気がかりといえば‥、明日の金曜日「こどものとも50周年記念ブログ」の最新版が見られないこと。 実は、先週これに気がついて、一足先に予告段階での『ぐりとぐら』にTBさせてもらったのでした。19日の金曜日に、どんな記事がUPされているか、みなさんのコメントは???などなど、楽しみにしています。
気がかりといえば‥、明日の金曜日「こどものとも50周年記念ブログ」の最新版が見られないこと。 実は、先週これに気がついて、一足先に予告段階での『ぐりとぐら』にTBさせてもらったのでした。19日の金曜日に、どんな記事がUPされているか、みなさんのコメントは???などなど、楽しみにしています。
絵本は「子供のためのもの」「子供と一緒に楽しむもの」だけではなく、
自分自身の楽しみでもあるのだと、気付かせてくれたのはこの絵本。
あな 谷川俊太郎作 和田誠画 こどものとも傑作集 です。
にちようびの あさ、なにもすることがなかったので、ひろしは
あなをほりはじめます。
お母さん、妹、友だち、お父さんが次々と「穴の使用目的」を尋ねますが、
ひろしは「さあね」とか「まあね」とか言うばかり。
無心で穴を掘り続けていたひろしは、穴の底からはいだしてきたいもむしを見て、
「ふっと かたからちからが ぬけて」掘るのをやめて座り込みます。
‥何もすることがない日曜日‥ 自分の子供時代にも、そんな日曜日が
たくさんあったなあと思います。ただ縁側に座って、足をぶらぶらさせて、
何しようかなあ、と空を見上げたりして。
家族で出かけるわけでもなく、友だちや、妹とも遊ばない。でも、そこには
孤独感や、さびしさはなかったような気もします。
だけど、私には、庭に穴を掘ってみよう!というのはほんのちょっとも
思いつきませんでした。
なので、ひろしが「ふと」穴を掘ってみようと思い立つ、その出だしが
とても新鮮でした。こんなの考えつかない、と思ってました。しかし、
偶然、とても似た話を見つけたのです。
ジミーとジャネット、ふたりはふたご
B.クリアリー作 いといしげさと訳 やまわきゆりこ絵
2つお話があるうちの、最初の「ジミーが、本物の穴をほった話です」を読んでびっくり!
本物好きの4歳の男の子、ジミーが、お父さんから「本物の兵隊さんが使うざんごうスコップ」を
貸してもらって喜んで庭に穴を掘り始めるんです。
そして、しばらく作業を続けて「それ、ぼくの穴なんだよ!」と言うのです。
穴を掘るという行為は、そんなに珍しいものではなかったのね、と思い、そういえば自分も
小学生の頃、何に使うあてもなくリリアンをただ黙々と編んでいたことなんかも、
思い出しました。(これは余談ですが)
それじゃあ、『あな』のどんなところが、私を魅了したのでしょう‥。
一番好きなところはこんな箇所。
あなかのなかは しずかだった。つちは いいにおいがした。
ひろしは あなのかべの しゃべるのあとに さわってみた。
「これは ぼくの あなだ」 ひろしは おもった。
ジミー君も、ひろしも自分の掘った穴を「自分の持ち物」として、誇りに思います。
思ったことは同じだけど、大きなちがいは、ひろしは穴の中に入って行った、ということ。
明らかに、外とはちがう、空気の中で、土の壁に触り、土の匂いを吸い込みます。
そして、自分の掘った穴の広さ分できた空を、穴の中から見上げるのです。
またお母さんが来ても、妹や友だちやお父さんが来ても、ひろしは穴の中に座っています。
ゆっくりと、空の色だけが移っていきます。(この本を縦に開くように考えたのが、
和田誠さんなのか、それとも福音館の担当の方なのか、わかりませんが、その工夫が
とても生きています)
飛躍してるかもしれないけど、作者の谷川俊太郎さんは、いつまでも子供の頃(少年時代)の
気持ちと素晴らしい感性を、持ち続けている人なんだなあと、この絵本を読み返すたびに思います。
そして私も、縁側に座って見上げた空の青さなんかを、これからもたびたび思い返していこう、と思います。
(だって、思い出していないと、どんどん忘れていくばかりなので‥)