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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

パセリともみの木

2008-01-21 19:32:00 | ひらきよみ(読み聞かせ)

今朝は雪になると期待させられましたが、みぞれさえ降りませんでした。


さて、今学期の「ひらきよみ」は先々週から始まっていて、
行事の関係で、ほかの学年より1回少なかった4年生のクラスからでした。
私が読んだのは↓この本です。

  パセリともみの木
       『パセリともみの木』
   ルドウィッヒ・ベーメルマンス作 ふしみみさを訳



お正月に買い求めたばかりのほかほかの本です。

自分で買って、読んだのは初めてですが、昨年この本が出た時に
何人かの方が書かれたレビューを読んでいたので、
この本のおよそのことは知っているつもりでした。
ベーメルマンスのずっとずっと昔の作品であることや、
訳者がふしみみさをさんであることや、
各見開きページの文章のほうに、花の絵が添えられていることなど‥。

でも、パセリというのが、表紙の真ん中にいるシカの名前だということや、
なぜ、みんなからそう呼ばれるようになったかは、今回はじめて知りました。

そして、表紙に使われているこの絵が、もみの木とシカが出会ったばかりの
互いに若かりし頃だったということも。


 もみの木は ますます おおきくなり、
 あおく しげる えだは、みどりのテントのように、
 じめんを すっぽりと つつみました。
 やがて そこに シカが すみつきました。 
 もみの木に まもられながら、
 シカは はっぱや こけの やわらかなベッドの うえで、
 こどもを そだてました。
 シカと もみの木は たがいに たすけあい、
 なかよく としを とって いきました。





おはなしは、全体の残り3分の1ほどのところから、それまでの、
長い長い年月をかけた物語から、ある一瞬の事件の現場へと急に変わります。
もみの木の機転のきいた行いが、パセリとパセリの一族をたすけ、
最後はめでたしめでたしの感じでおわります。

大勢の前で読むのには、あまり向かない本なのかなあとも、選んだ時から
思っていましたが、「絵本は、こどもの前で、声に出して読んでこそ」を
実践するために、ちょっと冒険の気持ちもありました。

聞いていた4年生はどう思ったでしょうね。

花の絵をひとつひとつ見て、楽しむことは教室ではできないし、
ベーメルマンスの作品がやっと邦訳されたことなど、きっとなんの
関係もないでしょうし…。


その日、私のペアの方が選んだ本が瀬田貞二さんの『きょうはなんのひ?』という
絵本で、その中で女の子が一番好きな本が、同じベーメルマンスが描いた
『マドレーヌといぬ』だという記述があっても、それを「なんて偶然!」と喜んだのは
私だけです、きっと。



きょうはなんのひ?     マドレーヌといぬ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)







コメント (8)
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