スーパーの中に
休憩所がある
道路に面して
窓際に席がある
紙コップで買う自動販売機がある
僕は本を読む
本の中に
「棒」という言葉と
「言葉の溺死」という言葉が
あった
向かいの椅子に
靴を脱いで
足を放り出し
スーパーの休憩所で
本を読んでいると
ここでしか感受できないだろう
ものもあるに違いない
音楽と同じように
言葉だって
場所を変えれば
違う感受の仕方をしてくる
それは脳のことではあるのだか
フィットということを思う時
この場所でこの本は
ジャストフィット
場所が本とぴったり寄り添い
きれいな言葉を交わす
恋人になってゆく
僕はそれを見ている
手押し車の老婆が休憩所にやってきて
自動販売機で何かを買うとき
何かを呟いた気がした
そして何も飲まずに
手押し車の杖とともに
姿を消した
本を読む
「本日の特売品ミックスみそ80円はただいま完売しました」
僕はそれが目当じゃなかったが
80円なので買ったから
知ってるしバッグの中にそれはある
ミックスみそ
「言葉の溺死」なんて
まったく今の今のことじゃないか
誰もが言葉を失って
生き残った言葉が
やっと立ってまわりを見渡す
我が身の服の汚れを手で叩く
埃が風に舞い
校舎を超える
休憩所がある
道路に面して
窓際に席がある
紙コップで買う自動販売機がある
僕は本を読む
本の中に
「棒」という言葉と
「言葉の溺死」という言葉が
あった
向かいの椅子に
靴を脱いで
足を放り出し
スーパーの休憩所で
本を読んでいると
ここでしか感受できないだろう
ものもあるに違いない
音楽と同じように
言葉だって
場所を変えれば
違う感受の仕方をしてくる
それは脳のことではあるのだか
フィットということを思う時
この場所でこの本は
ジャストフィット
場所が本とぴったり寄り添い
きれいな言葉を交わす
恋人になってゆく
僕はそれを見ている
手押し車の老婆が休憩所にやってきて
自動販売機で何かを買うとき
何かを呟いた気がした
そして何も飲まずに
手押し車の杖とともに
姿を消した
本を読む
「本日の特売品ミックスみそ80円はただいま完売しました」
僕はそれが目当じゃなかったが
80円なので買ったから
知ってるしバッグの中にそれはある
ミックスみそ
「言葉の溺死」なんて
まったく今の今のことじゃないか
誰もが言葉を失って
生き残った言葉が
やっと立ってまわりを見渡す
我が身の服の汚れを手で叩く
埃が風に舞い
校舎を超える