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共産教育論(連載第38回)

2019-02-26 | 〆共産教育論

Ⅶ 専門教育制度

(4)法学院
 法曹の養成を任務とする法学院は、医歯薬系学院と並んで専門職学院の代表例の一つである。共産主義社会における法曹は、『共産法の体系』の中で論じるように(拙稿参照)、法的紛争の解決を主任務とする法務士と公的な証明を主任務とする公証人とに分かれるが、いずれも法学院を通じてのみ養成される。
 すなわち、両職ともに、試験のみで職務資格が付与されることはなく、法学院での所要単位取得を証明する修了証書が必須であり、それが資格試験の受験条件となるということである。そのような共通性において、法務士と公証人の資格は対等的であり、両者間に階級的優劣差は存在せず、職務内容の相違があるにすぎない。
法学院の修業年限は3年とし、修了者は法務士または公証人の資格試験を受験することになる。ただし、法務士試験は二段階に分かれるため、まずは初級段階試験に合格したうえ、所定の年数は法務士補として就業する。
 法学院の主要任務は法曹の養成にあるが、その養成に必要な各種法律学の研究活動をも任務とし、部分的には学術研究センターと同様の機能を持つ点は、医歯薬系学院と同様である。また、法学院は座学のみならず、周辺地域の認定法律事務所や公証人役場に研修委託することによって、学生の実地教育を行なう。

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