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御坊市介護保険事業進展率5割、6期計画一定の成果 〈2017年7月9日〉

2017年07月10日 08時30分00秒 | 記事

地域デイケアサロンは30カ所達成(写真はあやめサロン)


 御坊市が第6期(平成27年度~29年度)介護保健事業計画・老人福祉計画の総括をまとめた。団塊世代が75歳になる2025年に向け、各種分野で81項目の施策を挙げ、実施済みと取組中をあわせた進展率は50.6%。「努める」や「めざす」という努力目標の表現を使わず「実施する」と明言することで「本気で取り組む」決意を示した計画として注目されていた。認知症支援では全国先進地として高く評価されるなど「一定の成果を残せた」とし、積み残しの課題は精査して次期計画に引き継ぐ。

 計画は▽人生100歳時代をめざし「健やかさと生きがい」を持って暮らせる▽介護が必要になっても、住みなれた「なじみ」の地域で暮らし続けられる▽いつでも、どこでも、だれもが「支え手」となれる意識づくりをめざす-など5つを基本理念に(1)医療と介護の連携(2)認知症支援(3)地域の力育成(4)介護予防支援(5)ケアの連続性(6)介護給付費の適正化(7)虐待の早期発見と予防(8)日常生活圏域の最適化-を重点課題に81項目の施策を明記した。
 認知症支援では認知症サポーターの3872人養成(28年度末)や認知症初期集中支援チーム・地域支援推進員配置、認知症ケアパス作成、認知症徘徊手段別早期発見ネットワーク・連絡対応マニュアル、認知症家族交流会、認知症高齢者支援ネットワークなどを手がけ、特に認知症の人やその家族を行政、現場、地域が一体となって支援する取り組みは全国の先進地として高く評価されている。
 地域デイケアサロンは選挙の投票所と同じ30カ所を目標に取り組み、先月27日に30カ所目の「あやめサロン」(財部東)が発足。地域づくりでは市内5カ所の在宅介護支援センターの名称を法人名から地域名に変更し、地域の相談窓口としての役割を強化したほか、日常生活圏域事に地域福祉懇談会開催、専門職ボランティアの意識・仕組み・参加の場づくりなどに取り組んだ。
 介護予防では御坊版オリジナル介護予防体操を作成中で今年秋に発表するほか、今年度中に「いきいき100歳体操」の実施地域を選定。お元気度チェックは項目の修正など検討中で今年度中に導入。施設関係では小規模多機能型居宅介護施設が塩屋地区に整備され、低所得者対策でグループホーム家賃等軽減制度を県下で初めて導入-などの成果を残した。
 未達成の項目は日常生活圏域ごとの地域ケア会議開催や「ちょこっとボランティア」育成、介護支援ボランティアのポイント制導入、高齢者等の買い物支援・生活支援・見守り支援の育成・充実、団塊高齢者向けサロン立ち上げ、男性が参加しやすいサロン・ボランティアづくり、マイライフ・アセスメントシート作成、若年性認知症の人が集える場づくり、高齢者を地域で見守る仕組みづくり-などがある。
 田中孝典介護福祉課長は「多種多様な事業があり、できなかったところがあるにしろ、職員が一生懸命頑張ってくれたお陰で一定の成果を残せた。できなかったところは精査し、7期計画に引き継ぎたい」と話した。7期計画は今年度末に策定。課題として介護予防事業で経済事情に伴う健康格差を把握して地域診断に活用、認知症に伴う地域支援を各日常生活圏域で行う、地域の人が自然と集まれる場所づくりの支援などを挙げている。


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