NATURAL SOUND

音楽の話を中心に、日々のできごと‥

THE SWINGIN'S MUTUAL!

2013年03月31日 23時50分00秒 | ブログ
P1080198N・ウィルソンが「LIKE IN LOVE」でブレイクしたのは60年。そして本作はその60年から翌年にかけてキャピトルに録音されたものです。アナログ盤はナンシーの歌とG・シアリング・クインテットのインストが交互になっています。ナンシーはD・ワシントンのようなスタイルながら、ダイナより都会的な雰囲気を醸し出しています。とくに初期のナンシーは非常にジャジーでセンスの良い歌を聴かせてくれます。ジャケット裏面に、シアリングとナンシーがそれぞれの音楽を評しているコメントがとても面白いです。ジャケットも秀逸。




LIVE BY NIGHT

2013年03月30日 01時08分46秒 | ブログ
P1080194D・ルへインの長編10作目が出ました。本書の舞台は禁酒法時代。密造酒でのしあがっていく主人公ジョーと、その親子、兄弟、家族、妻‥のストーリーをからませた長編です。謎解き的な要素はほとんどなく、どう見ても映画の原作(実際映画化は決まっているようです)。「ゴッドファーザー」を思い浮かべる人もいるでしょうし、小説ならJ・エルロイかな。しかしルへインはエルロイほど渇いたタッチではありません。ミスティック・リバー以降、ルへインはこういう作品が多くなったな。さすがに一気に読ませるし面白かったけど、個人的にはパトリック&アンジーの頃のほうが好きです。それにしてもポケミスは高くなったですね。




MULTI-SPHEROID

2013年03月24日 23時06分16秒 | ブログ
Dsc_06941976年の録音。大学を卒業した年ですが、このLPを買った記憶が全くないので、おそらくもらったものじゃないかと思います。あるいは誰かから借りっぱなしか?佐藤允彦は当時最先端のピアニストで、かの中山千夏の夫だったな、確か。当時聴いた時の印象は覚えていないほどで、今回聴いてみて「なるほど、こんなことやってたんだな」と再認識しました。ピアノからの音をスイッチボックスを通じて長周期と短周期に振り分けて「多次元球面」というわけでした。ま、でも佐藤允彦のピアノは上手いですね。




【BEST TRACK】 PRELUDE IN E MINOR

2013年03月22日 23時45分48秒 | ブログ

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YouTube: Gerry Mulligan Prelude In E Minor

G・マリガンの「NIGHT LIGHTS」は、ジャケットとともに実に雰囲気を持ったアルバムです。タイトル曲も含め、どの曲も好きですが、この「Prelude In E Minor」は古いファンはTDKアスペクト・イン・ジャズのテーマソングとしてご存じでしょう。メロディが流れると思わず「こんばんは、油井正一です」と、暗い声でつぶやいてしまいます。マリガンとA・ファーマー、B・ブルックマイヤー、J・ホールのコラボがいいですね。マリガンのソロのあとのハーモニーは抜群。ちなみにこの曲のモトはショパンのプレリュードですが、このようなボサノバチックではもちろんありません。




【BEST TRACK】 SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE

2013年03月21日 22時23分15秒 | ブログ

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YouTube: Wynton Kelly - Softly, As In A Mornings Sunrise

名演というのは数多くありますが、人気を得るにはテーマが魅力的にアレンジされていることが大きな条件ですね。この演奏はその典型的な例。ベースのイントロに続くケリーのイントロ!かっこいいです。そしてテーマではBメロの4小節目(1分12秒あたり)からのジャンプが素晴らしい。初めて聴いたときは、ここで完全にやられてしまいました。ケリーのアドリブは持前のクリーンなタッチとワイルドなブロック・コード、そしてソフトなタッチを縦横に織り交ぜた見事な構成です。何回聴いても飽きない名演。




ITALIAN SPRING NIGHT

2013年03月20日 22時05分17秒 | ブログ
Dsc_1005良いお天気の休日、シモキタ氏の奥さまが来鎌。ウチの奥さんと一緒に七里ヶ浜の某有名イタリアンのお料理教室へ行ってきました。もちろん、私は風邪のため外出禁止。シモキタ様、今日は申し訳ありませんでした。近いうちにまた。さて、帰ってきて作ってくれたのがこの料理。春らしい絶品の夕食でした。それにしても、バルサミコ酢とオリーブオイルで、こんなに多様な味が楽しめるとはね。おかげで風邪もだいぶ良くなりました。明日から出勤!ブログも再開します。




【BEST TRACK】 A NIGHT IN TUNISIA

2013年03月12日 22時01分42秒 | ブログ

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YouTube: Dizzy Gillespie & Charlie Parker - A Night In Tunisia - Town Hall, New York City, June 22, 1945

A NIGHT IN TUNISIA」という曲は往時のジャズファンをときめかせます。数えきれないほどの名演がありますが、やはりガレスピーとパーカーの演奏が真っ先に思い浮かびますね。そして彼らの同曲もまたたくさんのテイクがあります。これは1945年の6月に、ニューヨークのタウンホールで録音されたもので、アップタウンというレーベルから発売されたブートです。ピアノはA・ヘイグ、C・ラッセルにM・ローチというメンバー。この年、パーカーはドリスと付き合い始めた年。絶好調のパーカーが聴けます。信じられないようなパーカーのフレーズに圧倒されますね。たとえ音が悪くてもバードの録音は貴重です。今日はパーカー58回忌。




THE HOUSE OF THE ARROW

2013年03月06日 23時54分11秒 | ブログ
P1080176中・高の頃、夢中で読んでいた推理小説は大体「戦前の名作」というやつで、クイーン、カー、クリスティは言うに及ばずクロフツ、ヴァン・ダイン、チェスタートン、アイリッシュ‥といったあたり。チャンドラー、ロス・マクとかは大学生になってからでした。さてそんな戦前の古典の中で名作の誉れ高いメイスンの「矢の家」をポケミス120番で発見!未読だったので100円で購入。定価は150円(昭和32年)でした。しかし素晴らしいなぁ!まさに「娯楽としての殺人」そのもので、こんな古い本(なんと書かれたのは1924(大正3)年)ですが、面白いことこの上ありません。江戸川乱歩の解説も貴重。極上のひと時を過ごすことができました。