鍋をつついて食べる

みんなで鍋物をつつくときのお箸が気になる人がいるらしい。
他人と鍋物をするとき口にしたお箸を入れる行為がためらわれるというのだ。
こういう人は基本的には、鍋物だとわかっている集まりはやめるしかないだろう。

外で鍋物をつつくときは菜箸がついている。
初めはその菜箸を使って鍋に材料を入れるが、だんだん自分たちのお箸で入れてはつつき出すから何もならない。
迷い箸やさぐり箸をしないというマナーは聞いたことがあるが、そんなによそ行きの顔で鍋物を囲むわけでないから、マナーもあってないようなものだ。
好みのものを探し出そうとしてさぐり箸をしたこともあるが、目立たぬようにやればいい。

我が家に息子のお嫁さんが来たときのことを思い出す。
鍋物ではなかったが、数枚の大きめのお皿におかずをのせた。
家族だからつついてもいいが、待てよ・・・、彼女は他人であるババ達とつつくのが嫌な人だったら困るぞ・・・と思った。
ババは、取り分けるお箸を皿に用意した。
普段したこともないことをしたのだが、ジジはそんなことに無頓着で、あちこちに自分のお箸で手をつけだす始末。
彼女も全く平気で自分のお箸でつついてるのには一安心。

昔は食卓の真ん中におかずがあって、大勢の家族みんなでつつき合って食べたものだった。
そのほうがテーブルが狭くならないし、洗い物も少なくてすむからだ。