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御坊市自主防災連が7・18水害犠牲者70回忌追悼会 〈2022年7月20日〉

2022年07月20日 08時30分00秒 | 記事


源行寺慰霊塔前で追悼の言葉を述べる三浦市長


 昭和28年7月18日に発生した紀州大水害で死者・行方不明者約220人に達する甚大な被害を出した御坊市で18日、市自主防災組織連絡協議会(酒本和彦会長)主催の「7・18水害犠牲者70回忌追悼会」が薗の源行寺、薗会館、野口の安楽寺で執り行われ、同会や市、地元関係者らが、記憶と教訓を風化させることなく後世に継承し、犠牲者ゼロの災害に強いまちづくりにまい進することを誓った。

 昭和28年7月18日、活発な梅雨前線の影響で紀伊半島で10日間雨量700ミリを超す大雨となる紀州大水害が発生し、県内で1千人を超える死者・行方不明者が出る県史上最悪の大災害となった。御坊市内でも日高川が氾濫し、広い範囲で浸水し、旧御坊町では浸水深が2メートルに達し、野口は壊滅状態となるなど死者・行方不明者約220人に達する大きな被害を出した。
 午前中、犠牲者28人の名が刻まれている源行寺の慰霊塔前で行われた追悼会には三浦源吾市長、中井寛日高振興局長、二階俊樹代議士秘書をはじめ酒本会長ら協議会関係者、地元住民ら30人が参列。三浦市長が「災害の記憶と教訓を風化させず、次代に継承し、災害に強く一人の犠牲者も出さないまちづくりにまい進していきたい」、中井局長が「犠牲者の方々を思い、記憶を風化させないことが今を生きる私達の使命」と追悼の言葉を述べたあと、湯川憲治住職が読経する中、参列者が焼香し、犠牲者の冥福を祈った。
 湯川住職は、父から聞いた話として水害当日は平屋本堂の屋根裏部屋に家族や近くの住民が避難したことなど紹介し「私の代になって40年、このような追悼会が開かれたのは初めて。感無量です。二度と犠牲者を出さないよう努めなければならない」と話し、最後に酒本会長が「水害を知り、語り継ぎ、命を守る。先人の方々の教訓を忘れず、三浦市長とともに安心、安全なまちづくりに努めたい」とあいさつした。
 続いて薗会館で地元の裏千家、木村宗優=木村波優美さん=社中による追悼茶会、市防災対策課による防災講座が行われた。講座には地元住民80人が参加し「過去の災害、教訓に学ぶために」をテーマに7・18水害、平成23年紀伊半島大水害の状況など説明を聞き、市担当者が「『難』を『避』けたら助かる。一人の犠牲者も出さないよう『避難』の意識を家庭、地域で広げて下さい」と訴えた。午後は犠牲者35人の名が刻まれている安楽寺の慰霊塔前で追悼会を行い、伊藤明子住職が読経する中、参列者が焼香した。


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