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美浜町長選折り返し がっぷり四つの接戦展開 〈2015年2月6日〉

2015年02月07日 08時30分00秒 | 記事

手を振って答える森下候補夫妻

あいさつする谷候補夫妻


 美浜町長選は5日、早くも折り返し点を迎えた。立候補している2期目を目指す森下誠史候補(59)=三尾=と新人で元町議会副議長の谷進介氏(56)=三尾=の両候補は5日朝、ともに夫婦そろって町内の交差点で辻立ちを行い、道行くドライバーらに手を振るなどして、あいさつを繰り返した。8日の投票日へ向けて、懸命に訴えを続けている両陣営の政策を見てみる。

初心忘れず現場主義で
森下陣営

 現職のため、前哨戦の遅れを取り戻そうと、告示日の3日、町全域に立候補あいさつに訪れ、4日は午前中に三尾地区、午後から和田地区を、くまなく歩くなど街宣した。
 5日からは地区ごとに街頭演説も積極的に取り入れた。吉原のコンビニエンスストア前では、買い物弱者のためにコンビニ誘致に協力したこと、中学校卒業までの医療費の無料化、松原、和田の両小学校、ひまわりこども園の外付け階段設置といった防災対策の推進など実績を強調。
 防災対策は日本建築家協会から進んでいると評価されており、さらに当選後も最重視。ダイワボウ南側の保安林に2000人規模で避難できる築山(高台)整備、浜ノ瀬の避難タワーと公民館をつなげて屋上に避難場所を整備すること、三尾地区にヘリコプター緊急離着陸上の建設、田井畑の高台整備などで津波による犠牲者ゼロを目指した取り組みを進めると訴えた。
「感動の美浜は笑いと元気から」をモットーに防災対策のほか、活気ある地域産業を目指した情報発信やつながりで支え合う産業振興、快適な定住環境の町づくりへ安全な基幹道路、生活道整備などを掲げており、森下候補は「美浜町は教育の町と言われており、地域の子どもは地域で守ってけるようにし、若い人からお年寄りまで住んで良かった、住みたくなる町づくりへ向け、一生懸命、全力で取り組みたい。初心を忘れずに作業服を着た現場主義で頑張っていきます」と力を込めた。

防災対策を前面に
谷陣営

 谷候補夫妻は、5日は、午前7時半ごろから、田井の美浜大橋沿いの交差点で「辻立ち」して、通勤のマイカーなどに頭を下げたり、手を振るなどして、懸命に支持を訴えた。
 4日午後は、運動員らと第一若もの広場を訪れ、ゲートボールの試合に臨むお年寄りらに「皆さんお元気そうですね」とにこやかに話しかけながら次々と握手をして、支持を呼びかけていた。
 運動員は、「安心なまち、力強いまち、美浜を!」の谷候補のキャッチフレーズを前面に押し立て、スピーディーな防災対策など、住民の最大の不安に応えていくという姿勢を積極的に示しながら、後援会活動を展開している。
 とくに力を入れているのが、防災への対応。谷候補は「東日本大震災以降、毎年自費で被災地を訪れ、復興の進展具合いを目の当たりにしてきた。住民が命を落とさないためには、行政はいかにスピード感を持って対応できるかにかかっている。相手候補は、高台避難施設を作るというが、平成30年度の完成はあまりにも遅すぎる。住民の不安解消のためには、もっと素早く対応する必要性がある」と、自らの復興地視察体験を紹介ながら、防災対策の重要性などを訴えている。
 このほか人口減対策や松原、和田両小学校は、小中連携で一貫教育ができるように-などと訴えている。谷候補は有権者の反応について「大勢の皆さんが笑顔で握手に応じてくださるなどとてもいい」と話している。