ジジババのたわごと

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円高で八つ当たり

2010年08月27日 | Weblog
株安で日経株価が9000円を割った。
理由は円高である。対ドル83円台に突入して、ユーロに対しても高い。円が独歩高の状況だ。
これが輸出企業の業績を悪化させるとされ、輸出関連企業が多い日本の株が売られている。
円高進行を止めようと野田財務大臣が口先介入したが、市場は見透かしたように逆に円が上昇する始末。

素人の経済知識なので大それたことは言えないが、このところの円高に対するエコノミストとか学者の発言はどうも無責任のように響く。
円高が押し寄せてきた腹立たしさと苛立ちを、政府に向けて八つ当たりしているような印象である。
今の円高は異常だから、円を正常な範囲に戻すように政府は手を打つべきだ、というのだろうか。
それとも、円のレートは妥当だけれど、日本経済がより深刻になると予想されるので、経済対策や金融対策を行うべきだ、というのか、ごちゃごちゃにして議論しているふしがある。

政府の無策を非難するが、何をどのようにせよというメッセージがあまり聞かれない。
みんなの党の渡辺代表にしても、「菅内閣が何の対策もとろうとしないしないので見透かされている。無策の円高」と非難するが、具体的にこのようにせよ、と対策を述べていない。

円高を止める手立ては無いと見たほうがよいのではないか。
為替は本質的に市場で決まるものであろう。通貨どうしの相対的な評価のだから、少し長期にみれば、たとえ国が円売りで介入してもいずれ落ち着くところへ落ち着くのではないか。
円が買われているのは、世界的に流動するマネーが海外の投資先に不安が生じたので、相対的に日本の円の安定が評価され移ってきた、というのが大方の観測である。

日本では「円安が良いこと」とする声が常に強いといわれる。
自動車や電機などの輸出産業が日本の中核産業で、政治や世論に対する影響力が強いからである。
輸出企業ばかりに着目するからマイナスイメージになるが、必ずしもマイナスばかりではない。

円高にはメリットもある。電力・石油関連企業に代表される輸入に依存する企業はプラスに働く。
円高は物価を抑制する。円でより多くのものが手に入るのだから、日本人の実質賃金が上昇することを意味する。
輸出企業にとっても、原材料費・エネルギー価格のコストダウンが可能になる。
また、円高で日本の貨幣的信用が高まると、海外から日本に資金が集まってくることも期待できる。
円高というのは裏返すと、日本が評価されていることでもある。


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