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日高川町江川川 大規模災害復旧が全区間完了 すでに過去の災害時雨量に効果発揮 〈2021年2月26日〉

2021年02月26日 08時30分00秒 | 記事


最終区間のJR高架下付近も改良し、約57億円を投じた河道拡幅など全区間で改良復旧が完了する江川川


 平成27年7月の台風災害時など氾らんを繰り返してきた日高川町の江川川で、平成27年度から総事業費約57億円を投じて進められてきた大規模な災害復旧工事は、交付金対応で実施した最終区間のJR高架下(和佐)が完了し、全区間で改良復旧が終わる。同区間を除く上流部は令和元年夏までに完了しており、約300ミリの降水量を記録した同年の台風10号でも氾濫はなく、過去に護岸決壊で甚大な被害を出した降水量にも対応可能な流下能力で効果を発揮している。

 江川地区から和佐地区を流れる日高川支流の江川川は、平成23年の紀伊半島大水害はじめ平成18年の7月豪雨、直近では平成27年7月にかけて流域で約500ミリを記録して数カ所で護岸が決壊。農地の冠水(40ヘクタール)や床下浸水11戸の大きな被害が出るなど、豪雨のたびに度重なる被害に悩まされ続けてきた。
 地元の改修推進協議会が改良復旧を県や国に積極的に働きかけた結果、要求に沿った形で国の災害復旧助成事業に採択。災害での復旧だけでなく、再発防止に向けた改良(34・5億円)を含め、総事業費57億1700万円を投じ、河道拡幅や掘削など復旧に改良を加える形で流下能力の向上を図ってきた。
 平成27年度から国の助成事業を受けて着手した災害復旧改良計画は、河口部(和佐地内)の日高川合流地点から上流へ約4・9キロ区間で築堤工や護岸工、掘削工、4つの橋(今井田橋、重家橋、備後橋、高橋)の掛け替え工事などを実施。河道拡幅と掘削で片側の堤防を拡幅する形で流下能力の向上を図ったほか、蛇行が激しい下流の2区間では、蛇行部分をバイパスのような形でショートカットして線形を是正する改良も行い、新たに1カ所へ新橋を架設した。このほか、日高川町が丹生中西側の集落排水処理場近くに架かる町道小桑越内線の越内橋を掛け替えた。
 令和元年夏前には大半の復旧改良工事が完了。すでに平成27年の災害時と同規模の降水量でも氾濫を防ぐなど、大幅に流下能力を向上させて効果を発揮している。その後も残区間の工事が順次進められ、交付金対応で最終区間となった和佐のJR高架下に隣接する工事区間も昨年秋から本格的に整備が進められてきた。


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