お礼参り

今日はセザンヌ先生の所に行きました。
いろいろ、
他にも用事があるので、
土日エコ切符を買いました。

セザンヌ先生は、
元気そうで、
いつもの感じです。
２０年、お世話になったお礼に、
信仰はないのは知っているのだけれど、
熊野の「勝守り」を差し上げました。
「よく効きますよ」
と言うと、
「ふむ」という感じで、
机の一番上の引き出しに、
セザンヌ先生はお守りを入れました。
それからちょっとしたアルバイトを、
頼まれました。
勿論、時間があるとき、
それぐらいはしたいと思っています。
出会いというのは、
不思議で、
まさか、
２０年も、
セザンヌ先生と、
大きな机を挟んで、
話したり、
本棚を開けて、
金子光晴の紀行本や、
その時々に、
僕が鞄に入れていた本を出しては、
文学の話、旅の話、
をするとは。
この広くて、
電話しか置いていない、
簡素な机とも、
今日が最後です。
無駄のない、
装飾の一切ない、
部屋で、
セザンヌ先生は、
僕の新作を丹念に見入ってくれたり、
２度、感想の葉書を頂いたこともあります。
先生は、
文学が好きなのでした。
スペイン語もやっているし、
詩のことも、
話しました。

バスに乗って、
カーマに行き、
４００円弱で、
保冷剤枕を買いました。
それから、
友人宅へ。
バローがあったので、
買い物もして、
おみやげは、
タコを買いました。
宅に着くと、
意外、
タコを喜んでくれて、
僕らはタコを食べながら、
ボブディランの「ローリングサンダーレビュー」の、
ＤＶＤを見ながら、
歌いました。
「お守りのおかげで、
かくかくしかじか、で、
ありがとうございます、お礼に、タコです」
と僕が言うと、
友人は、
「お礼参りか！」
と、
かなり悔しそうに、
そして、
笑いながら、
「タコ」と言って、
タコを食べました。

気がつくと、
夜になっていて、
ボブディランの箴言集を借りて、
帰りました。
本棚には、
武満徹の本が３冊あって、
どうして武満の本があるのだろう、
と思いました。
居間の横の和室には、
立派な本棚があり、
そこには、
中原昌也もあり、
僕の知らない日本、中国の、
古典がたくさんあります。

タコは美味しかったです。
イカよりも、断然。