Living with a season! ~季節のある暮らし Vol.1~

福岡県で、料理&テーブルコーディネートの教室「Coordinare」を主宰するLEAFが綴る、暮らしを楽しむコツ。

金継ぎ工芸

2006-12-20 00:15:17 | 日々のこと
この1週間は「金継ぎ工芸」の展覧会がありました。
実は私、1年半程前から、「金継ぎ教室」に入門しました。

金継ぎというのは、日本古来の伝統工芸の一つで、発祥は室町時代だそうです。
陶磁器をはじめモノは、いつの日か割れたり欠けたりしがちです。しかし、それでも愛着を持ち、元の形や風情を残したいと考案されたのが「金継ぎ」です。欠けた部分に、漆と土らしき物を混ぜた、パテの様なモノで埋め、それを砥石で研いで、今度は漆を何回も塗り重ねては研ぎ、平らにします。平らになったら、金粉をまき、鯛の牙で、綺麗に光るまで研ぎます。
上級者になると、蒔絵を施したりします。(私は、あまり蒔絵には興味がないので、やったことはありません)

お家で食器を扱うお教室をしていると、どんなに細心の注意を払っていても、少し食器がチップしてしまう(欠ける)事が多々あります
一度チップしてしまったものを、家族でならともかく、お客様にそのままお出しするわけにもいかないので、自分でチョコチョコっと金継ぎできたら便利だよね~、
と軽い気持ちで入門しました。
しかも、結構専門の方にお願いすると、結構いいお値段するんですよね
骨董品ならともかく、現代モノだったり、元のお値段は安いけど、気に入ってるものだったりすると、修理の方が高いと、なんだか切なくなってしまいます。
(心が狭い私・・・)
なので、「チョコチョコ修理」を目指して、入門しました。

が・・・、結構、「金継ぎ」って、大変だったんです
まず、漆という、大変危険なモノを使うので、常に細心の注意が必要であるということ。皮膚が弱いと、気をつけないと、かぶれてしまうのです
なので、私は、どんな季節でも、完全防備。
汚れてもいい長袖シャツ+エプロン+袖カバー+使い捨ての医療用手袋。
「そこまでしなくても・・・」という先生の言葉も無視して、しっかり防備しております。
2点目は、時間がかかる(かかりすぎる)こと。
漆は、気候によって、乾く時間が違ってくるし、何度も何度も「塗っては、研ぐ」を繰り返さなければならないので、点のような傷でも、3ヶ月はかかってしまいます
元来、せっかちな私には、耐えられない・・・。

しかし、せっかく入門したからには、最低限の傷修理は一人でできるようになりたいので、渋々通っております。
一応、目標は、あと半年。
これまでに、あと数点がんばらねば

作品が出来たら、やっぱり嬉しいし、愛着もわくんだけど、そこまでの過程が、本当に気が遠くなってしまいます。

でも、変に気ぜわしい現代社会において、日本古来のスローペースなモノは、もしかしたら必要なのかもしれません。
例えば、「茶道」「書道」「華道」なども、静寂な中、精神を集中して、何かに没頭し、その中で感じる、心の静寂。
「精神統一の場」とまで行きませんが、少しでも欠けている「集中力」を養うつもりで、がんばって続けてみようと思ってます。

 *ちなみに、この写真のお皿は、左上部分を「チョン」と金継ぎしております。
  とっても、分かりづらいんですけどね・・・


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (goma)
2006-12-21 00:25:15
LEAFちゃん、金継ぎ工芸展覧会お疲れさま着々と上達なさっておりますな漆にかぶれないよう気をつけて
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Unknown (あな。)
2006-12-21 08:43:28
こういう、日本人の物を大切にする文化が素敵だよね。
西麻布の「ラビラント」のお皿もきれいに金継ぎされていて、ずっと同じお皿を大切にしてるんだなぁって思ったよ。
素敵だねぇ。
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Unknown (LEAF→gomaさん)
2006-12-22 00:11:07
ありがとう!ぶつぶつ言いながら、地味に通ってます。とりあえず、あと半年、がんばります
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Unknown (LEAF→あなさん)
2006-12-22 00:14:35
そうそう、やっぱり「日本人の心意気」って、粋だなぁ、と思います
ラビラント、素敵なレストランだよね。
一度しか伺った事がないけど、大満足でした
金継ぎの食器を使っているのは知らなかったけど、そういう「好きなモノを大切に使い続ける」お店の方針って、素敵だね。
また行きたくなりました
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