桒田三秀税理士

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税務署に顔が効く税理士

2010-02-07 10:37:52 | 税と会計
 「税務署に顔が効く税理士」がいるらしい。多くの場合顔が効くとされるのは、国税OBの税理士で、顔が効くとは調査などでかなり税金が取られそうになったのを、OBとしての顔を最大限生かして「半分にまけてくれた」ということを指す。こういうが実際にあるものだと信じる人は現実にいる。

 少し考えてみたら分かることだ。人間関係には「もちつ、もたれつ」はあっても「もちつ、もちつ」や「もたれつ、もたれつ」はあり得ない。万一、国税OBの顔で後輩の調査官に「俺の顔を立ててくれ」ということがあるとしたら、その逆もあるはずだ。すなわち税務署に売られる顧客もなければ、調査官は一方的に元上司のいいなりになることになり、バランスが取れない。また、現役の時にいじめられた上司が税理士として当たると、いいなりになるとは到底思えない。調査官も人間だから口にこそ出さないものの「昔の恨みで、絶対こいつから取ってやる」と逆に闘志を燃やされるのは想像に難くない。
  
 だいたい適正に業務を遂行している会社にとっては、税務調査がそれほど経営において重要な位置を占めているわけではない。それより税理士には、経営に関するあらゆることを色々な角度からアドバイスしてくれることが望まれているはずだ。やたらと税務調査のことを話題にしたがる税理士は、それしか顧客を引き付ける話題がないのかも知れない。

 それでも「ウチの先生の顔で調査がうまくいった」という会社は現実にある。それはある意味、税理士がうまい。ずるいようだが、自分の顔で税金が安くなったと思わせるのもテクニックのうちで、許される範囲だろう。
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