

喫茶店でカフカ先生は開口一番
発した
「コロナ禍には現象と構造がある」
つまり地上で起きていることのほとんどは
現象としてとらえる
地下
つまりは目に見えないところを構造とする
「構造がゆっくり動いている。生活が変わる」
「というと?」
「リモートが良い例です。あれは構造の変化です」
社会が変わる
それがゆっくり変わる
以前のように戻るという幻想は持ってはいけない
一見
同じように見えるものは現象に過ぎない
「構造自体が変わる」
カフカ先生は常にラディカルである
きっとそうなんだろうな
と思いながら
話をうかがう
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くもり空の下
バスに乗って
西へ向かう
用事を済ませて
家に帰る
昼寝
食材買い
電話受け
話聞き
八百屋にも行き
言葉を書く
夜遅く
「あ」
と声が出た
今日
図書館で借りた本の返却日だった
困った
まだ半分しか読んでいない
けれど凄く長い間待った本だ
読みたい
というわけで
めったにないことをしでかした
後日
お詫びのメモを付け
返却ャXトに入れる