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美浜町西川河川改修事業に県補正予算10億円、早期完成へ前進 〈2018年2月23日〉

2018年02月23日 08時30分00秒 | 記事

大川橋から上流に向かって着工した改修事業


 県は、2月定例議会に提案した平成29年度一般会計補正予算で美浜町の西川河川改修事業に10億5000万円を計上した。28年3月に策定した日高川水系河川整備計画に基づき、同水系で規模や被害の大きい西川の堤防整備や河道掘削などを行う事業で昨年秋に着工。29年度当初予算1億500万円に対して10倍もの補正予算が付くのは異例のことで、早期完成へ大きく前進した。国や県に要望活動を続けてきた地元の美浜町は「熱意が伝わってうれしい」と喜び、一日も早い完成に期待を寄せている。

 整備計画は、おおむね20年間をメドに実施する日高川、支川の事業メニューを明記。支川は西川や下川、斉川、堂閉川、江川が対象で、すでに国の災害復旧工事が進められている江川を除く支川の中から規模や被害の大きい西川から事業着手した。平成18年9月の既往最大洪水に耐えられるように延長4・8キロ区間で堤防整備、河道掘削、護岸工、東裏川合流部対策(千貫樋門改築)を実施する計画で総事業費は数十億円。
 これらの事業を行うことで西川の水位が1・3メートル下がり、西川流域での浸水被害が大きく軽減するだけでなく、シミュレーションでは「東裏川の洪水時の水位が2・7メートルから2・1メートルに下がり、床上浸水被害は発生しない効果がある」としている。これを実現するため、まず流下能力が足りていない大川橋~東裏川合流点の2キロについて両岸の矢板護岸工、河床掘削を行うことを決め、29年度当初予算に1億500万円を計上し、昨年秋に大川橋下の左岸側から着工した。
 今回、政府補正予算で二階俊博自民党幹事長のバックアップを受け、河川改修の防災安全緊急対策交付金12億2500万円が県に配分され、これを活用して県が一気に10億5000万円の補正予算を付けた。当初予算の10倍もの補正予算が付くのは異例のことで、補正予算を付けた県内河川改修事業の中でも断トツに多い額。県当局は「東裏川合流点までの整備を今後おおむね十数年程度で実施したい」としており、30年度当初予算でも2億1000万円を計上している。
 地元の美浜町は森下誠史町長を先頭に議会、西川河川改修事業推進協議会、美浜建設業組合などが一体となり、二階幹事長、仁坂吉伸知事をはじめ国交省などに要望活動を続け、毎年河川美化活動も行うなど早期完成をアピール。昨年秋には着工を祝う会を催し、出席した二階幹事長が整備計画について「20年かけるというのは話にならない。思いっきり急いでやろう。東京でやることは私が責任を持つ」と予算確保を約束。
 これらの成果が今回の補正予算につながったと言え、森下町長は「我々の熱意が伝わり、本当にうれしい。二階幹事長、仁坂知事をはじめ関係者の方々に感謝したい。一刻でも早く、一日でも早く完成するよう今後も町を挙げて取り組みたい」と喜び、二階幹事長も「今回、多額の予算が割り当てられて本格的にスタートすることは非常に喜ばしい限り。西川整備は美浜町だけでなく、御坊市や日高町などでの浸水被害解消に重要であり、一日も早い完成に向け、ともに努力しよう」とコメントした。


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