中小企業診断士 地域活性化伝道師のブログ

地域活性化を目指すプロフェッショナル人材をリンクさせイノベーションを目指す中小企業診断士、地域活性化伝道師です。 

「収益力」を「労働生産性」と「価格転嫁力」でみる!

2014年06月08日 05時23分49秒 | 中小企業白書(2014年版)を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2014年版)52ページ「第1-1-44図 価格転嫁力指標上昇率の規模間格差(中小製造業-大企業製造業)」をみましたが、今日は53ページ「第1-1-45図 収益力と価格転嫁力、実質労働生産性の関係」をみます。

白書は、一人当たり名目付加価値額(収益力)の変化を価格転嫁力指標の変化と実質労働生産性の変化に分解することで、実際に中小製造業の価格転嫁力の低下が、どの程度、中小製造業の収益を圧迫しているかを見ることができる、とあります。

そこで、中小製造業について見てみると、1970年代後半から80年代まで、実質労働生産性の高い伸びにけん引され、年率4~5%で推移していた中小製造業の一人当たり名目付加価値額の伸びは、90年代に入ると大きく縮小し、90年代後半以降から2010年度以降に至るまで、ゼロ近傍で低迷を続けていることが分かります。

白書はこの状況について、70年代から80年代にかけて実質労働生産性を上昇させる中で、価格転嫁力の低下を最小限に抑えてきた中小製造業は、90年代半ば以降、価格転嫁力の大幅な低下によって、実質労働生産性の向上が収益力の改善に結びつかない状況に陥っている、とあります。

企業を分析する指標はいくつもありますが、「収益力」を「労働生産性」と「価格転嫁力」でみる視点はこれまでにないと思うので、非常に興味深いですね!

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