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7・18水害被災写真をパネルにした水位標新設 〈2023年12月24日〉

2023年12月25日 08時30分00秒 | 記事


新たにつくった水位標と移設の石碑
(左から西川部長、酒本会長)


 御坊市は、新庁舎竣工に伴い、市議会棟と市福祉センター間の駐車場一角に設置していた昭和28年「7・18水害」(紀州大水害)の石碑を新庁舎西側の国道歩道沿いに移設したのにあわせ、災害の記録を分かりやすく後世に残そうと、商店街の被災写真2枚をパネルにしてはめ込んだ新しい水位標(浸水高124センチ)を製作。このほど完成、設置を終え、22日に自主防災関係者にお披露目した。

 7・18水害では紀伊半島で10日間雨量が700ミリを超す大雨となり、県内で1千人を超える死者・行方不明者が出る県史上最悪の大災害となった。御坊市内でも日高川が氾濫し、市街地の広い範囲で浸水し、旧御坊町では浸水深が2メートルに達し、野口は壊滅状態となるなど死者・行方不明者約220人に達する大きな被害を出した。
 この大水害の記憶を後世に残そうと、被災5周年を迎えた昭和33年に石碑と水位標が設置され、碑文には当時の菅原清六市長名で「逆巻くような濁流が一瞬にして数百の民家を倒壊流出させた。六百余り町の耕地もたちまち荒地となり、その惨状は見る者の目をおおわせた」など当時の状況やその後の復興の歩みが記されている。
 これまでの設置場所は新庁舎駐車場として整備されることから新庁舎正面玄関(南側)西の国道歩道沿いに設けた植樹帯に移設することにした。石碑は読みにくくなっていた碑文を筆入して補修した上で先に移設を終えており、水位標は新しく作り直していた。水位標は高さ1・5メートルあり、浸水高124センチのラインを表示し、当時の中町、本町商店街が浸水した様子が分かる被災写真2枚と、碑文を読みやすくしたものをパネルにしてはめ込んだ。
 西川宏洋・市民福祉部長は「先人たちが残した災害の記録や苦労して成し遂げた復興のまちづくりの教訓を未来に伝えることは私たちの使命。自然に対する警戒心を忘れず、災害への備えを啓発していきたい」、酒本和彦・市自主防災組織連絡協議会長は「劣化していた石碑、水位標がリニューアルされ、私たちも大変喜んでいます。先人たちの苦労と努力を尊び、犠牲者ゼロをめざし、今後も一人ひとりが災害をイメージし、準備・確認を行い、訓練していくことを啓発していきたい」と話した。


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