東京五輪の疑惑はフランスの捜査に頼るしかないか

2020年の東京オリンピック招致にかかわる不正疑惑について、日本オリンピック委員会から依頼を受けた調査チームは、「違法性はなかった」という結論を出した。

この事件の発端は、世界反ドーピング機関が、国際陸連前会長のディアク氏の汚職疑惑を調査する中で、東京オリンピックにかかわる金の流れが浮上したものである。
ディアク氏の息子が関係するコンサルト会社に、日本オリンピック委員会から2億3千万円が支払われていることが浮かび上がった。

日本オリンピック委員会から依頼を受けた調査チームは、ほとんど調査らしきことはせずお座なりの調査で済ませた。
にもかかわらず、はっきりと「違法性はなかった」と結論づけた。
せめて、違法性について「断定できない」とするのが妥当なところだ。


近頃は、政治家に始まり、企業や団体も、不祥事があると、調査を第三者調査委員会に委ねることが多い。
この第三者の調査委員会なるものが、公平な調査どころか、まるでお抱え弁護士のような存在になってしまっている。
利害のある当事者から独立した第三者ではない。 「第一者委員会」とでも称するのがいい。


東京オリンピックにかかわる疑惑についての解明は、フランスの検察の捜査に期待するしかないようだ。