kotoba日記                     小久保圭介

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海辺のカフカ、読了

2009年09月06日 | 読書
夜、
村上春樹著「海辺のカフカ 下巻」を読み終え、
読了とします。
この作品もダブルプロットで、
交互に別の語り口で構成されています。
陰陽というか、
補色というか、
まったく違うものを、
ぶつけることで、
「広がる」ことを、
なんとなく判ったような気になっています。
それにしても、
登場人物のナカタさんはとても魅力的で、
この人だけの物語を、
読んでみたくなりました。
こんな人がいたら、
会って話したいし、
行動を共にしたい、
と思います。

村上春樹の小説を読んでいると、
言葉の人だとつくづく思います。
たとえば、
「空の色が変わった」
という言い方をするのですけれど、
本当に空の色が変わって、
雨が降ってくる景が、
僕には現実のように思えてくるのです。
この小説も長い小説ですけれど、
こつこつと素晴らしい言葉を連ねて、
作られています。
北野武が自作の映画について、
「どの映像をとっても、絵として見ることができるのが理想だね」
と言っていました。
村上春樹の小説も、
どこから読んでも、
詩のようになっている散文だと、
思いました。
文撃ニいうのは、
こういう作家のことを言うのだと思います。

昨夜、録画した大貫妙子、
今日中に見ることができませんでした。
また楽しみにしようと思います。

それにしても、
読書に集中していると、
本当に幸せを感じます。
当たり前ですけど、
本の中には、
言葉ばかりがいっぱいあって、
素敵な熟語もあって、
おもしろい会話があって、
ナイーブな描写があって、
かっこいい英語があって、
詩的な比喩があって、
それは、
すべて、
僕の側の言葉の問題なのです。
勿論、作家の導きがあっての、
ことですけれど。


コメント
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