四大バカ

　新幹線か飛行機か。

　東京へ行くのに、どちらにするかを迷う分岐点が広島だという。

　私が高校生の頃は、まだ岡山までしか開通しておらず、修学旅行は岡山まで在来線で移動し、岡山から新幹線で移動した。

　その新幹線が、開業５０周年を迎えた。

　しかしその建設が決定した昭和30年代当時、新幹線は「世界四バカ」になるのではないか、という意見が一定の支持を得ていたという。

　それまでの三大バカ、「エジプトのピラミッド」「中国の万里の長城」「日本の戦艦大和」に加えて「四番目のバカ」になるのではないかと言うことだ。

　新幹線もまた、金と労力ばかり必要で、大きな図体をしながら役に立たないのではないかと見られていたというのだ。

　昭和30年代、航空機や自動車の発展が予測され、最高速度が低く小回りもきかない鉄道は「過去の文明の遺物」という見方が世界中で広がっており、鉄道の高速化は時代錯誤、金を使うなら航空機などに使え、という意見に説得力があった。

　現実はどうだろう。

　乗客も大変多く、国土交通省のデータによると、新幹線の2010年度における1日平均輸送人員は88万8882人。

　またJR東海のデータによると、東京～大阪間において新幹線は1日約32万人を運ぶことができるが、航空機は約3万人。

　また「新幹線」は日本の高い技術力を象徴する存在として世界から認知され、2007年にはその技術を使った高速鉄道が台湾に登場。

　アメリカやインドなど、海外へのさらなる展開が考えられている。