桜がもうすぐ、とか、桜咲いて風吹いて風に舞って、
気が付けばモクレンは終わっていて、ハナミズキが
満開になっていて、4月もあっと言う間に中旬です。
川上弘美作『パスタマシーンの幽霊』が面白かったと
よく訪れている方のブログで読んだので、それを借りて
読み終えたら、それよりも前に『ざらざら』があったと知り、
そっちを読んで、またパスタマシーンを読みました。
どちらも雑誌に連載していたとても短い掌小説。
『ざらざら』には23篇、『パスタマシーン~』には22篇、
ざっくりいうと恋がらみの話が入っています。
でもそこは川上弘美さんの小説なので、人間ではない
いきものとか、幽霊になって現れたおばあちゃんとか、
コロボックルとか‥?
久しぶりに、川上弘美さんの小説を読むと、それが
何度目であっても、日本語の使い方の上手さというか
しなやかさに驚かされるのですが、今回も、それが
10ページくらいの短編であるにもかかわらず(だからこそ?)
どれにもいちいち頷いて、どれにもいちいちココロ動かされ
ました。
爽やかな恋の話はほとんどなくって(そもそも爽やかな恋って
いったい何・笑)、上司との不倫話や、恋人との別れ話、
学生時代の思い出の恋愛や、家族、姪っ子の話などなど、
そのどれも「場面の切り取り方がうまい」なんて、思う
間もなく、「そこ」に自分がもう「居る」のです。
同じ組み合わせで登場している人たちもいて‥修三ちゃんと
アン子とか、コロボックルの山口さんと誠子ちゃんとか、
続きを読むことができて、楽しかった。
私のお気に入り、下記の通りです。
「トリスを飲んで」
「山羊のいる風景」
「パステル」
「笹の葉さらさら」 ここまでは『ざらざら』
以下『パスタマシーンの幽霊』
「すき・きらい・らーめん」
「ほねとたね」
「ピラルクの靴べら」
「てっせん・クレマチス」
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