報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「日曜日の終わり」

2020-12-13 19:54:38 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月29日18:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 都営地下鉄新宿線菊川駅→ジョナサン菊川店]

〔ピピッ♪ チャージが完了しました〕

 愛原:「はい、これが報酬。今日はありがとう」

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日は日曜日だったが、事務作業と事務所の清掃で1日が終わってしまった。
 しかし掃除に関しては、リサとその友達2人が手伝ってくれたことで大いに助かった。
 リサはともかく、友達2人はリサに半ば強制的に手伝わされたようなものなので、私から2人に報酬を渡すことにした。
 現金だと2人の親御さん達に見つかった場合、後で面倒なことになりそうなので、それよりは足が付きにくい(と思われる)電子マネーにチャージという形にしておいた。
 いくら入れてあげたかは、【お察しください】。

 小島:「ありかとうございます!」
 斉藤:「わ、私はリサさんの頼みを聞いただけですので、特に報酬目的で手伝ったわけでは……」

 するとリサはギラッと両目を赤く光らせた。

 リサ:「サイトー、先生の好意を受け止められないの?」
 斉藤:「ととと、とんでもないです!ありがたく頂戴致しますわ!」

 ……きっと新型BOWエブリンも、このような感じで人間を支配したのだろう。
 こっちのリサの場合、今はまだ笑えるレベルだし、人間に戻れれば、彼女が感染させたウィルスも事実上無効化されるとのことで、今のところ心配はしていない。

 小島:「それじゃ帰りましょうか?」
 斉藤:「そ、そうね。それじゃリサさん、また明日、学校でね」
 リサ:「ごきげんよう~!」

 2人の友人が先に帰ると、リサは私の手を握って来た。

 リサ:「今日の夕飯はどうする?私も手伝ったよ?」
 愛原:「分かった分かった。今日はリサも手伝ってくれたことだし、高橋も今日はいないから外で食べよう」
 リサ:「おー!」

 私達は地上に向かうエスカレーターに乗った。
 因みにリサは学校の体操服から私服に着替えている。
 ちゃんと着替えは持って来ていたのだ。
 事務所の手伝いをした後で帰る予定だった斉藤さんと小島さんは、ジャージのままだったが(冬用のジャージとはいえ、それだけでは寒いので、上にコートを羽織っていた)。
 リサは掃除の最中でも夏の体操服で、私服に着替えた今も、下は太もも丸出しのショートパンツである。
 BOWは寒さに強い(暑さにも強い)ということもあるのと、少しでも私に色目を使う為らしい。
 本人が満足なのであれば好きにさせれば良いと思うが、それを友人2人にも強要したので、それは注意しておいた。

 愛原:「ここでいいか」

 私達が来たのはファミレスであった。

 リサ:「おー!」

 早速店内に入る。
 テーブル席に着くと、リサは早速メニューを見た。
 ステーキの画像に目が留まり……。

 リサ:「むふー!」

 鼻息が荒くなる。

 愛原:「昨日、高橋がステーキ焼いてくれただろ?」
 リサ:
 愛原:「分かった。分かったよ。お前はそれな」
 リサ:「おー!」
 愛原:「俺は和食がいいな。それとビール!」

 ビールは欠かせんだろ~。
 私達は早速注文した。

 リサ:「私、ドリンクバー行って来る」
 愛原:「お~、行ってこい」

 リサがドリンクバーに向かっている間、私はスマホを見てみた。
 おや?メールが来ている。
 善場主任からだ。
 むむ?どうやら近くまで来たので立ち寄ったのだが、誰もいなかったので事務所まで来たらしい。
 が、それでもいなかったので、外出をしているのか?というものだった。
 私はすぐに現況を返信した。
 すると、『それでは私もジョナサンへ向かいます』とのこと。

 店員:「お待たせ致しました。生ビール中ジョッキでございます」
 愛原:「ありがとう」

 先にビールが届く。
 その後でリサがオレンジジュースを持って来た。

 リサ:「ビール来たんだね」
 愛原:「ああ。それじゃ、乾杯」
 リサ:「カンパーイ!」
 愛原:「実はこれから、善場主任が合流する」
 リサ:「『0番』さんが?」
 愛原:「まあな。日曜だから善場さんも休みのはずだが、この近くまで来たらしいぞ?」
 リサ:「ふーん……」

 事務所からここまで約5分。
 善場主任はそのくらいのタイミングで来た。
 この時点で既に料理は来ていたが。

 善場:「お食事中に申し訳ありません」
 愛原:「いえいえ。何か御用ですか?」
 善場:「ええ。実は『1番』のことについてです」
 愛原:「じゃあ、急いで食べますんで……」
 善場:「いえ、食べながらでいいので」
 リサ:「『0番』さんも何か頼んだら?」
 善場:「そうですね。ドリンクバーでも頼みましょう。あなたはステーキなのね」
 愛原:「ちょっと今日は事務所の掃除の手伝いをしてくれたので、その報酬代わりです」
 善場:「家の手伝いをして偉いね。操ることしかできない『1番』やエブリンとは大違い」
 リサ:「うん。私はあいつらとは違う」
 善場:「その気持ちは大事だからね。愛原所長の言う事を聞いていれば間違いないから」
 リサ:「分かってる」
 善場:「ちょっとドリンクバーまで行ってきます」
 愛原:「どうぞどうぞ」

 善場主任はタブレットでドリンクバーを追加注文すると、それでそのコーナーへ向かった。
 彼女が持って来たのはハーブティー。

 リサ:「グリーンハーブの匂いがする」
 善場:「ふふ。レッドハーブも混ぜると、効果抜群かもね」
 愛原:「日本じゃ、回復アイテムとしてのハーブは自生していないかと」

 そういう所ではハーブではなく、救急スプレーや回復薬を使う。

 愛原:「それで『1番』の動きというのは?」
 善場:「『1番』そのものの行方はまだ掴めていません。明日、高野被告と面会しますよね?」
 愛原:「ええ」

 高野君の警察での取り調べは終わり、今は公判を待つ身となっている。
 その為、高野君の東京拘置所での立場は未決囚ということになる。
 殆どが主犯格のものではなく、“青いアンブレラ”と旧・日本アンブレラ時代の共犯としての罪だ。
 全ては使用者責任を問うものであり、高野君は使用者から命令されてやったものであると主張している(つまり、自分がやったことは認めているものの、自発的にではないということだ)。

 愛原:「高野君は自分がしたことは全て認めていて、そのこと自体も反省しています。情状酌量の余地はあるんじゃないですか?」
 善場:「そうですね。でも、彼女がもっと素直だったら執行猶予が付いただろうに、非常に残念です」

 まるで、このままでは実刑判決だと言わんばかりだ。

 愛原:「善場主任は高野君に何を求めてるんです?」
 善場:「私がというよりは、もっと上層部が、です」
 愛原:「? アンブレラのことなら、彼女が知っている限りのことは喋ったと聞きましたが?」
 善場:「ええ。アンブレラのことに関しては、彼女は包み隠さず、バカが付くほど正直に話してくれたと思います」
 愛原:「にも関わらず、善場主任達が不満なのは何故ですか?」
 善場:「私は高野被告には、またもう1つの顔があると思っています」
 愛原:「もう1つの顔?何ですか、それは?」
 善場:「それは……」

 1:中国共産党のスパイ
 2:北朝鮮の工作員
 3:CIA職員
 4:ロシアのスパイ
 5:バイオテロ組織のスパイ

 善場:「もし彼女が本当に、ただの新旧アンブレラ関係者だけの人間でしたら、あんなにベラベラ喋るとは思えないのです。つまり、彼女にはもっと本当の顔がある。だから、ただの腰かけ程度のアンブレラのことは売っても構わなかった。私達はそう見ています」
 愛原:「なるほど……」
 善場:「愛原所長、これは私達からの依頼です。明日、高野被告と面会をした際に、それとなく聞いてみてください。もしかしたら、愛原所長達には何か話してくれるかもしれません」
 愛原:「は、はあ……分かりました」

 そう簡単に上手く行くかなぁ……?
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“私立探偵 愛原学” 「事務処理」

2020-12-13 11:37:07 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月29日12:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所→マクドナルド菊川駅前店]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 高野君が“青いアンブレラ”の構成員だったことが善場主任達に発覚し、彼女は拘束されている。
 “青いアンブレラ”は、かつての悪名高い製薬企業アンブレラの旧関係者達によって結成された民間軍事会社なのだが、表看板と実際の活動内容はけしてテロ組織ではない。
 だが民間軍事企業が日本国内で堂々と活動できるわけがなく、表向きは国連組織BSAAから警備会社や探偵事務所の如く依頼を受けて、その後方支援に当たるのみという名目で活動できていたに過ぎない。
 BSAAには強大な権限が与えられており、一たびバイオハザードが発生すれば、例えそこの地元政府の了解を受けなくても迅速に介入して活動できることになっている。
 武漢ウィルス発生時においては、中国政府が受け入れを拒否したことで問題となった(が、日本では全く報道されなかった)。
 で、“青いアンブレラ”だ。
 かつての旧アンブレラ関係者達が、現役時代に犯した罪を贖罪する為、BSAAに協力してバイオテロ鎮圧に当たると宣言している。
 そうなると高野君もその関係者だったということになり、そこが善場主任達に目を付けられて拘束されたんだな。

 愛原:「明日は高野君の面会に行ってくる。お前も来るんだ」
 高橋:「分かりました。ついに俺が面会する側ですね」
 愛原:「ああ。お前も東京拘置所に入ったことがあるんだったな」
 高橋:「弁護士さんくらいしか面会に来てくれませんでしたけどね」
 愛原:「不良仲間とかは?そういう奴らは面会禁止だっけか?」
 高橋:「いや、何か俺が逮捕される時って、大抵仲間全員も一斉逮捕なんで」
 愛原:「何だよ、その組織犯罪的なヤツ」
 高橋:「何なんスかね」
 愛原:「でもオマエ、1人で逮捕された時もあったって言ってたじゃん?あれは?」
 高橋:「あれはムショに行く前に釈放されたパティーンです。要は不起訴とかですね。ケンカをして、その場でタイーホでも、必ずムショに行くとは限りませんよ?」
 愛原:「そっちか」

 暴走族でもやってた時に一斉逮捕されたのか、こいつ?

 愛原:「それにしても、年末近い時に高野君が取られたのはイタいな。色々と役所に提出するヤツとか結構あるからな」
 高橋:「一口に経費っつっても、色々あるんスね」
 愛原:「そうなんだよ。それを高野君が色々うまく捌いてくれてたんだけどなぁ……」
 高橋:「てか、先生。そろそろ昼飯の時間ス」
 愛原:「そうか。じゃあ、外に食いに行くか」
 高橋:「ういっス」

 私達は一旦事務所を閉め、外に出た。

 愛原:「昼間でもだいぶ寒くなってきたな」
 高橋:「でも陽に当たれば、まだ暖かいレベルっスよ」
 愛原:「若いねぇ!」
 高橋:「いえいえ、先生。まだアラフォーでしょ?」
 愛原:「もうアラフォーだよ」
 高橋:「あれ、先生?リサ達がいますよ」
 愛原:「ん?どこだ?」
 高橋:「交差点の先っス」
 愛原:「オマエも目がいいな。俺には見えんぞ」
 高橋:「マックにでも行くんスかね?俺達も行きましょうか?」
 愛原:「そうだな」

 私達は菊川駅前交差点のマクドナルドに向かった。
 昼時ということもあって、レジには列ができている。

 リサ:「あ、先生」
 愛原:「おーう、やっぱりリサ達だったか」
 リサ:「コジマ、この人は愛原学先生。私の保護者で、仕事は探偵さん」
 愛原:「どうも。愛原学です」
 小島:「こ、こんにちは。小島奈々と申します」
 愛原:「で、こいつは高橋正義。俺の助手」
 高橋:「高橋だ」
 小島:「よ、よろしく……お願いします……」

 小島さんは高橋を見て、ポーッと赤くなった。

 斉藤:「小島さん、この人、イケメンだけどゲイだから」
 高橋:「うるせっ!レズに言われたくねぇ!」
 愛原:「厳密に言えば、バイセクシャルか……」

 2階に行ってテーブル席に座る。

 小島:「何か、GTOに出て来る先生みたいですね?」
 高橋:「あ?そうか?」
 愛原:「鬼塚か……。ま、似てなくも無い」
 斉藤:「高橋さん、パールが『今日はいつ会えるのか?』って凄いうるさいんですけど?」
 高橋:「だったらオメーも事務処理手伝えって言ってくれや」
 斉藤:「はーい」
 高橋:「ば、バカ!マジレスすんな!」
 リサ:「事務所、そんなに忙しい?」
 愛原:「意外と事務仕事たまってたな。如何に高野君が優秀だったか分かるってもんだ」
 リサ:「私じゃ手伝えない?」
 愛原:「いやー、会計とかムリだろー。ちょっと事務処理して、ちょっと事務所の掃除だけして終わりと思っていたんだが、とんだ計算違いだった」
 リサ:「掃除だけなら、私も手伝うよ?」

 リサはチラッと友人2人を見た。

 斉藤:「わ、私も手伝います!」
 小島:「私もです!」

 リサには逆らえないのが見て分かった。
 時代が時代なら、リサは裏スケ番として学校に君臨していたのだろう。

 愛原:「皆、ありがとう」

 これで、事務作業にだけ集中すればいいわけだ。
 実は善場主任も、手伝うとは言ってくれているのだが、後で請求されるモノが高そうだからなぁ……。

[同日15:00.天候:晴 同地区内 愛原学探偵事務所]

 愛原:「やっと終わった!」
 高橋:「こっちもっス!」

 私達は大きく伸びをした。

 愛原:「よし、高橋。あとは霧崎さんとデートしてこい」
 高橋:「えっ?だってもうこの時間スよ?」
 愛原:「映画観て、夕食一緒に食べるくらいのことはできんだろ?こっちのことは気にするな。何だったら、ホテル泊まって来ていいぞ」
 高橋:「明日、仕事じゃないスか!そこまでは……。だいたい、あのJC達は何してるんスかね?掃除しに来るっつって、全然来ないじゃないスか」

 その時、エレベーターが到着する音がした。
 事務所の入口のドアは、新型コロナ対策の為に開放している。
 その為、エレベーターが到着するアナウンスやチャイムの音で誰か来たかが分かるのだ。
 小さなビルなので、1フロアにつき1テナントしか入っていない。

 霧崎:「お待たせー!早速デートに行こう!」
 リサ:「先生、お待たせ。掃除に来た」
 斉藤:「お掃除入ります」
 小島:「お掃除入ります」
 高橋:「わぁっ、出た!」

 霧崎さんは、どうしてこのタイミングだと分かったのだろう?
 さすがはストーカー。

 霧崎:「じゃあ愛原先生、ボクとマサはデートに行ってきます!」
 愛原:「あ、ああ。行ってらっしゃい」

 高橋は半ば拉致されるかのように、霧崎さんに連れて行かれた。
 さすがに、いつものメイド服ではなかった。
 それはいいのだが、私服に必ず迷彩柄が入るそのギャップさはある意味萌えポイントか?

 リサ:「サイトーは向こう。コジマはあっちから初めて」
 斉藤:「はい!」
 小島:「はい」

 掃除をするということで、3人とも学校のジャージ姿だった。
 リサだけが夏用のTシャツに短パンだったが。

 愛原:「何か2人とも、リサの言う事聞いてるね?」
 リサ:「さっきまで老廃物を根こそぎ吸っちゃったから、2人とも気持ち良くなっちゃって」
 愛原:「え?マッサージしてあけたの?」
 リサ:「ううん」

 リサは両手から少しだけ触手を出した。

 リサ:「膀胱と大腸の老廃物を根こそぎ吸い出して、ついでにウィルスも追加しておいた」
 愛原:「こらぁ!」

 リサのウィルスはリサの意思次第で休眠させることもできるし、活性化させることもできる。
 リサの場合、普段は休眠させておいて、もしも感染者がリサに危害を加えて来ようとした際に活性化させるという手を使っているようだ。
 これは後にアメリカのルイジアナ州で発生したバイオテロの首謀者、エブリンと似た手口なのだが、それを既に日本のリサ・トレヴァーは行っていたのである。
 
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昨日、体調不良につき

2020-12-13 04:34:35 | 日記
 12月12日15時頃、頭に鈍痛が発生する。

 同日17時30分頃、頭痛が激しくなり、軽い吐き気が発生。食欲不振。体温37.3度まで上昇。市販の頭痛薬を服用し、自宅にて休む。恐らく18時頃、意識無くなる。

 12月13日4時10分起床。頭痛治る。吐き気は無いが、空腹も無し。体内の水分が不足している為、水を多めに摂取。体温35.0に下がる。
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