2週ぶりどころか3週ぶりのあにめぞん感想、なんと27回目にして傑作マークを表す★を付ける事になろうとは…!
ちなみにMX局での再放送は次回から曜日と時間が変るらしい。
今後はプロ野球中継も始まるし、お休み増えるかも…それはさて置き前回の続きで御座います。
★第27回「消えた惣一郎!?思い出は焼き鳥の香り」 脚本:伊藤和典 コンテ:安濃高志 演出:片山一良 作画監督:河南正昭
…この回からCD(チーフディレクター、つまり監督)が安濃高志氏に、シリーズ構成は伊藤和典氏に、キャラクターデザインは高田明美女史に変更となりました。
あのクリィミーマミ~マジカルエミと続く、ぴえろ魔女っ子シリーズの名演出家、安濃高志が監督!
しかもニルス、クリィミーマミ、うる星やつら、きまぐれオレンジロードと、手掛けた作品全てがヒットしてる伊藤和典が脚本!
加えてクリィミーマミ、きまぐれオレンジロード、うる星やつらと、当時の萌えアニメファンには売れっ子の、キャラクターデザイナー高田明美!
何れ劣らぬビッグネームが制作陣に加わるという事で、アニメ雑誌もファンも大いに沸き立ったのです。
ちなみにBGM作曲等の音楽スタッフに川井憲次氏が新加入。
この頃はまだ駆け出しだったけど、その後らんまやパトレイバー等を経て、業界1、2を争う人気作曲家になってくんだな。
しかし製作会社のキティフィルムは、一体何故、安濃氏と伊藤氏と高田女史を抜擢したのか?
この3人の共通点はアニメうる星やつら(ぴえろ版)の制作スタッフだった事。
或いはアニメうる星の様な再ヒットを期待し、抜擢したのかもしれない。
ルーミック・オブ・ルネッサンス=ルミッサンス(うる星に帰れ)、なんちゃって。
では実際に本編を観て、変ったかと問われれば――物凄く変った!
今迄とは別のアニメを観てるようだった。
先ず絵が違うし、朱美さんのベビードールは透けてないし(クレーム有った?)、五代君イケメン化してるし。
響子さんと五代の髪に、ぴえろ魔女っ子アニメのヒロインの様な、ハイライト(テカリ)が入れられてるし。(笑)
Gパンからスカートに普段着をチェンジした事で、響子さんのマドンナイメージが更に増した。
でも作画監督名を見て解る通り、描いてるアニメーターさんはほぼ変更無。
土器手さんが降板したくらいだったり。
この回の作画監督は、1期の第1回と同じ河南さんで、パッと見は信じられない。
キャラクターデザインの変更に合せて絵を変えられるとは流石プロ。
「アニメ美味しんぼにキャラが似てる」と思った人は鋭い、河南さんは後にそのアニメ美味しんぼのキャラデザを手掛けた方なのです。
絵だけじゃなく、演出の仕方も、今迄とは全く違う。
丘の上から見下ろしてる様な俯瞰アングルが殆ど無くなり、地に足を下ろしたカメラアングルが増えたなと。
窓外から覗く様なカメラアングルも、これ迄は見られなかったもの。
まるでキャラの前でカメラ構えて撮影してる様で、実写ドラマを観ている様な気分になる。
季節の風物への拘りも強く見られます。
今回からリアル暦に作中の季節を合せるようになったのだけど、木に生ってる熟柿や風にそよぐ秋桜をカット繋ぎに使用する事で、秋を強く印象付けるのに成功している。
夜、五代の部屋で一刻館の住人達が、居なくなった惣一郎について話し合うシーンに挿入されてるのは、アニメで汎用されてる機械的な効果音でなく虫の声。
窓を叩く秋の夜の雨など季節の事物を用いて、キャラの心情をも描写しようという意欲を感じた。
電気の消えた真っ暗なTVが、鏡の様に顔を映すシーンも印象深い。
夜中にふと目覚めて、目の前にTVや鏡が有ると、視線を逸らしてしまうよね。
響子さんの回想→バケツの水が溢れる→弾ける様に外へ出て行く響子さん→坂道での五代のシルエット、という流れは圧巻。
バケツから溢れる水は、溢れ出た響子さんの心情を暗喩している。
そこまで(原作の描写に比べ)淡々としてる分、クライマックスが自然と引き立つのです。
坂道で五代が振り返る。
そのシルエットが、響子さんの記憶の中の、惣一郎さんのシルエットに重なる。
驚いて立ち止まる響子さん、背後の外灯がぽつり、ぽつりと点って行く。
響子さんが反射的に惣一郎の名前を叫びかけるが、五代の横の外灯が点り、彼(と犬の惣一郎さん)の顔が浮き上がる。
「…ご……だい、さん…………!」
放心した響子さんの髪を、秋の風が嬲って行く。
このシーンはあにめぞんの中でもベスト5に入るんじゃないかと。
明らかに演出のクオリティは1期より遥か上で、今後への期待が非常に持てました。
ぶっちゃけこの回については、原作すら凌いでるよう感じたです。
脚本も今回良かったかと。
今迄はアニメオリジナルの会話パートになると、テンポも洒落っ気も失われた。
今回の一刻館の住人達の会話は、殆どアニメオリジナルでも、テンポが滑らかでナチュラルだった。
四谷さんが「帰巣本能」の意味について訊かれ、朱美さんに辞書を渡す所の掛け合いが楽しい。
ただ問題は、前回と全く繋がりが無い事…!
前回の響子さんのヤキモチ大爆発は、如何ようにして決着したのか!?――続けて観ている視聴者は気になったに違いない。(笑)
季節も前回は初夏だったのが、秋にワープしてる。
これぞミッシングリンク、果たしてこの間何が有ったのか!?
アニメ雑誌でのスタッフの説明によると、前回の件で一旦響子さんは男に幻滅し、五代・三鷹への気持ちが0に戻ったんだそうな。
しかしそれはちょっと納得し辛いものがあるなぁ~。(笑)
一刻館の住人達が、原作の彼らより親身な点も、原作ファンには気になったかも。
代わりの犬を探した朱美さんを囲む茶々丸でのシーンは、個人的には良いものに感じたけど、原作の彼ららしくはないなとも同時に思った。
五代も原作の彼らしからぬ逞しさ見せてるし。(笑)
(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …ラストに流れるアローン・アゲインは、曲調的には雰囲気ぴったりだが、歌詞を考えると複雑だ。(自殺ソング…)
【続】
ちなみにMX局での再放送は次回から曜日と時間が変るらしい。
今後はプロ野球中継も始まるし、お休み増えるかも…それはさて置き前回の続きで御座います。
★第27回「消えた惣一郎!?思い出は焼き鳥の香り」 脚本:伊藤和典 コンテ:安濃高志 演出:片山一良 作画監督:河南正昭
…この回からCD(チーフディレクター、つまり監督)が安濃高志氏に、シリーズ構成は伊藤和典氏に、キャラクターデザインは高田明美女史に変更となりました。
あのクリィミーマミ~マジカルエミと続く、ぴえろ魔女っ子シリーズの名演出家、安濃高志が監督!
しかもニルス、クリィミーマミ、うる星やつら、きまぐれオレンジロードと、手掛けた作品全てがヒットしてる伊藤和典が脚本!
加えてクリィミーマミ、きまぐれオレンジロード、うる星やつらと、当時の萌えアニメファンには売れっ子の、キャラクターデザイナー高田明美!
何れ劣らぬビッグネームが制作陣に加わるという事で、アニメ雑誌もファンも大いに沸き立ったのです。
ちなみにBGM作曲等の音楽スタッフに川井憲次氏が新加入。
この頃はまだ駆け出しだったけど、その後らんまやパトレイバー等を経て、業界1、2を争う人気作曲家になってくんだな。
しかし製作会社のキティフィルムは、一体何故、安濃氏と伊藤氏と高田女史を抜擢したのか?
この3人の共通点はアニメうる星やつら(ぴえろ版)の制作スタッフだった事。
或いはアニメうる星の様な再ヒットを期待し、抜擢したのかもしれない。
ルーミック・オブ・ルネッサンス=ルミッサンス(うる星に帰れ)、なんちゃって。
では実際に本編を観て、変ったかと問われれば――物凄く変った!
今迄とは別のアニメを観てるようだった。
先ず絵が違うし、朱美さんのベビードールは透けてないし(クレーム有った?)、五代君イケメン化してるし。
響子さんと五代の髪に、ぴえろ魔女っ子アニメのヒロインの様な、ハイライト(テカリ)が入れられてるし。(笑)
Gパンからスカートに普段着をチェンジした事で、響子さんのマドンナイメージが更に増した。
でも作画監督名を見て解る通り、描いてるアニメーターさんはほぼ変更無。
土器手さんが降板したくらいだったり。
この回の作画監督は、1期の第1回と同じ河南さんで、パッと見は信じられない。
キャラクターデザインの変更に合せて絵を変えられるとは流石プロ。
「アニメ美味しんぼにキャラが似てる」と思った人は鋭い、河南さんは後にそのアニメ美味しんぼのキャラデザを手掛けた方なのです。
絵だけじゃなく、演出の仕方も、今迄とは全く違う。
丘の上から見下ろしてる様な俯瞰アングルが殆ど無くなり、地に足を下ろしたカメラアングルが増えたなと。
窓外から覗く様なカメラアングルも、これ迄は見られなかったもの。
まるでキャラの前でカメラ構えて撮影してる様で、実写ドラマを観ている様な気分になる。
季節の風物への拘りも強く見られます。
今回からリアル暦に作中の季節を合せるようになったのだけど、木に生ってる熟柿や風にそよぐ秋桜をカット繋ぎに使用する事で、秋を強く印象付けるのに成功している。
夜、五代の部屋で一刻館の住人達が、居なくなった惣一郎について話し合うシーンに挿入されてるのは、アニメで汎用されてる機械的な効果音でなく虫の声。
窓を叩く秋の夜の雨など季節の事物を用いて、キャラの心情をも描写しようという意欲を感じた。
電気の消えた真っ暗なTVが、鏡の様に顔を映すシーンも印象深い。
夜中にふと目覚めて、目の前にTVや鏡が有ると、視線を逸らしてしまうよね。
響子さんの回想→バケツの水が溢れる→弾ける様に外へ出て行く響子さん→坂道での五代のシルエット、という流れは圧巻。
バケツから溢れる水は、溢れ出た響子さんの心情を暗喩している。
そこまで(原作の描写に比べ)淡々としてる分、クライマックスが自然と引き立つのです。
坂道で五代が振り返る。
そのシルエットが、響子さんの記憶の中の、惣一郎さんのシルエットに重なる。
驚いて立ち止まる響子さん、背後の外灯がぽつり、ぽつりと点って行く。
響子さんが反射的に惣一郎の名前を叫びかけるが、五代の横の外灯が点り、彼(と犬の惣一郎さん)の顔が浮き上がる。
「…ご……だい、さん…………!」
放心した響子さんの髪を、秋の風が嬲って行く。
このシーンはあにめぞんの中でもベスト5に入るんじゃないかと。
明らかに演出のクオリティは1期より遥か上で、今後への期待が非常に持てました。
ぶっちゃけこの回については、原作すら凌いでるよう感じたです。
脚本も今回良かったかと。
今迄はアニメオリジナルの会話パートになると、テンポも洒落っ気も失われた。
今回の一刻館の住人達の会話は、殆どアニメオリジナルでも、テンポが滑らかでナチュラルだった。
四谷さんが「帰巣本能」の意味について訊かれ、朱美さんに辞書を渡す所の掛け合いが楽しい。
ただ問題は、前回と全く繋がりが無い事…!
前回の響子さんのヤキモチ大爆発は、如何ようにして決着したのか!?――続けて観ている視聴者は気になったに違いない。(笑)
季節も前回は初夏だったのが、秋にワープしてる。
これぞミッシングリンク、果たしてこの間何が有ったのか!?
アニメ雑誌でのスタッフの説明によると、前回の件で一旦響子さんは男に幻滅し、五代・三鷹への気持ちが0に戻ったんだそうな。
しかしそれはちょっと納得し辛いものがあるなぁ~。(笑)
一刻館の住人達が、原作の彼らより親身な点も、原作ファンには気になったかも。
代わりの犬を探した朱美さんを囲む茶々丸でのシーンは、個人的には良いものに感じたけど、原作の彼ららしくはないなとも同時に思った。
五代も原作の彼らしからぬ逞しさ見せてるし。(笑)
(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …ラストに流れるアローン・アゲインは、曲調的には雰囲気ぴったりだが、歌詞を考えると複雑だ。(自殺ソング…)
【続】