危険運転

　普段、おとなしい人でも、ハンドルを握ると人が変わるという。

　心理学的に、そうした現象は証明がつくらしい。

　ハンドルを握ると、気が大きくなる。

　車というものを支配し、意のままに動かす支配者のような気分になり

　「自分は偉い」と思うのだ。

　自転車や歩行者は、さしづめ奴隷か何かのように感じるのだろう。

　そうした事件や事故が増えている。

　煽り運転のせいで、ドライブレコーダーが爆発的に売れているらしい。

　私は人格者として名高いので、ハンドルを握っても人格が変わることはない。

　追い越し車線をトロトロ走っている車に会うと

　せいぜい、クラクションを５、６回やさしく鳴らし

　「トロトロ走るな、このクソが」と、やんわり注意する程度だ。



　※　広島弁で「トロトロ走るな、このクソが」とは

　　　「ゆっくり走ると、かえって危ないですよ、あなた」という意味。