瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

あにめぞん感想、ざっくばらん60

2013年01月26日 22時24分06秒 | 漫画&アニメ
現在東京MXで「めぞん」の前に「ウラシマン」放送してる事は話したけど、今週更にその30分前より「ポールのミラクル大作戦」が始まった。
ゴールデンタイムに30、40、50代を狙い、深夜は萌えアニメで今時オタクを釣る戦略とは、やるな東京MX局!
パトレイバー再放送(ビデオ・映画版含み)をしてくれたら個人的に神…これ以上話してると脱線しそうなんで(汗)それでは前回の続きです。


★第60回「見ちゃった!響子と三鷹がいきなりB!?」 脚本:小西川博 コンテ:小島多美子 演出:山本智史 作画監督:中嶋敦子

…相っっ変わらず低俗でセンス無いタイトル、一体ホントに誰が付けてたんだ!?
広告会社かTV局か、思い起せばこの時代、おにゃんこクラブが流行ってた。
フジは昔から変らんなぁ~。

タイトルに足引っ張られるも、今回のあにめぞん回の出来は神!
演出のみで比較するなら後期で1番の回かもしれない。

前回の回想という悪夢に魘され目覚めた三鷹さん。
縁談を断ろうにも雨の様に降り続く誤解で、順調に身が固められてくんだから不憫。
プライドを捨てて叔父さんに犬嫌いな事をバラすも信じて貰えない。
てか政略結婚だから、おまえの事情なんぞどーでもいいと一蹴する叔父さんは、いっそ清々しい。(笑)
前回犬に襲われたショックで臥せってしまった三鷹さんへ、明日菜お嬢様を見舞いに寄越そうとする叔父さん。
無論即効断ったものの見舞いは良案、不透明のままのプロポーズの答えも訊こうと、三鷹さんは響子さんに自分が臥せってる事を電話で伝える。
今迄の彼らしからぬ余裕の無さで、それだけ追い詰められてるのだなと。
連絡を受けた響子さんは一瞬躊躇するも、残酷な程に優しい気性から、見舞いに行く事を約束してしまう。

夜、その話をツマミに一刻館住人達は五代の部屋で宴会。
「プロポーズしてる男の家を訪ねるって事は、管理人さんも受ける気で居るんじゃない?」
「管理人さん、流石に逃げられないだろうね~。」
「遂に2人は抜き差しならない関係に!」(←何のこっちゃ)
住人達の毎度無責任な喋りに心乱される五代は、折った紙飛行機を雨空へ飛ばす。
――って何故、雨空の中、紙飛行機を飛ばすのか?
雨に打たれた紙飛行機は直ぐに墜落、解る様な解らん様なドラマチック演出。(笑)
結局正しいカセットテープは響子さんに渡せたのか?五代の様子から察するに渡せず終いなんだろうなぁ。

明くる日、響子さんは三鷹の所へ見舞いに出掛ける。
引き止めるでもなく、後を尾ける五代――ストーカーか。(笑)
彼が一言「行くな」と言えば簡単に解決する話なのに。
響子さんもだが、見ていて実にまどろっこしい。
サラダちゃんが三鷹さん家に侵入してなかったら、響子さんどうしてたんですかね~?

ここで新レギュラーにして救いの女神が現れる――ポメラニアンのメス、サラダちゃん。
明日菜お嬢様にとっては可愛い末の妹。
この先三鷹の人生に多大なる影響を与える彼女をお忘れなく。
いくらボーっとしてたからって、響子さんに気付かれる事無く後を尾け、三鷹さん宅に侵入するとは忍びの犬か。

ところで三鷹さんの「髭剃ってる」という台詞に、ルーミック男キャラには珍しい色気を感じた。
留美子作品中でそういうリアルな男を感じられる描写って殆ど出て来ないんですよ。
髭伸ばしてる年寄りは登場しても、それなりに若い男が「髭剃ってる」描写って、他に出て来ないでしょ?
改めて三鷹って留美子先生が考え得る、最高に「大人なナイスガイ」なのだなぁと。

玄関で弁当渡してお暇する積りだったが、三鷹さんに「逃げるんですか?」と挑発され、つい部屋に入ってしまった響子さん。(←おいおい…)
予想通り三鷹さんからプロポーズの答えを迫られ――ここが今回最大の山場なのですが――そんな三鷹さんの背後に犬のサラダちゃんが忍び寄る。
お約束だが三鷹さん恐怖のあまり失神、響子さんを押し倒す形になったそこへ、犬を捜しに明日菜お嬢様と五代が!
響子さん、もしもの時逃げられるよう、鍵をかけずに置いた?
だがそれが裏目に出た、2人の目に映る衝撃の光景。
この時、道を走る物売りの声で、外から扉を開けられた事を伝える演出が巧い!
明日菜お嬢様は駆け寄って来たサラダちゃんを抱き締めると、同じく無言のままの五代と共に静かに扉を閉じるのだった。

今回極力BGMを控えたのが素晴しい効果を呼んだと思う。
リアル生活音だけで状況を描写するとは、さながら中期の様である。
後期になってもテンポ等は中期を引き継いでたけど、中期ほどは執拗な演出を感じられず残念だった。
これくらい物のリアリティに拘って描かれると、アニメーションを超えたって言いたくすらなる。
特に驚いたのが夜の坂道を五代が上るシーン、外灯に照らされた影が伸縮するのですよ!
外灯の真下に来ると、ちゃんと影が縮むんだから凄い、TVアニメでそこまでやるか。
響子さんが坂本と電話で話すシーンや、五代が部屋のドアを隔てて響子さんと話すシーンも、実にリアルに描かれてる。
響子さんがドアから離れた気配を感じて五代が脱力するとこなんか観ていて気持ち入る。
以前から感じてたのだが、小島多美子さんの絵コンテって、めぞんの作風に合ってるのかなと。
めぞんにおいては女史の時に大袈裟な演出傾向が、良く活かされてる気がします。
メロドラマ作るの得意だったもんな。(笑)
雨の中の紙飛行機なんか如何にも彼女らしい。

今回は脚本も良かった。
こずえちゃんや賢太郎は確か原作回では出て来ないんだけど、存在浮いてなかったもの。
アニメのこずえちゃんは、どうも五代が響子さんを密かに想ってる事に気付いてるっぽくて切ない。
保育園でアルバイトをする五代を影ながら応援する、アニメのこずえちゃんは実に意地らしい。
原作では保育園でアルバイトをする五代を応援するのは響子さんのみで、こずえちゃんはすっかり影が薄くなってたんすけどね。
アニメスタッフは原作者以上にこずえちゃんを大事に扱ってた事が解る。
ただ前にも書いたけど、その分ラストの五代が非情に思えてしまうんですよ…。(汗)

坂本君も今回は男前、アップの彼は最早別人のイケメン、誰おま状態だった。(笑)
ここも確か原作とは違う、原作の坂本君はそんな活躍しなかったイメージ。
猫の響子ちゃん、お久し振りv大きくなったね~v
猫って鳴き声だけで萌えてしまうわ。

脚本も演出も良かったが、それ以上に良かったのは作画だな。
ショックを受けて死んだ目になった五代なんて良く描けてる。
無理してる笑顔も感じ出てる。
ラストで響子さんの頬に一筋涙が流れるシーンは美の極致!
原画スタッフのテロップ見たら、河南さんら作監級に巧い人ばかり、そりゃあ素晴しい絵になるのも納得です。
しかし振り返って涙を見せる響子さんはズルイ女である。(笑)

(個人的評価)脚本○ 演出○ 作画○ …今回流れた予告は一の瀬さん、四谷さん、五代、タイトルコールは響子さん…予告を収録する日、朱美さん役の声優さんがお休みだったんすかね?



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