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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ミトン

2006-02-17 15:26:12 | ひらきよみ(読み聞かせ)

 今日も「読み聞かせ」のお当番にあたっている金曜日でした。
 
学年ごとのクラス数の関係で、2週続く時がたまにあり、そんなときは、本選び、練習ともに大変なのですが、それに加え、もう一つ大変だったのは、(非常に私的なことなんですが)娘のクラスにあたっていたからなのです。
 日頃から、私の読み聞かせ活動に、厳しくも的確な?コメントをつけてくれる娘の存在。「えー、またその本よむの?」とか。「〇年生なのに、それぇ?」とか。「ん?いいんじゃない、そんな感じで」とか。そんな娘からの要望は「うちのクラスに来るときは、どの本読むか内緒にしておいてね、つまらなくなるから」。 
 そこまで、言われたら、内緒、なおかつ彼女の知らない絵本を読んでやろうと決めていたのです。一緒にクラスに行くパートナーのAさんにもお願いして、「うちの娘の知らない本」を選んで頂きました。「読み聞かせ」にそんな私情をはさんでいいのかどうか・・・たまにそれくらいしたって、OKだろうと(勝手に)思っています。 色々考えた結果、選んだのはこの絵本。 

ミトン
『ミトン』 

ジャンナー・ジー・ヴィッテンゾン さく
レオニード・シュワルツマン え
はっとり みすず ほんあん 




 「ミトン」とは、指なし手袋のミトンのこと。そして、表紙の女の子(アーニャ)が抱いている赤い犬のことでもあります。季節的にも、ぴったりの本なんです。 

 お話は・・・。犬を飼いたいのに、お母さんに反対されたアーニャ。泣いているのを見られないように、自分の赤いミトンで涙をふいていると、なんだか手袋が自分の子犬のように見えてきます。 

 そこで アーニャは ひもをひいて 
 おさんぽに でることにしました。 

 1ぽすすむと ミトンも1ぽ 
 2ぽすすむと ミトンも2ぽ 
 アーニャが かけだすと ミトンも かけだします。 
 たちどまって ふりむくと ミトンも じっと 
 とまっています。 

 
とてもかわいらしく、とてもいじらしい場面です。 

 アーニャがミトンをいとしそうになでると、
ほんとに、手袋からしっぽが ぴょこん みみが にょきにょき おはなが くんくん してくるのです。その様子は、信じられなくくらいかわいい・・・です。その次の文章はこうなっています。 

 ミトンが こいぬに なったのです。 
 まっかな こいぬに なったのです。 

 
私は、初めてこの絵本のこの箇所を読んだときに、どこかのクラスで必ず読もうと、すぐに思いました。とっても好きなんです。こういうふうな言葉の連なりかたが。 

 お話の結末は、アーニャの家に新しい子犬が来て、お母さんも子犬が大好きになって、ハッピーエンドです。 

 ミトンは手袋に戻ったのか、それともアーニャのだいじな子犬のままなのか。今晩寝るときに、そっと、娘の思ったことを聞いてみたいと思います。

コメント (10)
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