ノルマ

　世間一般では、それを「ノルマ」と言い、内部では「目標」と言い換える。

　どういった組織にも「ノルマ」は存在する。

　もっとも「ノルマ」はロシア語に由来し、和訳すると「目標」になるのだが

　ノルマと言う表現は、「一定期間に、こなさないなければならない数値」という意味にとらえられ

　あまりいいイメージではない。

　一般企業はもちろん、銀行や郵便局、農協にもある。

　税務署だってある。

　税務署と言う組織は、半分以上が「税務調査官」だ。

　調査官は納税者が正しく申告されているかを調査する。

　しかし、たまに納めすぎがあってもよほどのことがない限り言わない。

　要するに、納め過ぎばかり調べるより、納め漏れを専ら調べるのだ。

　「いくら納め漏れを見つけたか」が、その人間の評価に直結する。

　そして「うっかり間違えた」ケースより「意図して少なくした」ケースを見つけるとポイントが高い。

　こうしたことを、現役の調査官に指摘すると「そんなことはない」と言うのだが

　かつて調査官をしていた税理士に聞くと「概ねその通り」なのだ。