瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

2016年、クリスマスには歌を歌おう♪その6

2016年12月26日 21時53分42秒 | クリスマス
はぁい♪ミス・メリーよ♪
12/25は終わりでなくクリスマスの始まり、このシリーズもまだまだ続くわよ~!
「日本の漫画に登場するクリスマス・ストーリー」、第6回の今夜は「ルププ・パウ♥」と言う作品を紹介するわ♪
作者は竹本泉氏、講談社が発行する「なかよしデラックス」1982年12月号に掲載された読み切り作品なの。
「ルププ・パウ♥」と言う変わったタイトルは、ヒロインのアリスが偶に「るぷ」と口癖で言う事から。
「ルププ・パウ」とは、どうやら彼女が仰天する様を表した、作者の創造言語みたい。

――今年もクリスマスがやって来る。
家族揃ってのクリスマス・パーティーを楽しみにしていたアリス、なのにパパは今年も仕事でお出掛けだって言うの。
毎年パパが居ないクリスマスを過ごしてるなんて、私は孤独な少女だわ~と不貞腐れるアリス。
パパは「聞き分けの無い事を言うとサンタクロースが来てくれないぞ」、な~んて脅かすけれど、サンタの正体はパパだと思ってるアリスには効かない。
ならばとパパは「今年はクリスマス・プレゼントは要らないんだな?」と第二波攻撃、これにはアリスも慌てて白旗を揚げたわ。
でもやっぱりアリスとしては一度位パパと一緒にクリスマスを過ごしてみたい、近所に住むティム君に不満を零すと、彼は「アリスのパパってどんな仕事をしてるの?」って訊いて来たのよ。
そこではたとアリスは、自分のパパがどんな仕事をしてるのか知らない事に気が付いたのね。
家に帰ったアリスは早速パパに何の仕事をしてるのか尋ねたの、そしたら何故かパパだけでなくママまで急に用事を思い出したとか言って逃げちゃった。
え?これって触れちゃいけない話題?パパもママも私に隠し事をしてる…?
不審に思ったアリスはティム君に相談、そしたら彼、「ひょっとしてギャングとか泥棒とか、人に言えない仕事してるんじゃない?」なんて言うのよ!
勿論アリスはプンプンになって怒ったわ!
「もっとまともな仕事は無いの!?」
「人に言えない仕事って大抵まともでない場合の方が…ならサンタクロースとかは?人に尊敬されて、かつクリスマスに忙しくて、人に知られたくない仕事だよ」
ティム君のふざけた発想を聞いたアリスは、呆れて帰ってしまった。
けれど一度気にしたら夜も眠れない…。
12/24の朝、アリスが起きると、ママから「パパはもう仕事に行った」と伝えられたの。
ところがその直ぐ後で、アリスは書斎の前にパパが居るのを見たのよ!
追い駆けて書斎に入ったけど、忽然と消えちゃった!!
ティム君にその事を話したものの彼は信じない、そこへティム君のパパが仕事から帰って来たの。
「ただいま」の挨拶をするティム君のパパを見て、アリスは自分のパパが仕事に出掛ける所を見た記憶が無いのに気付いてしまった。
普通は「行って来ます」と言って出掛け、「ただいま」と言って帰って来る。
なのに私のパパは何時の間にか仕事に出掛け、何時の間にか家に帰って来てる……アリスとティム君の間に、一瞬異様な雰囲気が流れたわ。
2人はアリスのパパのプライベート・ルームを探りに入り、そこで書斎には不似合いな冷蔵庫を発見。
今夜の御馳走をあてにして、お腹を空かせていた2人が、つまみ食い目当てに開けてみると、地下へと続く階段が在ったのよ。
階段を下りた先には果てが見えない地下トンネル、トロッコが走る線路まで敷かれてるじゃないの。
――きっとこの地下トンネルを進んだ先に、アリスのパパの正体が!?
探検心を擽られたアリスとティム君は、トロッコに乗って暗く長い地下トンネルを行き、終着点まで辿り着いたの。
そこは謎の玩具製造工場だった――いきなり突っ込んで来たトロッコに、工場で働いていた小人達はビックリ仰天!
アリスの家の地下トンネルは北極に在る家、兼玩具製造工場まで繋がっており、ティム君が(冗談で)言った通り、アリスのパパはサンタクロースだったのよ!
毎年クリスマスにパパが留守な訳が解って、アリスは取敢えずスッキリ。
ティム君にとても羨ましがられたけど、アリスは「自分のパパがサンタなんて話しても、誰も信じてくれないから自慢出来ない!」と複雑な思いで居たの。
事実は漫画よりも奇なりね~。

「ルププ・パウ♥」はこの後シリーズ化して、ポツポツと短編が発表されてくの。
第2話「ババロア絵本」は講談社発行「なかよしデラックス」1990年お正月号に、第3話「ルププ・パウ♥ 森にはお化け」は主婦と生活社発行「アップルミステリー」1992年11月号に、第4話「ルププ・パウ♥ クリスマスの楽しみ」は「アップルミステリー」1993年1月号に掲載、全て読み切りの作品になってる。
単行本で紹介すると、第1話の「ルププ・パウ♥」は講談社発行で「ひまわりえのぐ」と言う短編集に収録。
後にエンターブレイン社より発行された「ハジメルド物語」と言う短編集にも収録されてるわ。
シリーズ2、3、4話については1996年に宙(おおぞら)出版より、「ばばろあえほん」と言うタイトルで、B6版の単行本に収録されてる。(後、2000年に朝日ソノラマよりA5版サイズで復刊。)
この「ばばろあえほん」と言う短編集には、「ルププ・パウ♥」シリーズの他、3篇のクリスマス・ストーリーが収録されてるの。
残念な事に全て絶版になってるけど、電子書籍で読めるわ。
どれもほのぼのと変な物語よv

ここで6曲目のクリスマス・ソング、このお話に合わせるにはピッタリな歌が有るわね――「ママがサンタにキッスした」!
アメリカのトミー・コーナーが作詞・作曲した人気のクリスマス・ソングよ♪



【ママがサンタにキッスした】




それはクリスマスの♪ 静かな夜の事♪
贈り物を♪ 楽しみにして♪
サンタクロースの夢を見た♪

白いお髭のサンタは♪ ママのお友達ね♪
2人で何か♪ 笑っているの♪
嬉しそうなママ♪


それはクリスマスの♪ 静かな夜の事♪
贈り物を♪ 楽しみにして♪
サンタクロースの夢を見た♪

優しいパパのお顔に♪ よく似たサンタさん♪
ママに優しく♪ キッスしてたでも♪
そのサンタは…パパ♪



歌はこちらを参考にしてね♪(※音が出る…キティちゃん?)
サンタクロースはパパだった!
アリスのパパみたいに真実パパがサンタクロースだったら…貴方はどうする?
それじゃあまた明日、メリーと楽しくクリスマスソングを歌いましょう♪



…こんばんは、びょりです。
永野のりこ女史同様、竹本泉氏の作品も追っ駆けるのが大変。
流浪の漫画家な上に単行本の発行数も少なくってな…絶版になってるのも多いし、ファンにとっては悩ましいです。
それでもマニア人気が高いお蔭で、昨今は電子書籍で読める事が出来て助かる。
…ただこの方のカラー原稿は頗る美しく、所有したい熱が抑えられないのです。
独特な台詞回しやほのぼの奇想天外なストーリーも大好き、この作者にしか創造出来ない世界かと。



写真は今年のメトロポリタンホテルに飾られてたお菓子の家。
向こう風に言えばヘクセンハウス、サンタがいっぱいで楽し気ですな。

    

    

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3 コメント

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Unknown (ますみ)
2016-12-28 10:00:32
ミスメリー!登場されるのを心待ちにしておりました!
クリスマスが近付くとディケンズのクリスマスキャロルを読む人宜しく、ミスメリーが語ってくれたクリスマスに関する記事を読み返しております。
コメントを入れるのが大変遅くなりましたが、メリークリスマス!
今年も楽しいひとときをありがとうございます。

そして!きょうの題材はまさかの「ルププ・パウ♡」
竹本氏の作品は「ハジメルド物語」からほぼコンプリートで収集していたのですが、引っ越しやら何やらの折に全て手放してしまった痛恨事。
「で?何を言いたい話なんだ?」と突っ込みたくなるのに、じわじわと心に残る氏の作品は、他には類を見ないですよね。
ルププ・パウも、凄く変なストーリーを淡々とゆったりと描いている妙作でした(褒めている)
取り上げてくださって、とても嬉しかったですv
主人公のアリスちゃんの口癖が「るぷー」で、すごくびっくりした時には「るぷぷ・ぱう~」というアリエヘン感嘆詞を口にする点に触れて頂けたら、もっと嬉しかったです(笑)

そして、びょりさま。お元気そうで何よりです。
気忙しい日々の中、ふと、びょりさんのハウステンボス記事を読み、心トリップしております。どうか記事はいつまでもこのまま残して頂きたいです。
わたくし、ワンピースサイト運営時にお世話になった者です。今でもワンピース読んでますよ~v
まだ数日、クリスマス記事をUPされる事と、期待しお待ちしております。
返信する
メリークリスマス♪ますみ♪ (ミス・メリー)
2016-12-29 00:56:05
お噂はかねがね、びょりから聞いてるわ!
とってもワンダホーなイラストを描かれるんですってね。
びょりったら貴女が以前ネット上で公開されてたイラストの多くをこっそりダウンロードして、今でも個人的に収集してるそうなの!
でね、記事は私が書いたものだってのに、是非ともイズミストの一人として貴女とファントークしたいって言うから、渋々この場を譲るわ。
…ブログ放置気味のくせして出しゃばりなんだから!

温かいコメント有難う、貴女のクリスマスシーズンがより楽しいものになるよう、メリー頑張るわ♪
返信する
お久し振りです、ますみさん! (びょり)
2016-12-29 01:36:07
覚えてますとも~~ネットの上ではありますが、お声が再び聞けて大変嬉しく思います!
そーなんです!竹本泉氏の作品の魅力は絵だけじゃなく、うじゃ♥とかあやや!とかるぷーとかそういう独特な感嘆詞を用いての台詞回しなどにも有るんです!
なのに、竹本泉氏の作品を読んだ事の無い人にその魅力を伝えるのが困難だからって適当に流したメリーさんの文章力に問題が!!…あ、今メリーさんからキャンディケーンをぶつけられました!
私もデビュー作の「夢みる7月猫」からファンになり、殆ど収集してた筈なのに、手元に残る単行本は10冊もないって何故なんだ!?
捨てた覚え無いため再購入するのに躊躇うんですよ。
特に最も好きだった「魔法使いさんおしずかに!」を何処かにやってしまった事は悔やんでも悔やみ切れない…きっと在る筈!
ブログについてはこんなに休止してるくらいなら、いっそ閉鎖してしまおうかと内心考えなくもないですが、色々中途半端に終わってる記事が気になって踏み切れません。
書けなくなった理由は環境の変化など諸々有りますが、最大の理由は若い頃には深く考えず勢いで書けてた事が、年取った為に考えるようになってしまい、簡単に文章に出来なくなったからかと…。(汗)
この際代わりにメリーさんに続きを書いて貰った方が良いかもしれない。(彼女のハイなテンションで全て書かせたら、とんでもない事になりそうっすが)
弱音を吐いて申し訳無い、取敢えず直ぐそこまで終わりが見えてるシリーズも有るので、まだ閉鎖はしない積もりです。
コメント有難う御座いました、良いお年をお迎えください!
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