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由良町議選12年ぶり無投票で決着 〈2015年2月19日〉

2015年02月19日 08時30分00秒 | 記事

花束を受けて喜ぶ中村氏と妻・真由美さん

母・貞代さんや支援者らとともに万歳で
初当選を喜ぶ中谷氏

万歳三唱で当選を祝う山田さん(左)


 26日の任期満了に伴う由良町議選(定数10)は、17日に告示し、立候補者が定数ちょうどの10人だけで午後5時の届け出締め切りを迎え、一日だけの選挙戦で無投票当選が決まった。神谷の中村真一氏(53)、大引の中谷茂生氏(58)、里の山田三枝子さん(58)の新人3人が初当選を飾り、現職では川出純氏(57)=共産=が最多の6選目を果たした。当選証書の付与は、23日午前10時から行われる。

第一に防災・災害対策
神谷の新人・中村氏

 神谷地内、中村真一氏の選挙事務所では「無投票や!」などの声があがり、花束の贈呈や乾杯などで当選を祝福。中村氏は「皆様の厚い支援のお陰。由良町、地域のために頑張っていきたい」と感謝を込めた。
 一日限りの選挙戦となったが、町内13カ所で街頭演説するなどくまなく街宣。抱負について第1に防災・減災対策を掲げ「被災などを踏まえた防災拠点のバックアップ機能の整備、けが人や病人ら災害弱者への対応を事前に備えておくことなど避難所運営や避難訓練の充実を進め、専門的な知識と経験を生かしたい」とし、人口減少抑止への定住対策や第1次産業の振興、青少年健全育成にも努めたい意向を示した。
 当選について「まだまだ、実感がわかない」としながら、今後の4年間について「多くの皆様の支援を胸に懸命に努めたい」と決意を述べた。

まず町民の声聞きたい
大引の新人・中谷氏

 出馬表明が最も遅い中での立候補となった大引の中谷茂生氏も喜びの初当選を飾った。無投票当選が決まると、親類の吉成小春ちゃん(10)から花束を受け取った中谷氏が、母・貞代さんや支援者らとともに万歳で初当選を喜んだ。
 一日だけの選挙運動となったが、町内5~6カ所で街頭演説。町人口減少問題を喫緊の課題に挙げ「国も地方創生に力を入れているが、努力しない自治体は助けてくれないことを知ってほしい。町を消滅させないために我々が動かないといけない。その戦力になりたい」と支援を訴えた。
 初当選に「大きな責任を感じており、身の引き締まる思い。まず自分に何が出来るかを探ってみたい。メールやLINEなどのSNSを活用し、町民みなさんの声を聞くことから始めたい。それを様々な活動の基にしたい」と抱負を語り、教育面では学力の向上、産業面では由良ブランドの開発や新規創造、販路拡大などの推進に取り組みたいとしている。

高齢・障害者福祉向上を
里の新人・山田さん

 午後5時に町内放送で無投票が決まると、里地内にある山田三枝子さん(58)の自宅兼選挙事務所に歓声が起こった。山田さんは支援者らと乾杯し、万歳三唱で初当選を祝った。
 山田さんは今回の選挙を振り返り「支援者の方がいてこその自分なので、本当にありがたいです。自分1人の力では何も出来ないので、感謝しています。支持してくださった方も、温かく見守っていただき『頑張れ』と応援してくれました。今回リベンジを果たせてよかったです」と喜びをかみしめた。
 山田さんは抱負について「高齢者や障害者の福祉に力を入れて取り組んで行きたい」と述べ、「高齢者が病院や買い物などで外出する際は送迎するなど、何か手だてを考えていきたいです。外に出れば気分も変わるはず。軽い障害者の方には就職先を誘致するよう進めていく」などと話した。