瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

あにめぞん感想、ざっくばらん67

2013年04月29日 13時16分30秒 | 漫画&アニメ
宿題消化ウィーク、前回に続き、あにめぞんレビューで御座います。


★第67回「八神もア然!ゆかり婆ちゃん金歯で参上!!」脚本:高屋敷英夫 コンテ・演出:山本智史 作画監督:鈴木俊二

…原作に在る「青田枯れ」をアニメ風にアレンジして作ったって回。
これ以降アニメでは五代の就職編へと進んで行き、そのまま大学卒業して響子さんと結婚するラストを迎える。
そう、原作とは異なり、アニメの五代君は就職浪人しないのです。
恐らくアニメのめぞんが放送中に、原作のめぞんが佳境を迎えてた為、アニメの方も終りを急かされたんでないかと…だとすればアニメスタッフ気の毒過ぎる。
原作に較べて山が1つも2つも減るどころか、圧縮ワープで辻褄合わせるのに苦労しただろうからねぇ。

この回、個人的には凄く楽しめました。
笑いのポイントは響子さんの「ネクタイも結べないんだから!」で、ちゃんとオチに繋がっており素晴しい。(笑)
アニメで五代君の妄想シーンを観るのは久し振りで、なんか嬉しくなってしまった。
原作での「梅酒婆あ」回に繋がる布告まで有。
ほぼアニメ独自の展開なんだけど、上手く原作に有るネタを鏤めてて、ノリとかテンポとか無理無く「らしさ」を感じられるのだな。

原作の「青田枯れ」では、五代の婆ちゃんは上京して居らず、八神もまだ登場してない。
てか原作では前回で八神が舞台を降り、最終回まで登場しない。
直情径行の八神はアニメスタッフ的に動かし易かったんだろう。
原作を読んでて、あの八神が簡単に引下る事に違和感持ってた為、この改変は個人的に納得行くものだった。
一刻館に篭城までして五代を一途に追っ駆けてた彼女が、原作では何故「弱虫」回以降あっさり引下ったのか今もって謎。
穿った見方すると八神が留美子先生の考えた以上に活躍、このままではまた最終回が延びてしまう事を恐れ、強制的にフェードアウトを発動したのかなと。
「らんま」のシャンプーも原作最終回近くで不自然にフェードアウトしたし。(笑)

話をアニメの方に戻して――この回、演出がとても良い。
新聞を読んでいて五代の就職を案じた婆ちゃんが一刻館に来るまでの流れが自然。
その途中で八神と絡む展開も自然で、婆ちゃんのキャラが楽しく解る。
そういやアニメの朱美さんは響子さん寄りなのな。
原作の朱美さんは特に誰寄りでもない自由人で、むしろ響子さんに辛辣だったりするんだけど、アニメの朱美さんは心持ち響子さん側に立っていて、八神に悪印象を抱いてるよう描かれてる。
てゆーか原作に比べアニメの一刻館住人達は響子さんへの当りが優しい、響子さんも原作に比べずっと優しいしな。(笑)

こずえちゃんも登場、五代に先んじて就職を決め、彼に無意識のプレッシャーをかける。(笑)
…という事はアニメのこずえちゃんは、五代と同い年で四年制大学通ってる設定?
ちなみに原作では1歳年下、女子短期大に通ってる風に思えた。

音無竜之介班の原画陣として活躍してた鈴木俊二さんが、第62回で降板した音無竜之介さんに代って作監へ昇進、この回より担当するようになりました。
鈴木俊二さんは現在でも活躍する人気アニメーターで、非常に絵が巧い。
音無竜之介さんに似たタッチなんだけど、よりシャープで段々リアル志向になってった為、めぞんファンには不評を買ったりしたそうだが、巧さのみで単純に比較するなら中嶋さんより上に思った。
惣一郎(犬)が脚で掻いて毛が飛び散るとこ、婆ちゃんの機嫌を取る八神を見る響子さんが微妙な表情浮かべてるとこ等、細かいとこまで描いてあって恐れ入る。
音無竜之介さん譲りの美しいキャラクタープロポーションも嬉しいところ。

脚本・演出・作画と、この回だけを観るなら、3拍子揃った傑作。
しかし先を見越すと五代が就活の為に、保父のアルバイトを辞めるってのは不味く思う。
原作の五代の場合は就活、夢破れて就職浪人、その中で保父という、自分に合った職を見付ける。
アニメの五代の場合、就職前に保父の仕事に出会ってて、だが眼中に入れず大会社への就職を目指した果て、就職浪人になりかけたところで、「そうだ!保父の道が残ってた!」とばかりに軌道変更する。
――なんか仕方なく保父の道選んだ風に見えるじゃん。(笑)
しかもアニメの場合、保父のアルバイトは、こずえちゃんが紹介したもの。
それをあっさり辞めるって、こずえちゃんの好意を無下にする行為じゃね?
てか、こずえちゃんは五代の将来を考え、彼に合った仕事として保父のアルバイトを紹介したと考えてたのに、今回「男の人は後の人生考えて良い就職先選ぶべき」と語ってるのを観るに違うのかと。
活き活きと保父のアルバイトに励む五代を暖かく見守ってた今迄のこずえちゃんは幻だったのか!?
やはり保父のアルバイトは就活後に持って来るべきだった、欲を言えば原作同様就職浪人になって。

(個人的評価)脚本○ 演出○ 作画○ …今回の予告は一の瀬さん、五代、朱美さん、四谷さん、婆ちゃん、タイトルコールは響子さん。暫く一刻館住人達+婆ちゃんでの予告は続きそうな予感。



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