旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

雪の移動日~電車でベルンからツェルマットへ

2012-11-05 18:33:56 | スイス
朝起きて窓の外

昨夜降り始めた雪は朝にはかなりの積雪になっていた。
朝食で皆さんにお会いする時、ついつい「メリー・クリスマス」なんて言いたくなる雰囲気(笑)


この風景を見ると、ベルン観光のおととい、トゥヴァンとムルテンへのきのうがこの雪でなくて本当に恵まれていたのだと思う。

今日はゆっくり出発して、ベルン駅を11:07に出発する列車に乗る。スイス国鉄特有の荷物別配送システムを利用するのでちょっと早く駅へ到着。※このサービスは手続きがけっこうめんどくさい。少人数だから出来ることだと、再認識した。

出発までベルン駅の構内で自由時間。

あ!おとといベルン博物館で見た全身9mのクリストフォロス木彫のレプリカがある。

★この巨像についてはこちらに詳しく書いたものをご覧ください。

スーパーでは、フライブルグで食べた「坊さんの頭」チーズが売られていた

おいしかったなぁ、あの前菜の全部※こちらからごらんください。

二階建て列車の二階部分

自由席だが、かならず車掌さんが検札にやってくる。
窓の外に雪のトゥーン湖が見えてきた

トンネルを抜けてヴァリスの谷へ入り、VISPで乗り換え。スイス国鉄にしては珍しく十分の遅延到着だった。タイムテーブルでは8分しか乗り継ぎ時間がなかったので心配していたが、同じ乗り換えの人は多いらしく、列車はちゃんと待っていてくれて、ホームでは駅員さんが誘導してくれた。こういうしっかりしたサービスをしてくれるのは、スイスと日本の鉄道ぐらいでしょう。


谷の奥ツェルマット終点までの列車はこんな内部

一般的なツアーでは氷河特急の乗ってしまうルートだが、こういう一般列車を楽しむのも少人数ならでは。
雪のぶどう畑






ツェルマットのホテルは駅からすぐのところを指定していた。
夏にいつも利用する山の上のリッフェルアルプはこの時期休業している。
18時前に駅に到着する我々のスーツケースのためにもここが便利。
駅から百メートルだけ、つるつるの足元に気をつけながらスーツケースをひきとる。


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「フライブルグの穴」にてトリュフ味のチーズ・フォンデュ

2012-11-05 16:46:38 | スイス
フライブルグといってもドイツではない。
スイスのドイツ語圏とフランス語圏境にあたるフライブルグ(ドイツ語)州=フリブール(フランス語)州の、ムルテン(ドイツ語)=モラ(フランス語)の街であります。
城壁に囲まれた旧市街を歩いた10月末の寒い日、ちょっと早い夕食をこの「フライブルグの穴」へ入った。

《手造の旅》でなければ、スイスのムルテンでこんな夕食は食べられなかったでありましょう。地元のガイドさんが半年前に行って気に入り、今回の旅のためにアレンジしてくださった。
ただ、メニューは、小松が好まないチーズ・フォンデュ・・・そうなんです、チーズ・フォンデュを「本場」で食べてみたいという日本人は多いけれど、小松の経験からは、通常白ワインの香りがきつくて、日本人には合わない事が多いのです。

「ぜったい美味しいですから」「フォンデューはほんらい寒い時に食べるものでぴったりです」と説得され、今回はちょっと違うというチーズ・フォンデュを試してみることにした。

前菜は、定番のハムやチーズの盛り合わせ。よくあるメニューだが、これが全て絶品!食べてもらうしかない。

先が面白く削れているチーズは「Tête de Moine(テットゥ・ドゥ・モァンヌ)=坊さんの頭」と呼ばれる旧ベルンに属したジュラ地方のモノだそうだ。変わった形ですぐに覚えてしまった。
◎後で調べてみると、「夏に搾乳したミルクから三ヶ月から半年かけて作り、冬がたべごろ」「ワッシュタイプでも強めの味わいなので、専用のジロールという削り器で薄く削って食べる」とのこと。

今回出されたものは、それほど強い匂いも感じなかった。ワインとぴったりだったからかしらん。写真は専用の削り器「ジロール」※ネット辞典ウィキペディアより


そして、やってきたチーズ・フォンデュの鍋。
「モアティエ・モアティエ(moitié-moitié)=ハーフハーフ」というチーズの混ぜ方で、3種のヴァシュランチーズと2種のグリュイエールチーズを溶かしている、とのこと。そして! この季節ならではのポルチーニとトリュフを入れての鍋だという。
★こちらポルチーニ入り
パン共にポルチーニをすくって食べる
★そしてペリゴール産のトリュフ入り!実に香り高い

白ワインの香りはたしかにするが、ポルチーニとトリュフはそれをうまく生かしてくれている。ううむ、たしかに美味しいチーズ・フォンデュでありました。これなら、小松もまた食べたいです。

デザートはこの店の窯で焼いたというメレンゲ。かかっているアイスクリームにスプーンをいれると、さくっと軽く切れる。口の中でふわりと溶けて、「おなかいっぱい」と呻いていた皆さんの別腹にしっかり納まっていったのであります(笑)


二時間ほど、穴での夕食をゆっくり楽しんで出てくると・・・おお、地上は雪になっていた。暗い道を三十分ほどでベルンのベルビューホテルへ到着。すぐ近くの連邦議事堂では、雪の中でイルミネーションのスペクタクルをやっていた。
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ムルテンの城壁を歩く

2012-11-05 13:27:10 | スイス
ムルテンはベルンをモデルに作られた城壁に囲まれた街である。中央の大通りの突き当りには同じように時計塔がある

1476年にスイス(いや、当時は「盟約者同盟」という呼び名であった)にとっての重要な戦いのあった土地である。
↓この湖をわたってきたブルゴーニュ公国軍はムルテンを包囲した。

城壁は今でも街を取り囲んでいる。上って歩くと15世紀の雰囲気を感じることができる。
頑丈な城壁の壁を利用して家屋が建てられるのはよくあること。

ドイツ・ロマンチック街道のローテンブルグよりも湖が見える分おもしろいかもしれない。

家々の煙突がそれぞれ違ってみんなおもしろい。

城壁の乗降口はドイツのプロテスタント教会横の細い路地にある。

この教会はもともと1399年のカソリック時代に建てられたが、1710年に現在のバロック式で再建された。
かつての装飾豊かな彫刻はみんな廃棄されてしまったのだろう。
シンプルな内装である。
古い教会は祭壇奥の一部にだけその面影が残されていて、
そこから持ち込まれた説教壇が正面突き当りに置かれている。

城壁沿いにもうひとつフランスのプロテスタント教会の外観。
ここはフランス語とドイツ語、両方の住民が居住している街である↓

メインストリートの突き当りにある15世紀頃と思しき建物(実は1874年後期ゴシック風につくられた建物だそうで、騙された(笑))
かつて収穫したニンジンを貯蔵する穴を持っていたので「リューベン(リューブリ=ニンジン)ロッホ(穴)」と呼ばれる。

ムルテンの鉄道駅へ直通する道をつくろうと、この建物を破壊する計画がもちあがったが、
幸い予算不足で実現されず、この建物は生き残った。
**
城壁を出てすぐのところに伝説の菩提樹がある。

ムルテンの戦いの勝利を知らせるため、ベルンに向かって走った伝令は、
その印に菩提樹の枝を持っていた。
それと同じ枝から現代まで続いている木だというのである。

ムルテンの博物館はかつての水車小屋を改造してつくられた。

ムルテンは戦いののちベルンとフリブールに五年毎に交代統治されることになった。
この石の紋章は真ん中に帝国自由都市の双頭の鷲
※ムルテンは帝国自由都市13世紀には帝国自由都市の称号を得ている
左にベルンの熊・右にフリブールの白と黒の紋章が刻まれている。
サポーターとして立っているライオンがムルテンの紋章からきているのだろう。


この椅子は街の「お代官様」が使っていたものだそうだが、
はて、この台座の引出はなぁに?
係員に訊ねると「暖房用の炭を入れていた」とのこと。
寒いところなんですね。


選挙で選ばれた議員さんも、
最後にこの袋に入っている籤をひいて当たらなくては代表になれなかったそうだ。
金の玉は本当に当選。
銀の玉は落選。
神によっても選ばれることが必要だった
わけですな。



この祭りの面はムルテンの紋章になっているライオンをあらわしている。
ちょっとコワイ


ムルテンの戦いで使われた銃が一番下の階に展示してあった。
種子島に伝わる半世紀前のものだが、
まるで木の棒に鉄の筒を埋め込んだだけのような構造をしていた。
先込めで火薬に点火するための火縄をつける穴だけが手元にある。
引き金さえも見当たらないが・・・下にちょこっと出ているのがそれ?

鉄砲というものの原型を見た気がした。

勝者ブーベンベルグ家のアドリアン(英語読みでエイドリアン)の像。彼の像はベルンにもある。

こちらは敗者、ブルゴーニュ家のシャルル突進公↓

彼の死によって、ブルゴーニュ家の中世の秋は終わり、一人娘のマリーが嫁いだ先のハプスブルグによって次の時代に引き継がれていった。

この日の夕食は、小松には珍しくチーズフォンデュ⇒次の日記をご覧ください。
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