朝
上空を
小鳥が
西へ向かった
雨あがりの歌
6000円の夢を見よう
ああ、青い空だ
雲も白い
正しい空だ
正しきは
わびしさ
伊達や酔狂
って
何
意味を知らずに
使われる
あわれな言葉よ
わたしは調べる
知ってから使う
ごめん
代わりに謝る
風は南から吹く
カラスよ
わたしを熊野に
連れてゆけ
『水晶の夜』
という言葉を
ナチス時代に使われていたことを
知る
「ひとつのことを知るたびに 知らないことが百も増えて」
と歌ったのは
いとうたかおさん
アフォリズムの天才
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ふな男
登場
あーきれいな夕焼けだなあ
モニターに映し出されている
都会のビルの夜景
そのゆっくりとした動画
こういうものを
誰が望んだのだろう
勝手に次から次へと
作られてゆく
その先にある
末の
痛みを知らず
文明は進み
戻ることはない
先は暗黒
それをわたしは知っている