[11月29日07:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
いつも7時に目が覚めるリサ。
これは研究所にいた頃の名残である。
今回は変な夢を見る事はなかった。
リサ:「今日はサイトーとコジマが来る」
愛原:「分かってるよ」
リサは起きて自室を出ると、リビングにいる愛原に言った。
愛原:「俺達は事務所に行くから。早く顔洗って着替えてこい」
リサ:「はーい」
リサは洗面所に行った。
顔を洗って歯を磨く間、第一形態になってみる。
心なしか、爪がいつもより長く鋭くなったような気がする。
昨日、愛原の血中の老廃物と血液を少量摂取したことで、BOWとしての力が強化されたのかもしれない。
『1番』は本当に人間を捕食することで強くなっているようだが、リサの場合は人間を殺さずして強化しているのだ。
リサ:「フム……」
第0形態に戻れば、爪は短くなって丸くなる。
見た目は人間と何ら変わらない。
新型BOWエブリンは人間を捕食することはなく、体を維持する特殊な薬剤のみ必要とする。
必要あるわけではないが、普通の人間の食事を摂取することも可能。
新型の方がより人間に近づいたことで、より脅威さが増していると言える。
愛原:「着替え終わった?」
リサ:「うん」
白いTシャツと黒いスパッツから、グレーのパーカーにデニムのショートパンツに穿き替えている。
冬場だとタイツやレギンスを穿くだろうに、リサは生足のままである。
家にいる時はいいが、外に出る時は、本人は平気でも、周りの目があるので、もう1つ下に穿くよう言われている。
高橋:「できましたよー」
高橋はベーコンエッグを作って来た。
リサ:「おー!美味しそう!」
愛原:「典型的な朝食だよな」
今朝はトーストにカップのコンソメスープと、洋定食である。
リサ:「お昼はどうする?」
愛原:「そうだなぁ……。事務作業の内容によっては、午後まで掛かるかもしれない。一応、自分で用意できるようにしといてくれる?」
リサ:「分かった」
愛原:「約束の小遣いチャージするから、昼食代はそれでな?」
リサ:「了解」
[同日08:30.天候:晴 同地区内 東京都営地下鉄新宿線 菊川駅]
リサは事務所に向かう愛原に付いて行った。
高橋は先に事務所に向かい、愛原は駅まで向かった。
〔ピピッ♪ チャージが完了しました〕
愛原:「これでよし」
リサは自動券売機でPasmoにチャージしてもらった。
リサ:「沢山ありがとう!」
愛原:「霧生市でも頑張ってくれたから、その分も上乗せしといたよ」
平日なら朝ラッシュ真っ只中で、多くの通勤・通学客の靴音が響く駅構内だが、日曜日の今日は半分以下の人出だ。
愛原:「じゃあ俺は事務所に行くから。お前も遊び過ぎるなよ」
リサ:「うん。最初は皆で宿題やってからにする」
愛原:「そうか。まあ、それなら……」
駅のエスカレーターは途中まで。
そこから地上へは階段を登る。
リサはホイホイと先に昇るが、愛原は後から付いてくる。
斉藤絵恋:「あら?リサさん」
地上に出ると、ちょうど斉藤絵恋と遭遇した。
リサ:「サイトー、どうした?まだ約束の9時じゃない」
斉藤:「リサさんこそ、どちらに?……あ、愛原先生、おはようございます」
愛原:「おはよう。斉藤さん、早いね」
斉藤:「リサさんと早く会いたくて……。文明の利器(という名のGPS)でリサさんを追ったら、ここだったのでぇ……」
リサ:「おい、犯罪者!ストーカー!」
斉藤:「も、萌えぇぇぇっ!もっと褒めてぇぇぇっ!」
斉藤、リサの言葉攻めに悶絶する。
愛原:「おいおい。駅前で何やってるんだ?」
斉藤:「それでリサさん達はどうして駅に?」
リサ:「先生からお小遣いもらってた」
リサは自分のPasmoを斉藤に見せた。
斉藤:「そうなの!奇遇ねぇ。私もお父さんから、お小遣いもらった所よ?」
斉藤はJCBギフトカードを見せた。
娘への小遣いに商品券送る親。
愛原:「それじゃリサ、俺は事務所へ行くから」
リサ:「行ってらっしゃい。じゃあサイトー、行こう」
斉藤:「はーい!地獄の果ての果てまでも一緒に行きまーす!」
リサ:「そんなとこ行かないし、来なくていい」
斉藤:「ええーっ!」
[同日09:00.天候:晴 同地区内 愛原のマンション]
ちょうど約束の時間にインターホンが鳴る。
小島:「おはようございます!」
それは小島だった。
リサ:「おはよう、コジマ。入って」
小島:「お邪魔しまーす」
斉藤:「おはよう。体の具合はいいみたいね?」
小島:「リサさんのおかげでね。でもまた最近、お腹の調子が悪いの。また少し血が混じったりして……」
小島は潰瘍性大腸炎の持病を持っている。
緩解することなく、下痢や下血、そしてそれに伴う体重減少や貧血症に悩まされていた。
ガリガリに痩せていることで、イジメの対象にもなったことがある。
しかしリサが『捕食』したことで症状は治まり、あの愛原リサが目を付けたということで、イジメグループも自然に遠ざかっている。
リサに悪い意味で目を付けられると、後で怖い目を見るという噂はしっかり流れているようだ。
そしてその噂は真実である。
リサ:「そうか。でも、まだダメ。先に宿題やってから」
斉藤:「さすがリサさんね。お楽しみは後に取っておくタイプ?」
リサ:「そうかも」
リサ達はダイニングテーブルに座ると、そこに宿題で必要な物を並べた。
リサ:「でも、たまにその楽しみを横取りするヤツがいる」
小島:「その時はどう対処するの?」
リサは第一形態になり、口元から牙を覗かせて言った。
リサ:「食い殺す……!」
斉藤:「でも実際は?」
リサ:「半殺し」
斉藤:「先週、リサさんにケンカ売った秋葉さん達、数日間下痢で苦しんだらしいけど、多分それリサさんの技ね」
リサ:「私のウィルスに感染させた後、ウィルスを大腸で暴れさせた。それだけ」
小島:「怖っ!も、もしかして、私達も感染してるの?」
リサ:「うん。でも、安心して。私が意識しなきゃ、ずっと眠ったままだから」
斉藤:「つまりリサさんを怒らせたりすると……」
リサ:「しばらく下痢を楽しんでもらう。それとも、嘔吐の方がいい?」
小島:「お、お手柔らかに……」
因みに小島の症状が落ち着いているのは、やはりリサのウィルスの作用による。
3人は宿題に取り掛かった。
しかしその間、リサは2人の友人を食材を見るような目を向けていた。
表向きは進捗状況を見るフリをしながら。
いつも7時に目が覚めるリサ。
これは研究所にいた頃の名残である。
今回は変な夢を見る事はなかった。
リサ:「今日はサイトーとコジマが来る」
愛原:「分かってるよ」
リサは起きて自室を出ると、リビングにいる愛原に言った。
愛原:「俺達は事務所に行くから。早く顔洗って着替えてこい」
リサ:「はーい」
リサは洗面所に行った。
顔を洗って歯を磨く間、第一形態になってみる。
心なしか、爪がいつもより長く鋭くなったような気がする。
昨日、愛原の血中の老廃物と血液を少量摂取したことで、BOWとしての力が強化されたのかもしれない。
『1番』は本当に人間を捕食することで強くなっているようだが、リサの場合は人間を殺さずして強化しているのだ。
リサ:「フム……」
第0形態に戻れば、爪は短くなって丸くなる。
見た目は人間と何ら変わらない。
新型BOWエブリンは人間を捕食することはなく、体を維持する特殊な薬剤のみ必要とする。
必要あるわけではないが、普通の人間の食事を摂取することも可能。
新型の方がより人間に近づいたことで、より脅威さが増していると言える。
愛原:「着替え終わった?」
リサ:「うん」
白いTシャツと黒いスパッツから、グレーのパーカーにデニムのショートパンツに穿き替えている。
冬場だとタイツやレギンスを穿くだろうに、リサは生足のままである。
家にいる時はいいが、外に出る時は、本人は平気でも、周りの目があるので、もう1つ下に穿くよう言われている。
高橋:「できましたよー」
高橋はベーコンエッグを作って来た。
リサ:「おー!美味しそう!」
愛原:「典型的な朝食だよな」
今朝はトーストにカップのコンソメスープと、洋定食である。
リサ:「お昼はどうする?」
愛原:「そうだなぁ……。事務作業の内容によっては、午後まで掛かるかもしれない。一応、自分で用意できるようにしといてくれる?」
リサ:「分かった」
愛原:「約束の小遣いチャージするから、昼食代はそれでな?」
リサ:「了解」
[同日08:30.天候:晴 同地区内 東京都営地下鉄新宿線 菊川駅]
リサは事務所に向かう愛原に付いて行った。
高橋は先に事務所に向かい、愛原は駅まで向かった。
〔ピピッ♪ チャージが完了しました〕
愛原:「これでよし」
リサは自動券売機でPasmoにチャージしてもらった。
リサ:「沢山ありがとう!」
愛原:「霧生市でも頑張ってくれたから、その分も上乗せしといたよ」
平日なら朝ラッシュ真っ只中で、多くの通勤・通学客の靴音が響く駅構内だが、日曜日の今日は半分以下の人出だ。
愛原:「じゃあ俺は事務所に行くから。お前も遊び過ぎるなよ」
リサ:「うん。最初は皆で宿題やってからにする」
愛原:「そうか。まあ、それなら……」
駅のエスカレーターは途中まで。
そこから地上へは階段を登る。
リサはホイホイと先に昇るが、愛原は後から付いてくる。
斉藤絵恋:「あら?リサさん」
地上に出ると、ちょうど斉藤絵恋と遭遇した。
リサ:「サイトー、どうした?まだ約束の9時じゃない」
斉藤:「リサさんこそ、どちらに?……あ、愛原先生、おはようございます」
愛原:「おはよう。斉藤さん、早いね」
斉藤:「リサさんと早く会いたくて……。文明の利器(という名のGPS)でリサさんを追ったら、ここだったのでぇ……」
リサ:「おい、犯罪者!ストーカー!」
斉藤:「も、萌えぇぇぇっ!もっと褒めてぇぇぇっ!」
斉藤、リサの言葉攻めに悶絶する。
愛原:「おいおい。駅前で何やってるんだ?」
斉藤:「それでリサさん達はどうして駅に?」
リサ:「先生からお小遣いもらってた」
リサは自分のPasmoを斉藤に見せた。
斉藤:「そうなの!奇遇ねぇ。私もお父さんから、お小遣いもらった所よ?」
斉藤はJCBギフトカードを見せた。
娘への小遣いに商品券送る親。
愛原:「それじゃリサ、俺は事務所へ行くから」
リサ:「行ってらっしゃい。じゃあサイトー、行こう」
斉藤:「はーい!地獄の果ての果てまでも一緒に行きまーす!」
リサ:「そんなとこ行かないし、来なくていい」
斉藤:「ええーっ!」
[同日09:00.天候:晴 同地区内 愛原のマンション]
ちょうど約束の時間にインターホンが鳴る。
小島:「おはようございます!」
それは小島だった。
リサ:「おはよう、コジマ。入って」
小島:「お邪魔しまーす」
斉藤:「おはよう。体の具合はいいみたいね?」
小島:「リサさんのおかげでね。でもまた最近、お腹の調子が悪いの。また少し血が混じったりして……」
小島は潰瘍性大腸炎の持病を持っている。
緩解することなく、下痢や下血、そしてそれに伴う体重減少や貧血症に悩まされていた。
ガリガリに痩せていることで、イジメの対象にもなったことがある。
しかしリサが『捕食』したことで症状は治まり、あの愛原リサが目を付けたということで、イジメグループも自然に遠ざかっている。
リサに悪い意味で目を付けられると、後で怖い目を見るという噂はしっかり流れているようだ。
そしてその噂は真実である。
リサ:「そうか。でも、まだダメ。先に宿題やってから」
斉藤:「さすがリサさんね。お楽しみは後に取っておくタイプ?」
リサ:「そうかも」
リサ達はダイニングテーブルに座ると、そこに宿題で必要な物を並べた。
リサ:「でも、たまにその楽しみを横取りするヤツがいる」
小島:「その時はどう対処するの?」
リサは第一形態になり、口元から牙を覗かせて言った。
リサ:「食い殺す……!」
斉藤:「でも実際は?」
リサ:「半殺し」
斉藤:「先週、リサさんにケンカ売った秋葉さん達、数日間下痢で苦しんだらしいけど、多分それリサさんの技ね」
リサ:「私のウィルスに感染させた後、ウィルスを大腸で暴れさせた。それだけ」
小島:「怖っ!も、もしかして、私達も感染してるの?」
リサ:「うん。でも、安心して。私が意識しなきゃ、ずっと眠ったままだから」
斉藤:「つまりリサさんを怒らせたりすると……」
リサ:「しばらく下痢を楽しんでもらう。それとも、嘔吐の方がいい?」
小島:「お、お手柔らかに……」
因みに小島の症状が落ち着いているのは、やはりリサのウィルスの作用による。
3人は宿題に取り掛かった。
しかしその間、リサは2人の友人を食材を見るような目を向けていた。
表向きは進捗状況を見るフリをしながら。