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地域全体で日高川流域治水推進 〈2020年2月19日〉

2021年02月19日 08時30分00秒 | 記事


WEB会議に参加した三浦御坊市長


 県は17日、日高地域等における大規模氾濫減災協議会(WEB会議)を開き、日高川流域の関係者が連携して流域全体で水災害を軽減させる治水対策の全体像をまとめた「日高川流域治水プロジェクト」の中間報告を行い、市町長や関係機関代表の意見を聞いた。必要に応じて修正し、今年の出水期までに策定する。策定後、流域住民や企業に分かりやすく公表し、ハード・ソフト対策が一体となった流域治水を推進する。

 全国各地で甚大な水災害が発生。日高地方でも昭和28年7月の7・18水害、平成23年9月の紀伊半島大水害で甚大な被害があり、河川対策だけでなく、流域に関係するあらゆる分野の関係者が協働し、流域全体で「流域治水」を計画的に推進するためのプロジェクトを策定する。国管理の県内一級河川は策定済みで、県管理の二級河川は日本一長い日高川が先行して取り組んでいる。
 昨年10月の協議会で素案を示し、関係市町に課題を聞き取り、具体的な取り組みを盛り込んだ中間報告案をまとめた。柱は3つあり(1)氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策では集水域対策で霞堤の保存、ため池の改修・事前放流・低水位管理、間伐等の森林整備。河川区域対策で日高川や支川の治水対策、砂防堰堤、渓流保全、山腹工、渓間工。ほかに椿山ダムの事前放流、農業用樋門の運用、粘り強い堤防をめざした堤防強化などがある。
 (2)被害対象を減少させるための対策では二線堤の保護、不動産取引時の水害リスク情報提供(宅建業法改正で水害リスク情報の重要事項説明が義務化)農振地域の農転の監視。(3)被害の軽減・早期復旧・復興では県管理河川の全ての区間で浸水想定図を検討中、避難場所の安全レベル設定、防災ナビアプリの普及啓発、水位計・監視カメラの設置、タイムラインの作成、企業向けBCR策定ワークショップ開催、排水門等整備等-などを挙げた。
 流域市町の取り組みとして(1)ため池管理者に点検、事前放流・低水位管理の依頼(2)民間事業者による土砂堆積箇所の砂利採取(3)支川の水位を低下させるため大規模出水期前に農業用樋門を操作(4)市町独自の水位計、河川監視カメラ設置(5)可動式ポンプの配備(6)農振地域の農転の監視強化-のほか、たんぼ・ため池の治水利用、氾濫域での被害想定に対する土地利用規制を盛り込んだ。
 それぞれの取り組み事例として県は日高川町若野や和佐の日高川堤防整備、美浜町の西川護岸改修、日高川町伊佐の川流域の砂防堰堤整備・改良、御坊市は下川改修や可動式ポンプ配備、日高町は独自の水位計・監視カメラ設置、美浜町は大規模出水期前の農業用樋門操作、日高川町はため池管理者への点検・事前放流・低水位管理の依頼を報告した。

印南川、南部川追加
来年3月までに策定
 会議では、新たに追加した切目川、南部川の流域治水プロジェクト素案を示した。
 基本的には日高川流域と同様の内容で、令和3年度中に印南、みなべ両町の課題などをヒアリングし、4年3月までに策定する。その他の水系も順次、流域治水に取り組む。


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