうですよね。
悲しみに溢れているときには気付かない(気付けない?)ので、そういうことに。
ひとはけ・・・重ね塗りに気をつけたいところ。。。

rucaさんは、この本を連れ帰られたのですね。
あ~・・・いいなぁ。
私は、まだ自分の誤解だと気付くまでは迷いましたが
誤解だったことが判明して、即、「パパ・・・」にしました。
もちろんあの場所にして、ゴフスタインも魅力たっぷり
だったのですが、末盛さんのいらっしゃる場所で買いたくなりました。
返信する
こももさんへ (ruca )
2008-05-20 20:15:03
こんばんは。お返事遅くなりました。

私も、このラストのページはとてもとても
新鮮でした。

前にも読んでいるはずなのに、
そのときには、ちっとも「ひっかかって」こなくって。

やはり、末盛さんのお話を聴いたことが、
大きく作用しているのだと思います。

悲しみだけの人生なんて、ありえないけど
喜びだけの人生も、同じくらいありえないのでしょうね‥

きっと。
返信する
悲しみ (こもも)
2008-05-19 11:04:44
>よろこびとかなしみは
>にじのよう、
>
>それがわたしをあたためてくれる
>おひさまのように。

この本を読んだことがない私は、
rucaさんの書いて下さった言葉を読んで
何度も何度も考え込んでいました。
最初にこの記事を読んでから、今日で3度目。はは。

私は、まだ、そんな風に、悲しみを受け入れられないなあ。
悲しみは、私の心の奥の方に、いつも、ドンと陣とっていて
私は、それに触らないように細心の注意を払っています。
だから、この言葉は、とてもとても新鮮でした。
悲しみを虹のようだと言える日が、いつかくるのでしょうか。
おひさまように、あたためてくれる日がくるのかな。
そしたら、どんなにか素晴らしいでしょうね。
そんなおばあちゃんになれたら、どんなに素晴らしいだろう。

「おばあちゃんのはこぶね」
読んでみたいです。
返信する
マーガレットさんへ (ruca)
2008-05-18 17:41:21
ふたたび、こんにちは。

おばあちゃんのはこぶね。
前から欲しいなあと思っていたのですが、
5月15日のお話を聴いたあとで、手元にやってきたのは、
とても嬉しいです。
本をひらくたびに、あの日の末盛さんのおはなしを思い出すことができるから。

誰もが、自分だけの「はこぶね」を持って、一度しかない人生を送っているのでしょうね。
悲しいこと、辛いこと、苦しいことがあっても、
さくっとおいしい一口のための、一層にすぎないのだと思えば、やっていけるかなあと思います‥
返信する
私も・・・ (マーガレット)
2008-05-17 17:57:16
この「ひとはけの悲しみ」という言葉がとても心に残っています。
人間ってうれしい楽しいことだけでは薄っぺらな人生にしかならないけど、その中にもひとはけの悲しみがあってこそ、人の痛みがわかったり 人を愛することができる厚みのある人になれる。
そう rucaさんの「ミルフィーユのような人生」という言葉がとてもしっくり来ました。一足先にミルフィーユ人生をめざします。
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