報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「富士宮での一夜」

2021-03-28 20:07:37 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月20日17:00.天候:晴 静岡県富士宮市 かめや旅館]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今夜は市街地の旅館で一泊する予定だ。
 この町の郊外にある大石寺というお寺に、彼岸参りに行っていた栗原姉妹が遅れて到着したので、私は1階ロビーまで迎えに行った。

 愛原:「やあ、お疲れさん」
 栗原蓮華:「今、着きました」

 私はフロントに行って、この2人が後で到着する予定の者達だと伝えた。

 愛原:「よし、部屋まで行こう」

 そして私は、栗原姉妹をエレベーターに乗せた。

〔ドアが閉まります〕

 愛原:「部屋はリサ達と一緒だ。大丈夫だね?」
 蓮華:「ええ。あのコが何もしなければ大丈夫です」
 愛原:「大丈夫だよ。改めてリサには言っておいたから」
 蓮華:「分かりました」
 愛原:「夕食は18時からだそうだ。食事は食堂があるから、そこらしい」
 蓮華:「分かりました」

〔ピーン♪ 4階です〕

 ところで、このオーチス・エレベーターのアナウンスの声優、富沢美智恵氏だって知ってた?
 アニメだと“クレヨンしんちゃん”のまつざか先生とか、“サクラ大戦”の神崎すみれとか、あとロアナプラという架空の町が登場する某アニメの武装メイドさんの役とか(素直に“ブラック・ラグーン”と言わんかい!)……。
 エレベーターのアナウンスの声を聞いている限りでは、全く気が付かない。

 愛原:「こっちだよ」

 エレベーターを降りて部屋に向かおうとするが、何故かドアに鍵が掛かっていた。

 愛原:「あれ?鍵が掛かってる?おい、開けてくれ」

 私は部屋をノックした。
 しかし、全く開く様子が無い。

 蓮華:「これは、嫌がらせでしょうか?」
 愛原:「い、いや、そんなはずはない」

 すると、隣の私の部屋から高橋が出て来た。

 高橋:「あ、先生。あの2人、風呂に行ったんで、鍵預かってます」

 と、高橋は鍵を出した。

 愛原:「なにぃ?自由行動だな」
 蓮華:「そういうことならいいです」
 愛原:「風呂に行くなら、鍵を忘れるなよ」
 蓮華:「いえ。お風呂は後で入ります。ちょうど勤行をするのに都合がいいです」
 愛原:「そうか?それならまあ、いいけど……」

 私は蓮華に鍵を渡して、部屋に戻った。

 高橋:「お疲れ様っス」
 愛原:「ああ」
 高橋:「俺達も風呂行きますか?」
 愛原:「ああ、そうだな」

 私達は浴衣に着替えた。

 愛原:「こういうのはな、着替えてナンボだろ」
 高橋:「寛ぎスタイルっスね」

 そして私達はタオルを持って、大浴場に向かった。
 そこに行って、私はあることに気づいた。
 佇まいは、温泉地にある旅館という名のホテルそのものである。
 しかし、脱衣場にはよく掲げられている温泉の成分表などが掲げられていない。
 つまり、温泉ではないのだ!

 愛原:「佇まいは温泉なのになぁ……」
 高橋:「先生、気を確かに……」

 最上階にある大浴場は、確かに眺望に優れており、相変わらず頂上部分が雲に隠れているものの、富士山がよく見えるのは分かった。

 高橋:「先生、お背中、お流し致します!」
 愛原:「ああ。頼むよ」
 高橋:「はいっ!」

 私は洗い場のシャワーの前に座り、高橋に背中を流してもらった。

 愛原:「こりゃ明日は、仕切り直しをしなきゃいけないかもしれんな……」
 高橋:「と、仰いますと?」
 愛原:「明日は本物の温泉に入らないと気が済まん」
 高橋:「はい!」
 愛原:「明日までに、いい温泉地を探しておこう」
 高橋:「分かりました」

 でもまあ浴槽は広く、街の景色もいいので、夜に入ったら夜景が楽しめるかもしれないと思った。

[同日18:00.天候:晴 同旅館・食堂]

 食堂に行くと、『愛原様』と書かれた札のテーブルがあった。

 高橋:「先生、どうぞ。上座へ」
 愛原:「上座ってここなのか?」

 因みにこの時には、既に栗原姉妹も浴衣に着替えていた。

 リサ:「お~、いっぱいあるー!」

 リサはテーブルに置かれた数々の料理を見て、目を輝かせた。
 昼あれだけ一杯食べたのに、もうこれを完食する気満々らしい。

 高橋:「先生、どうぞ」

 高橋がビールを注いできた。

 愛原:「ああ、悪いね」

 私と高橋はビールだが、他のJK・JC達はジュースやウーロン茶である。

 愛原:「それじゃ、乾杯しよう。リサと斉藤さんは、改めて卒業おめでとう。栗原さん達は進級おめでとう」
 蓮華:「ありがとうございます」
 愛里:「ありがとうございます」
 愛原:「それじゃ、乾杯!」

 乾杯してから夕食に箸をつけた。

 愛原:「蓮華さん達は来月から何年生になるんだっけ?」
 蓮華:「2年生です」
 愛里:「2年生です」

 蓮華さんは高2、愛里さんは中2というわけか。

 愛原:「蓮華さん、後輩となるリサ達をよろしく頼むよ?」
 蓮華:「はい。特に、リサさんにあっては、校内で人食いをしないよう監視の対象とさせて頂きます」
 愛原:「はっはっは。聞いたか、リサ?鬼斬り様の監視対象だぞ」
 リサ:「私は人の血肉は……じゅるっ……食わない」
 高橋:「おい、一瞬涎出ただろ?」
 リサ:「き、気のせい気のせい。この料理が美味しいだけ」

 バリボリ!

 愛原:「リサ、蟹を殻ごと食べるんじゃない!」
 リサ:「えー?美味しいよ?」
 蓮華:「鬼の中には、人間の骨までも食い尽くす輩がいると聞きましたが……。このコがそうですか」
 リサ:「食べたこと無いから分かんない。……けど、食べるとしたら、そうなるかも」
 蓮華:「どうやら、本当に食べたことが無いみたいだね」
 愛原:「当たり前だろう。どうしてそう思うんだ?」
 蓮華:「もし本当は食べていたのなら、『私は他の鬼と違って食い散らかさない』とか、『骨までは食べない』とか言うはずですから」
 愛原:「なるほど」

 誘導尋問にリサは引っ掛からなかったというわけだ。
 これもリサが本当に人食いをしていなかったことの表れだろう。
 しかし、本当にリサは魚も骨まで食べるんだよなぁ……。
 鋭い牙でかみ砕くんだ。
 フライドチキンもそんな食べ方をするものだから、リサにはKFCには行かないように言っている。
 もしも行くのなら、骨付きチキン以外のものを注文するようにと……。
 動物でさえ骨は残すし、人食い鬼が出て来るマンガやアニメで、人食いをするシーンが出て来ても、骨は残す描写だろうに、リサは骨まで食べそうだ。

 リサ:「ん!この天ぷらもイケる!」
 斉藤:「このお刺身も美味しいわよ」
 愛原:「ほら、高橋。オマエも飲め」
 高橋:「あざーっス!」
 愛原:「おっと!写真撮らなきゃな」

 私はデジカメを取り出して、リサや斉藤さんの食事風景を撮った。
 娘が楽しく卒業旅行しているのを見て、クライアントの斉藤社長から報酬を頂かねば。
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“愛原リサの日常” 「湯けむり旅情殺人事件 ~その時、JKは見ていた!~ ……すいません、書いてみたかっただけですw」

2021-03-28 15:20:43 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月20日16:06.天候:晴 静岡県富士宮市 富士急静岡バス大石寺入口停留所]

 大石寺での行事を終えた栗原姉妹は、大石寺三門前を通る国道を徒歩で西進した。
 15分くらい歩いたところで、県道との十字路交差点に到着する。
 国道と県道との十字路といっても、信号機は付いているだけの小さな交差点だ。
 交差点の角にコンビニがあるだけである。
 姉妹はそこの近くにあるバス停で、バスを待った。
 県道184号線上にあるのだが、この県道、1車線または1.5車線の幅しかない。
 乗用車同士ならまだ辛うじてすれ違えるが、準中型車以上の車となると、それは難しいだろう。
 休日は1日2往復しか運転しないとはいえ、そんな道をバスが走るのである。
 大石寺前を走る国道469号線は拡幅や新道建設が進んでいるが、県道にまではその手は及んでいないようである。
 その為、大石寺参詣者も、国道469号線や国道139号線に繋がる市道(参道)は使用しても、こちらの県道を使用する者は殆どいない。
 それどころか、ここを路線バスが走っていることすら知らない者も多々いるのだ。

 栗原蓮華:「……よし。愛原先生には、これからバスに乗るって伝えておいた」

 蓮華はバス停の前に立ちながら、スマホを手にしていた。
 もうすぐバスが来る時間なのだが、他にバスを待つ者はいない。

 栗原愛里:「愛原先生達、もう旅館に着いてる?」
 蓮華:「まだ返信無いから分かんないよ。でも、私達が富士宮駅に着く頃には、もう着いてるかもね」
 愛里:「むー……」

 そんなことを話していると、上条方面からバスがやってきた。
 やはりセンターラインも引かれていない程の狭い道をバスが来ると圧巻だ。
 それは対向車も同じらしく、コンビニの敷地内に乗り出すようにしてバスを避ける。
 来たバスは中型のノンステップバス。
 新富士駅から富士駅まで乗ったのと同じ車種であった。
 しかし、乗客は誰も乗っていなかった。
 姉妹は中扉から乗ると、Pasmoを読み取り機に当てて、1番後ろの座席に座った。
 そこは新富士駅から乗った時、愛原と高橋が座っていた位置である。
 2人の乗客を乗せると、バスはすぐに走り出した。

〔ピン♪ポン♪パーン♪ 次は下条、下条でございます〕

 この辺り、上条とか下条とか言うが、条とはこの辺り一帯を治めていた南条時光氏の条である。
 そして今では富士宮市の一地区になっているが、かつては上野村という村であった。
 かつての村役場も、この近くにある(現在は市役所の出張所)。

 蓮華:「愛原先生から返信来た。16時半には着くみたいだね」
 愛里:「そうなの」
 蓮華:「今頃、国道を走ってるんじゃないかな。139号線ね」

[同日16:30.天候:晴 同市内 かめや旅館]

 車での市内観光を終えた愛原達は、車をレンタカーショップに返却すると、その足で宿泊先の旅館に向かった。
 名前を旅館としながらその佇まいは、ホテルに近い。

 愛原:「残りの2人は、後で合流します」
 従業員:「かしこまりました」
 高橋:「“ベタな日本旅館の法則”、BGMが和楽器」
 リサ:「お~」
 斉藤:「当たり前じゃない。こういう所でユーロビート流されても、リアクションに困るわよ」

 愛原は部屋の鍵を2つ受け取った。

 愛原:「はい。これがリサ達の部屋の鍵だよ」
 リサ:「おー。BOWがドアの鍵を開けて入る珍しいパターン」
 愛原:「ん?どういうことだ?」
 リサ:「BOWは鍵の開いてるドアを開けるか、すり抜けるか、壁をブチ破るかのどれかだから……」
 愛原:「ここでは、ちゃんと鍵を開けて入るように」
 リサ:「はーい」
 斉藤:「壁を破って敵を追うリサさんの姿、想像するだけで萌えぇ……」

〔上に参ります〕

 高橋:「先生、部屋は何階ですか?」
 愛原:「4階だって」
 高橋:「了解です」
 リサ:「早く行くーん」

〔ドアが閉まります〕

 斉藤:「ま、待ってください!」

 萌える斉藤は、危うく置いていかれるところだった。
 ドアを再開閉して、斉藤は慌ててエレベーターに乗り込んだ。

 愛原:「さすがにエレベータに乗って追いかけてくるBOWはいないだろう」
 リサ:「私がやろうか?」
 斉藤:「リサさんと鬼ごっこ……!萌えぇ……」
 リサ:「いや、フツーBOWに捕まったら食い殺されるから」
 斉藤:「リサさんに食い殺されるなら本望ですぅ……!」
 リサ:「先生、サイトーなら食い殺してもBSAAは文句言ってこないんじゃない?」
 高橋:「俺もそんな気がします」
 愛原:「それでも許可されないと思うので、承認しかねます」

〔ピーン♪ 4階です〕

 エレベーターを降りると、そこは客室フロアだった。
 部屋は隣同士である。

 愛原:「後で栗原さん達が来るから」
 斉藤:「同じ部屋なんですか?」
 愛原:「そうだよ。修学旅行で4人部屋なんで普通だろ?」
 斉藤:「私はリサさんと2人きりで過ごしたかったです」
 リサ:「栗原姉妹的に、私が同室でもいいの?」
 愛原:「リサが何もしなければいいって、蓮華さんは言ってたがな」
 リサ:「フム。先生がそうしろっていうなら従う」
 愛原:「頼んだぞ」

 リサは渡された鍵で、部屋のドアを開けた。

 リサ:「お~、いい匂い」
 斉藤:「畳の匂いね。これぞ和室って感じだわ」

 リサが窓の障子を開けた。

 リサ:「お~、電車が見える」
 斉藤:「電車?ということは、富士山とは反対側の部屋なのね。フザけてるわ」
 リサ:「そうかな?街の方を向いているということは、夜景がきれいなんじゃないの?私はその景色も好き」
 斉藤:「り、リサさんがそう言うなら、吝かじゃないけどォ……」

 リサは押入れの中から浴衣を見つけた。

 リサ:「見て、サイトー!浴衣!」
 斉藤:「お風呂とかお手洗いとかは共同みたいだけど、浴衣はちゃんとあるのね」
 リサ:「早速着替えよう」
 斉藤:「ええ~っ!?」
 リサ:「こういう所に来たら、着替えてナンボでしょう?」
 斉藤:「そ、そうね。寛ぎましょう」

 尚、リサの浴衣姿に斉藤がまたもや悶絶したことは言うまでもない。
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“私立探偵 愛原学” 「士が 大勢来る 不治の山 後にその名を 富士山と呼ぶ」

2021-03-28 11:38:49 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月20日09:31.天候:晴 静岡県富士宮市 JR富士宮駅]

〔まもなく富士宮、富士宮です。富士宮では、全部のドアから降りられます。……〕

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 ようやく私達は富士山の麓の町までやってくることができた。

 愛原:「キミ達はここで降りないの?」
 栗原蓮華:「ええ。私達は次の西富士宮で降ります」
 愛原:「そうか。じゃあ、気をつけて」
 蓮華:「先生方も」

 電車がホームに到着するが、すぐにドアは開かない。
 島式ホームの駅なので、運転士は左ハンドルの運転席から立って右側に移動し、それから車掌スイッチを操作して開扉するのである。

〔富士宮、富士宮です。……〕

 

 栗原姉妹を電車に残し、私達は電車を降りた。
 ローカル線ながら、線内では特急も停車する主要駅の1つということもあり、乗降客はそれなりに多い。

 リサ:「ここからどうするの?」

 富士宮駅は富士駅と同様の橋上駅舎である。
 ホームは地平にあるが、駅舎は2階にあるタイプ。
 なので、改札口へは階段を登る必要がある。
 その階段を昇りながら、リサが言った。

 愛原:「駅前のレンタカー屋に移動して、そこでレンタカーを借りる。それから色々と回ろうと思う。高橋、運転よろしくな?」
 高橋:「あ、はい。お任せください」

 駅舎からはイオンモールが見える。
 富士宮駅を発車した電車は、高架線を登って行くが、これはイオンモール前の踏切を解消する為に行われた立体交差化によるものだ。
 それまでは、踏切のせいでよく渋滞していたらしい。
 ローカル線ながら、西富士宮駅以南は比較的本数が多いので、踏切渋滞が多発していたのだという。
 用地は広大な操車場跡を利用したらしい。
 その操車場跡とは、かつて創価学会専用列車を留置していた所。
 専用列車が無くなり、ペンペン草が生えていた所、立体交差化の用地に使われたという。
 その為、今ではその操車場跡を見ることはできなくなっている。
 唯一、学会専用列車があった頃の名残があるのは、富士宮駅の1番線ホームか。
 今でも団体専用ホームとして指定されているが、全く使われておらず、埃被っている。
 ホームの外は車寄せになっており、1番線に学会員を満載した専用列車が到着すると、すぐに学会員達は車寄せに横付けされたバスに乗り込み、そのまま大石寺に向かったという。
 今では面影を僅かに残しているだけである。
 当時は165系が主に使用され、今なら373系といったところか。

[同日11:00.天候:晴 同市内 まかいの牧場]

 愛原:「うーむ……」

 ここは有名な観光スポットの1つである。
 ここには、リサ以外の者が来るべきだった。
 いや、すっかり忘れていた。
 リサを動物関係の施設に連れて行ってはいけなかったことを。

 馬:「ヒヒーン!」
 羊:「メェー!メェー!」
 牛:「モー!モー!」

 高橋が慌てて私の所に走って来る。

 高橋:「せ、先生!大変です!リサの行く先々で、動物達が怯えて脱走しようとしています!」
 愛原:「しまった……!そうだった」

 私は右手を頭にやって、あちゃーと思った。

 リサ:「どうしたの?別に取って食べようとか、思ってないのに……」
 斉藤:「リサさん、涎!」

 リサは第0形態になっていて、上手く人間に化けているはずなのだが、動物達には誤魔化せなかったようである。
 で、ここでゆっくり過ごせたのは、レストラン関係であった。

[同日12:00.同市内 道の駅“朝霧高原”]

 まかいの牧場をあとにした私達は、更に国道139号線を北上し、今度は道の駅に向かった。
 これは高橋の希望である。
 街道レーサーでもあった高橋は、こういうスポットには目が無いようだ。
 環境省が公開した『富士山がある風景100選』に認定されているだけあって、天気が良いとここからよく富士山が見える。
 今はまた雲が出て来てしまった為、頂上部分を見ることはできない。

 愛原:「道の駅だから、お土産も売ってるんだよな」
 高橋:「そうです」
 愛原:「ここからボスにでも送るか。ボスには酒の方がいいだろう」

 尚、ここでもリサはレストランで何か食べようとしていた。

 愛原:「太るからやめなさい」
 リサ:「えー?私、こんなに体が小さいのに?」

 変化やBOWとしての怪力にエネルギーを大量消費する為、太るほどカロリーを貯めこまないのだという。

 斉藤:「ぽっちゃり系のリサさんも好きです!」
 リサ:「むー……。先生はロリ系の方が好きだからやめておく」
 斉藤:「ええーっ!」
 愛原:「読者が誤解するからやめなさい!」
 リサ:「『1番』とよろしくヤってたくせに……」
 愛原:「だから、あれは襲われたんだってば!」
 リサ:「私が『1番』の記憶を上書きしてあげようってのに……」
 愛原:「だからそれは違うって……」

[同日13:10.天候:晴 同市内上条 大日蓮華山大石寺 奉安堂]
(ここだけ三人称です)

 任務者のオバちゃん:「ちょっと、そこのあなた!長物の持ち込みは禁止です!」
 栗原蓮華:「ええーっ!?」
 栗原愛里:「だから言ったのに……」
 蓮華:「ここに置いていきます……」
 愛里:「休憩坊の報恩坊様に置いてくれば良かったのに……」

 泣く泣く長物(鬼斬りの刀)を置いて、堂内に入る蓮華だった。

 愛里:「今頃先生達、どこにいるカナ?」
 蓮華:「観光スポットを回ると言ってたから、あちこちじゃない?白糸の滝にでも行ってるかもね」
 愛里:「愛原先生、温泉が好きなんでしょう?華の湯とか?」
 蓮華:「あるかもね」

〔「御開扉に先立ちまして、注意事項を申し上げます。……」〕

 蓮華:「愛原先生達をお連れできたら……」
 愛里:「鬼はヤダ。絶対ヤダ」
 蓮華:「御本尊様に『鬼子母神』の名前が入っているから、鬼でも連れて来ていいんだろうけどね」

 尚この時、リサはくしゃみを何回かした上、『誰か私の悪口を言っている』と、地獄耳を立てていたという。
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