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kotoba日記                     小久保圭介

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目に見えないけれど

2013年08月27日 | 生活


草むらから、
バッタが飛び出し、
調子に乗って、
道路に出るものだから、
こいつは阿呆だ、
と毒づき、
車がぺちと踏まぬ前に、
足を道路に、
ばんばんやって、
新たな草むらに、
追いやるまで、
一汗かきました。
保護色の中に消えた、
バッタは、
姿が見えず、
グレイの道路では、
あんなにも、
黄緑が冴えるものなのだな、
と数秒前の、
必死の中の記憶を出して、
思いました。

以前、
宮嶋美衣さんが、
教えてくれた句、

「秋きぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」 藤原敏行

そんな日がやっと来ました。

目には見えないけど、
風が吹くと、
あれえ、違うぞ、夏の風じゃないぞ、
秋かもな、

という句です。

美衣ちゃんは、以前、
この句を僕に教えてくれた時、
「この句は好きなんだよー、ホント、そうだもんね」
と、言いました。
続けて、
「昔の人は暦をよく作ったし、
その通りに、
ピッタシ、
一日ずれることなくてさあ、
季節は変わるし、
昔の人って、
ホント、偉いよねー」、
という主獅フことを、
言いました。
美衣ちゃんは「ほんと」
と言う時、
「本当」というふうには言わず、
「ホント」とカタカナの軽いノリで、
深淵をちゃらっとャbプに言います。
僕は聡明な美衣ちゃんも、
偉い人だと思っているけれど、
藤原さんも、
たいした人です。

けれど、
この句の素敵を、
実感し始めたのは、
まだ最近。

秋きぬと
目にはさやかに見えねども
風の音にぞ
おどろかれぬる

暑い暑い、
夏が終わろうとしています。