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漫画、それは日本の誇り

 この10月の末、神田の古本祭りへ行ってきました。靖国通りに面した歩道いっぱいにワゴンが出て、100万冊の大バーゲンです。

 本というのは衝動買いするのに最もふさわしくないものだと思うのです。しかし、気が付くと両手にいっぱいビニール袋を抱えていました。手のひらが真っ赤、みみず腫れのようになっています。宅急便屋さんも何軒か屋台を構えていましたけれど、せっかく安く買ったのに送料かけたらもったいない、とばかり気張って持って帰りました。まったく、貧乏性なのです。

 神田のあたりの古書店の特徴は専門化していることです。洋書だと北沢書店だとか、SFマガジンのバックナンバーは英山堂書店だったかなー。お気に入りのひとつが明倫館です、自然科学系の学術書を専門に扱っています。

 真空管が半導体に取って代わられる現場を目撃していた私は、よし、今のうちに真空管関係の書籍を集めておこう、と考えたのです。これが明倫館に通い始めた理由です。1980年代、戦前の真空管関係の本が二束三文で売られていました。

 そこでどさっと買っておけばよかったのですが、時間をかけてじっくり集めよう、どうせどんどん安くなるさ、と思ったのが間違いの元。まもなくバブル時代に突入、あっという間に価格は10倍に跳ね上がりました。それでも買いましたよ、もっともっと上がるぜ、とみんなが思ってた時代ですから。結果はご推察の通り、あぁあ、、、、

 米国のベンチャー企業で図書室を廃止したところがあるそうです。技術は毎日新しくなっていきます。去年の理論など、一年たつと正反対のことが言われていることがよくあり、書籍になった情報など古くて使い物にならないと言うことでしよう。図書室にあった本をキャンティーンに並べ、社員に自由に持っていってもらおうとしたが、誰も持っていかなかったという笑い話もあります。

 こんな時代に科学技術本を収集しようと考えるたのがそもそも間違いだったのですね。藤子不二雄のお化けのQ太郎でも集めていれば、今ごろは左うちわだったなー。

 両手に山のような本を抱えて、神保町の裏通りにある小料理屋「やまじょう」へ。戦利品とビールとおいしい料理で、思考放棄、幸せな気分になりました。

 
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