旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ウェールズの古都、コンウィ到着

2016-05-17 16:00:34 | イギリス

イングランド領チェスターはウェールズとの「国境」からすぐの場所にある。出発して一時間半ほどで北ウェールズの古都コンウィの街が見えてきた。

コンウィ川が海に流れ込む場所に、1283年イギリス王エドワード一世が建設させた街である。

印象的な古城にくっつけて、現代の橋が建設されているのがおもしろい。

この橋を、城から眺め降ろした写真がこれ↓

三つの橋が並走している。※これについては別に書きます。

****

周囲三キロ少しの城壁を抜けて、バスはぎりぎり旧市街に入ってゆく

普通に人々が暮らしている
その中心、キャッスルホテルにチェックインした。

三十分ほど休憩して、街を散策に出る。
城壁にのぼり→※無料、24時間ずっと開いている。

城壁伝いに城へ歩き、四時にはお城へ入場※ここは有料

荒涼とした、美しい景色がひろがる

各タワーへ、ほとんどが登れるように整備されている。足元が心配な場所もなくはないが、まだそれほど観光客の数が多くないから鷹揚に開かれている。気を付けて登りましょ。

13世紀、ウェールズ人の王が支配する地域に、侵略者のエドワード王が町を築くのだからこのぐらい堅固である必要があっただろう。エドワード王は明日訪れるカナーフォン城も含め十の城を鎖のように建設した。

海辺なのでやたらカモメが多く、塔の上に巣を作っていて近づく我々をにらんでいる→

城のお店ではウェールズ語指南の本も売られていた。緑と白の地に赤いドラゴンがウェールズの旗であります。

お城からホテルまでの帰路は歩いて

夕食はホテルのダイニングを予約しておいた。なにかウェールズのスペシャルをと思ってメニューを見回す。見透かしたように前菜に「ウェールズ風もりあわせ」があったので注文。ムール貝が地元名産だそうだ。右下のスティック状のものは、一瞬かぼちゃかと思うぐらい甘味のあるイモだった。

 



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チェスター

2016-05-17 04:35:42 | イギリス
木組みが美しいチェスター旧市街

今日は充分時間をとったので、徒歩観光の前にバスで城壁の外側もまわることにした。

チェスター最古の教会といわれる
●洗礼者ヨハネ教会
外観は半分倒壊した廃墟の一部の様に見える↓

西暦689年に当時存在したマーシア国の王によって最初の教会が建てられ、907年に拡張。1075年に建てなおされた部分が現在残る教会のもっとも古い部分と思われている。時代はロマネスク。入ってすぐに、その雰囲気がひしひし感じられた。

イングランドでもっともよく保存されたノルマン・ロマネスク様式の教会である。

当時の主祭壇があった東側が1581年に倒壊して、その部分を閉じてしまったので、残骸が外側に取り残された。さっき見えた廃墟がそれだったのか。以前のもっと大きかった頃の復元図↓

倒壊した部分に建てられた小さな小屋には18世紀にトマス・ド・クインシーの母も住んでいたと書かれていた。

この教会はイングランドの成立、ヘンリー八世による宗教改革、盛況と革命、歴史の荒波を乗り越えて現代に至る。
盛況と革命の時に壊された墓石も


**
南門のすぐそとにある女子修道院学校の建物

ここが建設されるときに見つかったローマ時代の闘技場が保存されている。
※こちらにもう少し詳しく書きました

***ローマ遺跡が集められた南側城壁の一角は、盛況と革命の時に攻撃で破られた跡が残されている。下の写真で右側に見える壁、一部がはっきり修復されているのが分かる↓


設置された解説版は透明になっていて、こんな風に簡単に理解させてくれる↓


****●チェスター、聖ウォーヴァン大聖堂

ここも前出の聖ヨハネ教会と同様にもとはノルマン・ロマネスク様式12世紀の建造だった。その一部が残されている↓

このウィリアム征服王時代、彼の腹心でノルマンディのアヴェランシュ(モン・サン・ミッシェルのすぐ近く)出身のヒュー・ルパスという人物の墓が見つかっている↓

「ルパス」とはラテン語系の言語でオオカミを意味する。ヒュー自身が使っていた紋章にオオカミが描かれ、これと同じだったのでヒュー・ルパスのものだと断定された。これが↓彼の紋章

彼の名前は、その行いがオオカミの様に残忍だったからだという説がある。自らそれを紋章に選んだ意図はなんだったのだろう。
戦争に明け暮れ、跡継ぎの息子夫婦に先立たれたヒューは、死の四日前にチェスターの修道院僧となった。

この教会の見どころのひとつは15世紀以前に制作されたと思われる聖歌隊席の木彫。ゾウを見たことがなかった人物が彫ったゾウは足が馬か牛のようだ

修道士にビール飲ませる悪魔

シンバルをたたく天使↓


ステンドグラスも美しい


レゴでつくられた精巧な大聖堂の模型

財政的にレゴが支援しているのだそうだ。

現在でも生きている教会は、ボランティアの方々によって支えられている。このクッションもひとつひとつ手作りで、デザインも違う↓

以前も何度かご一緒したガイドのペギーさんがゆっくりと説明してくださる。

****昼食は大聖堂付きのカフェで

お土産にこんなのも


*****昼食後、しばらく街を散策
この木組みの街並み、一見中世風だけれど、19世紀から20世紀初頭に、昔風に建てなおした部分も多い。エドワード七世王(エリザベス二世現女王の曽祖父)の像が付けられている建物↓


***
午後は、いよいよウェールズへ向かいます

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