旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

《手造の旅》屋久島~地域食材へのこだわり tama cafe ,サンカラの庭を林シェフと歩く

2021-12-12 14:24:10 | 国内
ヤクシカの骨を二日煮込んだ出汁をベースに、スパイスを効かせたグリーンカレー

↑左下のおからみたいなのはほんとに「おからポテトサラダ」だった↑
一湊の里でのランチでも「永田集落の豆腐」があった。屋久島産の豆腐があるのですね。
そこに
「屋久島一湊から産まれた油の乗った美味しいさば節と、『NPO法人じゃがいものおうち』という屋久島の障がい者支援施設の皆さんが作られた優しい味の手作りのおからを使いました。」と珠代さん。
JRホテル屋久島泊の朝、散歩した時このNPOの近くを歩いたのを思い出した。


12月12日のお昼は、春牧・安房から屋久杉自然館へ行く途中にあるtama cafeの植田さんにおねがいした。
滋賀から移住した彼女はコロナ禍まっただなかの昨年4月、念願のカフェをオープンした。
※「やくしまじかん」での紹介ページにリンクします

もともとテイクアウト専門のお店なので広くはない。そこにありったけの椅子を用意していただき、解説付きでいただきます(^^)
味というのは「それが何か」をちゃんと知ってよりおいしくなる。
.
十二月でも彩り豊かな草花が咲く屋久島らしい彩。
ここに、ヤクシカ出汁のカレールーをかける※冒頭写真



今日は仲間の井坪美紀さん↑前列左↑も、手伝いにきてくださっている。
カレーの出汁をとるヤクシカの骨は、彼女つながりで入ってきたものだった。
「ヤクシカは年間二千頭ほどが駆除されています。増えすぎたヤクシカは現在二万五千頭近くになって、畑を荒らす害獣なんです」
「銃ではなく罠で捕獲してプロの猟師さんが処理をします」
※井坪さんが出入りしている「屋久鹿王国」というサイトにリンクします
ジビエのヤクシカは良いお金になるのかとおもったら、15㎏以下の鹿は処理費用の方が高くつくのでひきとってもらえないのだそうだ。※ヤクシカは成獣でも小柄なのです※西部林道で見かけた時のブログにリンクします
一時間ほど、お二人の屋久島愛をお話いただいてランチを楽しんだハヤトウリ

記憶に残るランチタイム!
**
午後三時にはサンカラホテルにもどり、
ロビーで林シェフとミート

サンカラホテル敷地を食材トークツアーをしていただいた。
※「やくしまじかん」の林シェフ紹介ページにリンクします

今日は暖かく風もない。
雨でも降ったらどうしようか代案も考えていたが、「雨の島」屋久島らしからぬお天気に恵まれた。
※2017年3月6日に滞在した時、庭で偶然お会いしたのが今回のガーデントークにつながった(^.^)
その日のブログにリンクします


●ツワブキはこの時期よくみかける黄色い花

花や芽を揚げる店が多いそうな。「まぁ、揚げたらなんでもおいしくなっちゃうんですけどね(笑)」

●ハナミョウガは白い花


●ハイビスカスはこの時期開ききらない



庭を手入れされているオカベさんが通りかかって、話しかけてくださった。
これだけの庭がいつでも美しくあるのは、彼女のような裏方さんのおかげ。
とても丁寧に・分かりやすくお話くださいました。

●アラマンダはちょっと百合みたい↑
「似つかわしくない、いかついウニみたいな実がなるんです」とオカベさんが葉をあげると

↑なるほど、これかぁ

実際に手に取って味わってみて、そこらじゅうに食べられる植物があることを知る
レモンは葉っぱまでレモン
●ステビア~葉っぱを噛むととても甘い!砂糖の三百倍ともいわれる甘味をもつ。
  ほんとに甘くてびっくり
●月桃は沖縄ではムーチーとよばれ、ポリフェノールを多く含む

●バナナは巨大な花をつけ、ひとつのカブから一度だけ実をつけて終わる↑

↑●オオタニワタリは沖縄のシダ植物で真ん中の新芽は苦いがおいしい

●大葉(右)↑左はそっくりだが毒がある「キツネノボタン」
素人にはぱっと見区別がつきません


●シイタケの原木↑収穫まで一年かかる
それぞれを自分の舌で確認して料理に生かしておられた。夜のダイニングがとても楽しみになった(^.^)

「高級フレンチのカウンター席なんて、ふつうとても緊張するんですけど、今日は昼にお会いしていたシェフが迎えてくださったので、ほんとに楽しい食事になりました」とコメントをいただいた。
ああ、そのお気持ちよくわかります。
食事を楽しませてくれるのは高級な料理ではなく、料理人をはじめ場をつくってくれるひとの気持ちに尽きる。
★この日のメニューを写真と共に詳しく載せました

OKASのメニューが書かれた紙の裏には↓
↓今日教えていただいた草花のイラストがさりげなく描かれていた↓

↑上から
●ツワブキ(艶蕗)~寒くなると咲く黄色い花
●ノカンゾウ(野萱草)~ユリに似たオレンジ色の花
●サキシマフヨウ(先島芙蓉)~ピンク色のふわっとした花
●ゲットウ(月桃)~台湾での漢字名からつけられた、こぶりな白とピンクの花。
       沖縄などで自生し香辛料にも使われる

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《手造の旅》屋久島~春牧里めぐり

2021-12-12 10:30:08 | 国内
春牧・盛久神社のご神体に「主馬判官盛久」と刻まれてる。
**

昨夜、サンカラホテル本館テラスの夜空にオリオンと冬の大三角形が輝いていた。

朝のテラス

屋久島南岸は北岸よりずっと晴天率が高い。

多彩なパンが待っている

朝からこんなに食べちゃって(笑)

朝食前菜↑

主菜には鯖カレーを選んだ↑

09:30カートでバスまで送ってもらう。
***
屋久杉を運び出す主要な場所だった春牧集落を案内していただく朝

春牧集落はいまや屋久島で二番か三番の人口。
川を挟んだ安房(あんぼう)集落と合わせれば千九百人ほどになる。
※島全体の人口は約一万二千、屋久島にはすべて海岸に二十四の集落がある。

盛久とは、平清盛の重臣で伊勢平氏の盛國の八男。平家滅亡後の京都に潜伏していたが捕まった。

社の板間で里めぐりガイドの澤田さんが、紙芝居をつかった説明してくださいます。

鎌倉に送られ由比ガ浜でいましも首を切られようとした時、盛久の持った経巻が光を発し↓

↑振り上げた刀は三つに折れた!
源頼朝はその奇跡を聞いて盛久を許し、再び京都近くに隠棲した。
※このあたりの話を詳しく解説された方のページにリンクします
その後、「壇ノ浦で入水した安徳天皇は実は逃れて薩摩硫黄島で生きている」という情報を得て、世が世なら天皇であった主君に会うために南洋に向かった。 硫黄島で旧主に出会えたのかは分からない。が、病に陥った盛久が薬を求めて薬草の豊富な益救(やく)島(=これが語源と思われる)へ向かうが、屋久島に到着した時にはすでに亡くなっていた。
島民は浜に埋葬したが凶事が続いたので、この神社があるところに改葬したと伝わる。

「こちらのご神体はなんですか?」と訊ねると、いつもは閉じている奥を開いてくださった。

↑スマホの光で照らし出されたのは「主馬判官盛久」と刻まれた小さな石塔。これは江戸時代のものとされている。
※ページ冒頭の写真をごらんください

屋久杉の社で

屋久杉の絵馬を売っている。

大きなアコウの木


盛久神社すぐとなりの焼酎工場も見学
***

芋焼酎がイモからつくられると思い込んでいたが、基本は米なのだと知った。

焼酎造りの工程
①米を蒸す

②タネ麹を入れて二日発酵させると麹になる

③麹に水と酒母(しゅぼ:パンのイースト菌と同じ種類)を入れて五日間アルコール発酵させる
※屋久島は硬度5という超軟水(屋久島のミネラルウォーター「屋久島縄文水」で硬度12、ヨーロッパのエヴィアンやヴィッテルは硬度300超)、これが独特の酒になるのだと説明された
④蒸したイモを入れて一日発酵させる

この段階ではじめてイモが入るのですね。
イモはわるい部分を丁寧にとりのぞいて、皮つきで。
⑤醪(もろみ)を入れて三回目の発酵を八日間。
これは一次発酵と同じような和甕に入れる。
アルコール度が13%程度まであがる。
⑥蒸留してアルコール度37%のに焼酎になる。
この段階では「荒い」味なので、
半年から一年寝かせて水をくわえて25%ぐらいに調整。


こちらではウィスキーもつくっているが、
元は信州からもってきている。
****


↑かつて屋久杉を運び出していたトロッコの線は大正十二年(1923)に16㎞が敷設された。
※現在も森林整備のために使われているが立入禁止
昭和三十五年(1960)には杉を伐採する家族540人が暮らし、小中学校には150人の子供たちがいたそうだ。
巨大な杉を山から下ろすトロッコ、最初は動力はなくブレーキは自転車並みの手動だった。
大阪万博のあった昭和四十五年(1970)杉の伐採が禁止され廃村。

立派なトラックはもともと貯木場。

↑このおもしろい石は、きのう山の頂上に屹立しているのを見た「天柱石」の小型レプリカ。ホンモノは高さ四十メートル。

道路からすぐの小川に

巨大な一枚岩がある。
中国の映画のロケが行われたそうだが、「観てません」とガイドさん。そうですよね、そもそも日本で公開されているのかしらん?
*****

さいごは松峰大橋からシダの葉飛ばし

たーくさん用意してくださった。

これ、やってみると思いのほか楽しめる(^^)

うまく風にのると紙飛行機のようにふわーっと川面をすべってゆく。
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