こないだまで
4枚着ていた
油断した
今は7枚着ている
カイロ3枚
だから
寒くない
汗が出るほど
帽子のつばから
水滴が落ちる
さわってみると
つばが濡れている
残った雨露だと最初は思った
何のことはない
マスクをして
吐く息が水蒸気になって
まっすぐ上に立ち
つばを湿らせていたのだ
黒い小さな水鳥たち
水面を蹴って
飛翔する
それを見ている
たいしたひとたちだ
虹を持った女が現われ
通りの向こうから
微笑んだので
微笑み返し
彼は通りから
いなくなって
東へ向かった
カフカ先生は
以前わたしにこう言った
「人間 駄目な時に どうするかで 決まるんだからね」
抜こうにも抜けない
言葉は
体の中に宿り
時折
その姿を現わせては
わたしを黙らせる
一点を見て
思わせる
4枚着ていた
油断した
今は7枚着ている
カイロ3枚
だから
寒くない
汗が出るほど
帽子のつばから
水滴が落ちる
さわってみると
つばが濡れている
残った雨露だと最初は思った
何のことはない
マスクをして
吐く息が水蒸気になって
まっすぐ上に立ち
つばを湿らせていたのだ
黒い小さな水鳥たち
水面を蹴って
飛翔する
それを見ている
たいしたひとたちだ
虹を持った女が現われ
通りの向こうから
微笑んだので
微笑み返し
彼は通りから
いなくなって
東へ向かった
カフカ先生は
以前わたしにこう言った
「人間 駄目な時に どうするかで 決まるんだからね」
抜こうにも抜けない
言葉は
体の中に宿り
時折
その姿を現わせては
わたしを黙らせる
一点を見て
思わせる