老朽化で今後の対応に苦慮している野口橋
御坊市は、懸案の老朽インフラのひとつ日高川に架かる野口橋(延長351・8メートル)を廃止するか、修繕して当面維持するかの方針を決めるための参考とする利用実態調査を22日から始める。昭和34年完成から64年が経過し、過去2回の定期点検でも早期に対策が必要とされるが、10億円以上かかる耐震補強や架け替えは困難なため、廃止撤去を視野に検討しており、利用実態調査結果を見た上で来年度中に廃止か、当面維持かの方針を出す考え。
野口橋は、御坊大橋(延長480メートル)に次いで市道で2番目に長い橋。もともとは県道として昭和34年に県が建設し、昭和44年に歩道を増設。その後、野口新橋完成に伴い、平成15年に県道から市道に移管。平成10年に約1億円かけて塗装塗り替えなど修繕を行っているが、それ以外の大規模改修は行われておらず、老朽化が進んでいる。
日高川に架かる御坊大橋や県道の野口新橋、国道の天田橋は耐震補強工事を終えているが、野口橋は耐震調査も未実施。国が義務付けた5年に1回の橋りょう定期点検でも過去2回とも「支障が出る可能性があり、早期に何からの対策が必要」とされる早期措置段階の結果が出ており、老朽化による落橋事故が懸念されるほか、藤井側での車両進入待機による交通障害、橋脚による水の流れの阻害といった問題もある。
今後の対策としては「架け替え」「耐震補強を含む大規模改修」「塗装塗り替えなど修繕(車両通行止めなど通行規制も含む)」「廃止して撤去」が考えられるが、架け替えは20億円程度、耐震補強を含む大規模改修は12億円以上の予算が必要なため、市単独で行うのは現状困難。残るは塗装塗り替えなど修繕を行った上で当面維持するか、廃止して撤去するか。修繕でも1億円以上、撤去は6億円程度必要だという。
最近の交通量調査では一日約740台の自動車・自動二輪車、約90人の自転車・歩行者が利用しており、市都市建設課は「まずは橋を維持するのか、廃止するのかを考えたい」とし、22日から1月31日まで利用実態調査を実施する。対象は地元の野口、藤田町藤井・吉田の全世帯1264世帯と、市内外問わず日ごろ橋を利用している人。
野口、藤井、吉田は「広報ごぼう」にあわせてアンケート用紙を配布。他の利用者はインターネットのロゴフォーム(市の公式ホームページから利用できる)を使って行う。アンケート内容は共通で橋の利用頻度や利用する手段、利用する方向、利用の目的、今後の対応を聞く。この結果を参考に来年度中に廃止か、維持かの方針を打ち出す。
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