営業電話

　営業がらみの電話は、恐らく大半がマニュアルに基づいて掛けて来るものと思われる。

　営業の電話にホイホイ乗る奴は、余程のバカだ。

　通常は、電話に出てきたとしても、だいたい及び腰か拒否の答えになる。

　それを想定したうえで、営業のマニュアルは、ああ言えばこう言うという具合に

　「想定問答集」があるのだろう。

　だから、マニュアルにないような答え方をするとよい。

　「ホームページが上位に出て来るようにします」

　「うちね、形だけホームページ作っているけど、できるだけ目立たないようにしてるんだよね」

　「・・・・・・」

　「集客のお手伝いをさせてください」

　「頼むから、これ以上お客さんを増やさないでくれる?」

　「・・・・・・」

　「都心のタワーマンションに投資しませんか」

　「もう買っちゃったんだよね」

　「・・・・・・」

　「電話料金を安くします」

　「今、パソコンでググったら、おたく最悪の評判じゃない」

　「・・・・・・」

　「複合機を格安でリースできます」

　「うちね、お客様に事務機屋さんがいて鞍替えできないの」

　「・・・・・・」

　「とてつもなくいい女を紹介しますけど」

　「是非、ご紹介してくださいますよう、お願いたてまつりあげそうろう」